娘が通っていた幼稚園では、お誕生日のお祝い会というものが開かれていました。
まだ年少児の頃でしたが、そこで大きくなったら何になりたいかを発表する機会があったそうです。
娘はその頃決まって
「ちょうちょになりたい!」
と言っていたので、私はその夢の行方がどうなるのか、楽しみにしていました。
そしてお誕生祝い会でもそう答えたのだろうと思っていたら、ダメだと言われてしまったと少ししょんぼりして帰ってきました。
職業でないといけないと言われてしまって、ちょうちょはダメなのだそうです。
そっか。
それで、娘なりに一生懸命考えたようです。自分も大好きで、他の人も笑顔になるからという理由でアイスクリーム屋さんになりたいって言ったの、とニコニコしながら話してくれました。
このアイスクリーム屋さんという夢は、実は今に至るまで必ず候補に将来の夢のひとつなので、本人なりにすごく考えて考えて出した結論なのだと思います。
幼児教育としてもナイスアシスト!に違いないのですが、ちょっと私はさみしく感じました。いいじゃん、ちょうちょでも、と。笑
この当時、相談相手と言えばヘルパーさんがメイン中のメインでして、この話をしたところ
「え?なんでちょうちょじゃダメなんですかね!?」
と何も言わないのに、反応してくれました。
ちょうちょになれないのだということを知ったときどうするんだろうとか、ちょうちょに代わる夢ってなんだろうとか、もう少し言葉がうまく操れるようになったらなぜちょうちょになりたいのか聞いてみたかったので、私はさみしく感じたのだと思います。子どもの感性をとにかく大事にしていたのもあるこもしれません。
その大人の感覚や気持ちを共感してもらえて、とっても嬉しかったのを今でもこうして覚えています。
そしてこの話をしながら、娘が唐突に私に聞いてきました。
「ママ!おおきくなったら、何になりたいの?」
え!?
これ以上、大きくなったら、ママ大変よ!
ということではなくて、そっか。私はまだこれから何かすることができるのかな?
将来の夢とか、子どもが持つものだと思ってた。
目を白黒させながら、ぼーっと立っていたに違いありません。
そのまま「どうしよう、思いつかないなあ」、と言うと、へえーと言いながらも、少し驚いたような反応でした。
この時から、将来かあ、と私が私に質問することが時々訪れました。
なかなか明確な答えは出ないまま月日は流れ、また娘から同じ質問をされた時、こんな風に答えてしまいました。
「あなたにとって、自慢のお母さんになりたかったなあ」
キレイなお母さんに憧れていました。時々ハイヒールとか履いて、細身のパンツやフレアのスカートを履いて、お化粧もしてお散歩しちゃう、みたいなママになりたかったです。
他のお母さんやお友達から、あなたのお母さん変ね、とか、かわいそうね、などと言われない人になりたかった。
と、話すと
「えっ!」
と娘、びっくりしています。
なになに?
「ママは、私の自慢のママだよ。」
えー!!!
なんで?なんで?
「お料理も上手でおいしいし、絵とかもかわいく描くし、運動はできないけど教え方は上手だし、やさしいもん。」
と、ツラツラ、娘にとっての私の良いところを列挙してくれました。
もちろん、娘ならではのバイアス入りまくりで褒めすぎもいいところなんですけど、それをわかっていてもジーンとしてしまいました。
そっかあ。
私は自慢のお母さんになってるのかあ。
他の人からの評価は、もうどうでもいいや!って思いました。(その場は笑)
こうして、私の将来の夢さがしは続くことになりました。