私は、演劇が大好きです。
特に舞台は好きで、ミュージカルは私の最高にして珠玉の趣味でありご褒美でした。
別の方が、すでにご高齢でお仕事も退職されていた方が、
「今まで私はいろんな方に自分の時間を割いてきました、これからはいろんな方の時間をいただきます。」
というようなことをおっしゃって、舞台演劇を楽しんでいらっしゃいました。
私は、あーなるほど、とその時は思ったのですけれども、自分がミュージカルにハマった理由はどうも違うなと思いました。
あの臨場感ですかね。
パワーというか、オーラというか、とにかく体で受けるんです。
コンサートホールで音を振動と共に感じるのとかと似ているのかもしれません。
テレビで見ると、「あいしています〜ららら〜」みたいに非常に滑稽なんですけれどもね。俳優さんですら、そのパロディみたいなのにお付き合いしたりしますよね。あれはやっぱりテレビだから滑稽になるのかなと思ったりします。臨場感がないと滑稽になっちゃうというのはなんとなく常識なのかな?と見てて思いました。
やっぱりその場が大事なんですよ。
感染症と病状のからみで、私が劇場にいくのをほぼ断念せざるを得なくなっていましたが、去年、ついにひさしぶりに劇場に繰り出しました。
去年からまた行ってないんかあという哀愁も漂わせつつ。
それは、ゴッドスペルという作品でした。
私が学生時代からあこがれていたものの、なかなかご縁がなくて見にいけなかった演目でした。
何で行ったかというとですね。実は実は!私の友人が演出をしていたのです。
ゴッドスペルですよ!友人が演出!もうね、これ、いくしかないでしょとばかりに、マスクにアルコール、そして次亜塩素酸のスティックをぶら下げて、観劇しました。
久しぶりのあの臨場感は、そこに座っているだけで涙が出てきそうでした。
キリスト教に全く知識がない私ですけれども、いろいろ考えさせられました。
何よりも、私は左の頬をたたかれたら、右の頬を出すことはできないなと思いました。
そんな超俗人的なくだらない考えを巡らせながら、その場にいるだけで感慨がもう、こみ上げてくるものを抑えるのに必死でした。
そして、もう考えることができなくても、作者の意図がよくわからなくても、どうでもいいや、と思えてきました。
この臨場感を味わえて、パワーをもらえて、それを感じられるだけでいいのかなと。
とにかく私はとっても幸せでした。
何も考えずに、感じる幸せ。
幸せの形はいろいろありますねえ。また行きたいです。