米、ウナギ輸出入規制を検討 国際取引「保護が必要」(朝日新聞) - goo ニュース
こんなのが目に入ったので一言。 クジラ、マグロ、イルカ。そして今度はウナギ。 日本の伝統的食文化を枯らして、アメリカ産で餌付けする。 アメリカの食糧戦略の片棒担ぐ文系エリート(マスコミ、識者)もいい加減にしろ。 国際会議で頑張っているのも農水省の理系官僚で、文系官僚はただの翻訳係にすぎない。
さて、冷戦体制は、人種・民族よりも、制度の重要性をはしなくも証明した。 わずか一世代強の間、洋の東西で同じ民族が真っ二つに分断された結果は、天と地ほどの差を生み出した。 日本統治時代の巨額な投資があったから、スタート時点で北朝鮮は、韓国を何歩もリードしていたのだが。
ところが、日本人は制度設計があまり得意でない。 ひとつは、日本だけが性善説を前提に成り立ってきた社会だからだ。 日本以外の国は(ごく小規模な村落共同体を除けば)、みんな性悪説で社会、国家を統治してきた。
集団が非常に小さいうちは、性善説で組織運営が可能だ。 しかし、規模が大きくなり、様々な人間が混在するようになると、性悪説でなければ到底不可能になる。 とくに、異民族や奴隷を被支配層に組み込んだ社会システムは、徹底した性悪説でなければならない。 だから、日本人はそのような制度設計がことのほか苦手なのだ。
性善説で大規模な集団の団結力を生み出す方法は、組織の利益と個人の利益を一致させることである。 日本の終身雇用制、企業内組合などはその具体的な方法だった。 また、終身雇用制は顔見知りの人間関係を築くから、さらに組織の結束を高める効果がある。
そして、性善説の組織では、分厚い契約書やマニュアルはいらない。 裁判などの紛争コストも、リストラの心配もないから、みんなが建設的な仕事にエネルギーを集中できる。 日本の匠の技や、きめの細かいおもてなしのサービスはこうして生み出される。 契約書は人間性に対する、マニュアルは能力に対する性悪説から必要とされるものなのだ。
しかし同時に、人材の流動性がなくなることは何度も述べた。 人材の新陳代謝が少ない関係では、庇いあいが常態となり、組織に都合の悪い失敗はみんなで一致団結して隠ぺいするようになってしまう。
日本の組織・文化の強みと弱みは、貨幣の表裏である。 表が出るか裏が出るかは、周りの環境に依存する。 だから、環境を変える能力が重要なのだが、日本人はそれが不得意ときている。 いや、本当の問題は、当の日本人、とくに政策決定者たちが、そのことを自覚すらしていないことだ。 欧米の作ったコロシアムで、生真面目に戦っている。 ただ、血と汗を流すのは、権力から遠い庶民だけだが。
今日はここまでにします。 おやすみなさい。
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