ギリシャの神殿に「身の程を知れ」といった意味の言葉が掲げられていた。ソクラテスは文字どおりに理解した。「汝(なんじ)自身を知れ」は、モットーになる。宗教評論家ひろさちやさんの著作に教わった言い伝えである。古代ローマではこの言葉が骸骨の絵に添えられた。「やがて消える身」と理解した貴族は享楽的に生きる道を選んだという▼まったく同じ言葉でも、受け取る意味は人や時代により、戒めにも歓楽の勧めにもなる。ビル群や道路といった窓の外の光景もそこから何を感じ取るか、変える時が来ているかもしれない。そう思わせるニュースが最近あった▼イスラエルの研究機関によると、人がこれまでにつくったものの総量が一兆トンを超え、動植物などに由来するものを上回った可能性がある。想像が難しいが、ニューヨークの人工物は世界の魚の重さと同等になっているらしい▼驚くのは速さで、百年で急激に増えた人工物は、二十年後に生物由来の倍になる。素人目にも大変に思える地球への負荷だ▼環境も食糧や資源の供給も、経済成長重視が続く限り、破綻が避けられないという主張を見るが、説得力を与える研究成果に思える。街のコンクリートや金属から、成長の成果ではなく戒めや警告を読み取るときではないか▼あまり見たくない事実は、往々にして見るべき事実である。我々自身を知る時が来ていよう。
戦争中、天皇の居間には二枚の肖像画が飾ってあった。一枚は進化論のダーウィン。もう一枚は敵国米国のリンカーン大統領だった…▼<金鵄(きんし)輝く日本の栄ある光身に受けて>。一九四〇年の奉祝歌「紀元二千六百年」。毎日練習させられた小学生はこんな替え歌を口にした。<金鵄上がって十五銭、栄ある光三十銭>。金鵄も光も当時のたばこの名…▼訃報に著作を読み直せば止まらなくなり、当欄の締め切りを忘れたかった。「日本のいちばん長い日」などの作家、半藤一利さんが亡くなった。九十歳。膨大な資料を読み解き、推理する力、いかに悲惨な歴史を描こうとも、ほどよいユーモアを忘れぬ文章。われわれは腕利きの「歴史探偵」を失った▼「絶対」という言葉を使わない人だった。東京大空襲で九死に一生を得た。日本が絶対に勝つ、焼夷(しょうい)弾は絶対に消せると教えられたが、絶対なんかなかった▼そのおかげだろう。何事にも眉につばをつけ、小さな出来事や庶民の記憶をも丹念に積み上げる手法はのっぺらぼうになりやすい歴史に人間の「体臭」を与えてみせた▼開国、日露戦争勝利、第二次世界大戦敗戦、バブル経済…。日本の歴史はだいたい四十年周期で大きく動くと考えていた。そろそろ、次の四十年となるのか。先は見えぬ。過去の失敗を忘れるな。戦争はならぬ。そう説いた人が旅立つ。なんとも心細い。
Stepanov Artem - Teleshova Polina, 1/2 Cha-Cha-Cha
Самохин Вячеслав - Телешова Полина, Финал, Ча-Ча-Ча
Samokhin Viacheslav & Teleshova Polina. Baltic Grand Prix. LA 2014
Amateur Latin | Cha Cha Cha | Rumba | Samba | Crystal Ball 2019
Anna Kovalova | How to bow like a professional | Dance with Anna
B.A.S.E Basic Samba All England 2019 - DSI TV