今まで、よほど何かがない限り夫のいない夜はなかった。
私以外誰もいない家の中、寂寥感や不安に押しつぶされそうになる。
当然食欲などわくはずもなく。
一日走り回り、疲れ切っているはずなのに頭はパンパンになっていて眠気も襲ってこない。
これから、どうしよう。
まずは、自営である夫の仕事先を片付けることから入らねばならないだろう。
まるっきり夫の仕事に関してはノータッチできた私である。
何をどうした . . . 本文を読む
夫が倒れてから一年が経った。
いつも通りの日曜の朝。
前日飲み過ぎて、お風呂を見送った夫は、朝起きるとすぐにシャワーに出向く。
廊下を歩く足取りが、なんだかおぼつかなく思えた。
「大丈夫?」と声をかけると
「だいじょうぶ、大丈夫。」
そして、お風呂に入るなり、がらがらがっしゃーん、と派手な音が聞こえた。
飛んでいくと、風呂場でしりもちをついている。
「どないしたん?大丈夫なん?」
意識はあるの . . . 本文を読む
国土強靱化計画の一環ではないだろうが。
私の出た高校が、このたび全面取り壊しとなり、新しく建て替えられることになったらしい。
同級生で、母校の教師を務めている男子より同窓会に連絡が入り、仲の良かった友達と訪ねてみることになった。
合格発表を見に行ったピロティは、思いの外狭くて、中庭も、校庭も、記憶の中で広がっていた面積は、風船がしぼむように小さくなった。
ちょうど、小学校のブランコが、大人になっ . . . 本文を読む
前作の朝ドラに触発され、始めたぬか床だったが・・
ほとんどご飯を食べない私たち夫婦の生活にはムリがあって、一度ダメにした。
それでも、外食したときに時折供されるおいしいぬか漬けを食べると、
また食べたくなって、こりもせずにせっせとぬか床を作った。
それをかき混ぜていて気づいたことがある。
「手のニオイ」である。
水で洗ったくらいでは、ぬかのニオイはとれはしない。
微香性ハンドソープの香りにも勝る。 . . . 本文を読む
今日は水曜日。
同僚のハヤシ海苔子女史のサラメシが食パンの日である。
彼女が入社して一年半
ずーーーーーっと、毎日、毎日、お母さんの握ったおにぎり2個だけを持ってくる。
たまーに、カレー嫌いの彼女が持ってくるのは前日の残りのハヤシライス。
そして、水曜日は、近所のスーパーの「特売」で買っているという大手製パンメーカーの食パン6枚切りの一枚と、
会社の冷蔵庫に買い置きしている,
これまた近所のスーパ . . . 本文を読む
この夏、ひとつの疑問が私の頭をとらえた。
「寝間着」である。
世の中の人は、いや、世の大人はいったいどんな格好で寝ているのか?
元同僚の節子さんは、若い頃、パジャマを着ていたら、ご主人に怒られたそうである。
こんな面倒なものを着て、と。
学生時代の友人のひとりは、ずーっと一糸まとわぬ姿で寝ている、というし。
この二人の話は、別格としても。
大型スーパーなどをのぞいてみても、買いたくなるような . . . 本文を読む
ごきげんようの蓮子さま。
世間の激しいバッシングもものともせず、純愛を貫き幸せな生活を手に入れた。
時代の大きなうねりに立ち向かう夫とともに、この先の苦労が思われるが
気難しいお姑さんから、ねぎらいと感謝の言葉をかけられ、思わず手に手をとる二人・・という今朝の展開
先日、知り合いの若いコが、結婚した。
当然、お姑さんとは別居であるそのコとの会話で。
よくテレビで活躍しているスーパー主婦の会のよ . . . 本文を読む
ごきげんよう,ってごきげんはよくないんだけども・・
雨音にセミの鳴き声がかき消されることが多かった今年の夏。
私の夏も、忙殺され、駆け足で終わろうとしている。
二日に一度の姑詣でも、生活のリズムの一部になろうとしつつあるが、心のリズムにはなりにくい。
お互い機械じゃないので、四季があるように晴れの日もあれば、雨の日もある。
半年になる姑の施設暮らし
なれてきたかな~、と思えばなんの、なんの。 . . . 本文を読む
消費税があがる前の、三月のこと。
夫が、いきなり念願のロックミシンを買ってくれた。
私に内緒で、ミシン屋さんに相談し、突然のプレゼントである。
家に帰ったら、どどーんとその箱はおかれ、
「こころゆくまでのソーイングライフを!」と、メモが残されていた。
長年、ほしいほしいと思いながら、友人に譲ってもらった一本針2本糸のかがり専用ロックを使っていた。
だが、ここにきてあんなにほしかったはずのロック熱 . . . 本文を読む