永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

隠ぺい主義に陥る日本の組織・文化論(その4)

2012-07-17 | 組織論

長引く苦境は、日本人一人ひとりの資質や努力よりも、制度の欠陥にあると私は考えている。 それは公的組織、とくにその中でも、文系エリートが関係する組織が問題だと思う。 日本人の勤勉性、誠実さ、協調性が世界一であることは、このたびの大震災でも証明されている。

談合ブレスト(特別編その3)でも書いたように、理系エリートの国際競争力は、今でも世界一流である。 文系と違い、数学という共通言語および時空間の限定によって国境を越えて正誤を実証できるからである。 つい最近、世界を興奮させたヒッグス粒子の存在可能性も、世界中の理系人が同じ土俵で競争することで実証された。 JAXAは独立行政法人だから純粋な公務員ではないが、その歴史などから限りなく公務員に近い組織である。 それでも『はやぶさ』の大成功を生み出した。 

ところが、文系エリートは違う。 日本語というローカル言語、日本でしか通用しない法制度、行政度そして時空間を限定しない学問特性によって国際競争力を失ってしまった。 というよりも、理系の足を引っ張っているのが実情だろう。 文系エリートは国際会議で日本に有利なルールを作るどころか、不利なルールを欧米に押し付けられて帰ってきて、さらに『これが国際ルールに決まりました。みんなで守りましょう。守らない人は取り締まります』というのが関の山である。 鳩山首相が国際公約にしてしまった二酸化炭素25%削減などウマシカの極みである。

反省大好きな日本人は、制度やルールなどの自身を取り巻く環境を批判的にみることを潔しとしない。 どんな悪い結果になっても、とりあえずわが身を顧みる(美点でもあるが)。 一方、日本人以外の民族は、中国人や韓国人も、まず最初に制度や周りが悪いと考える。 だから、自分を変えることよりも、周りを変えようとする。 ただし、この能力に関しては、欧米が一番優れている。 現在の世界の公的機関はもちろん、スポーツやビジネスのルールなど、ほとんどすべてが欧米によって作られたものである。 ギリシャ・ローマ時代から異民族の奴隷を統制してきた欧米の伝統は大したものである。

ところが、欧米が作ったコロシアムで、嬉々と戦って(働いて)いる奴隷がいる。 談合ブレスト(特別編その2)で書いたように、公正取引委員会の委員が講演で、『戦前、財閥の談合(計画)経済が日本を戦争に駆り立てた。 だが戦後は、GHQのつくった独占禁止法で財閥を解体し、自由主義の国になった。 そして、日本は大成功を収めた。 だから、談合(カルテル)を厳しく取り締まらないとだめだ』、とおっしゃるのである。

今日はここまでにします。 おやすみなさい。


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