本を読んでいましたら、こんなエピソードが紹介されていました。
大変ご高名な先生が認知症になられた。その先生が他の先生方の講演を聞かれた後に
「認知症は暮らしの障害である。それを忘れて議論が進んではいまいか。」
というようなことをおっしゃったと書いてあった気がします。
もう、こんなご高名な先生でもこんな扱いを受けたりしちゃうのね、という驚きもありながら、とにかくわかるわ!って共感しかなくて、先生の真意とか、本の話の流れとかを忘れるほどにとっても感動しました。
私自身、とんでもない健忘とお付き合いしながらの生活は、
これが障害者ではない?なんで?
というくらい、つらく、大変な日々でした。
受け入れることもなかなかできません。
時に頭が働くことがあるので、余計に受け入れられないんだと思います。
よくなった!と思いたいんです。
それでも、先生が訴えたことは、そういう認知症の人でも、それぞれ個性があって、まだ頑張ることもできて、素敵な人生を送り続けることができるということ。
そうだよなあ、病気とか、症状は私の一部であって、全部じゃないんだよなあ。
それなのに、「病気の人間です」って私丸ごと全部そちらのカテゴリーに入れられてしまうし、自分も入ったような気がしちゃうんだよなあ、とぶつぶつ思いながら過ごしていました。
ということで、最近は私は何者にもなれるのだと、思うようになりました 笑
周囲の健康な人は、こういう病人に付き合うということは「面倒」という側面が多分に出てくると思います。
でも、こういう人間から得られることもきっとたくさんあると思うんです。
例えば、痛くない自分ってありがたいことなんだなとか。
この人、くっだらないことでケラケラ笑ってるけど、こんなことで笑っていいんだ!とか。
こういう人から得られる面白いことにぜひ、目を向けてみてください!
そういういいところを見てもらえると、私はとっても嬉しくて、がんばって生きていきたいなって思えるのです。
(いいところなのか?というツッコミは置いておいて 笑)
もしかしたら、みなさんにとっても、面白い人生の1ページを開けるきっかけがあるかもしれませんよー!