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今日の筆洗

2024年01月20日 | Weblog
徳川3代将軍家光は竹千代を名乗った幼少期、長四郎という忠実な臣下がおり、講談にもなった▼長四郎は11歳ごろのある晩、竹千代の命で、竹千代の父2代将軍秀忠の寝殿の軒にできたスズメの巣からスズメの子を捕まえようとする。屋根伝いに忍び寄るが、誤って落ち「何事か」と秀忠も驚く騒ぎになった▼長四郎はスズメを狙ったと明かすが、誰に命じられたかは言わない。秀忠が大きな袋に長四郎を入れ、柱に結びつけて白状を迫っても同じ。やがて秀忠は家臣から真実を知らされ、主君を守る長四郎に感心する。長四郎は後の松平信綱で老中も務めた▼自民党安倍派などの派閥で事務を担う会計責任者らは、長四郎のように誰かをかばったのだろうかと勘繰りたくなる。派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、収支報告書に虚偽を記載したとして会計責任者らが立件されたが、派閥幹部の立件はなし▼共謀認定は困難と検察は判断したようだが、議員でもない会計責任者が勝手にやったのか。安倍派で特に力があったらしい安倍晋三、細田博之両氏は泉下の人。パーティー収入を秘して裏金にし、議員に還流する仕組みを誰が考え定着させたのか不明のまま、派閥を解散して出直すと言われても消化不良の感が募る▼徳川家は家光の代までに諸制度を整え、長期政権の礎を築いた。自民党の天下はいつまで続くだろう。