永崎士道の建設業徒然なるままに、時々国防とグルメも

主に建設業の話題を書きたい。
私自身建設会社の社長だったので、
業者贔屓の発言も大目に見てください。

談合は、必要悪-悪=必要だ (その14)

2012-09-11 | 談合

『予定価格は、予算策定のための見積もりのようなもので、厳密な工事価格を計算したものではない』。 『だから、競争入札は必要である』。 『予定価格以下だから税金泥棒にはあたらない』という言い分に対して、談合批判派の人(とくに公共入札に詳しい専門家)たちの反論である。

しかし、前々回(その12)で書いたように、予定価格は一円でもそれを上回ると落札できない、絶対的上限価格になっている。 これほど厳格な価格設定をしている公共入札は日本しかない。 欧米では、本当に見積もり扱いである。 最安値が予定価格を越えていた場合、まず業者と発注者が協議をする。 そして、提示金額に合理性があると判断されれば、予定価格を越えていても落札できる。 非常に弾力的な運用だ。 見積もりにすぎない、という見解であれば、欧米のやり方が理にかなっている。

日本では、発注者の予算執行、行政手続きの簡便性が一番の目的だろう。 一言でいえば、お役人は面倒くさいことをしたくない。 官製談合防止法以前は、談合破りで予算が余ることを発注者は蛇蝎のごとく嫌がった。 しかし、科目流用という予算執行の弾力化後は、失格価格ぎりぎりでの落札を期待するようになった。 親方日の丸、官の都合が最優先される(もっとも、業者数が欧米に比べて多すぎるという事情もあるから、一概に官だけを責めることもできないが)。

とりあえず、官に対する愚痴は措いて、一番理にかなった考え方は、『厳密な価格計算をできるものと、出来ないものがある』と、場合分けしてしまうことではないか。

明日から『とにかく合併だ』の新カテゴリーを設けます。 『談合は、必要悪-悪=必要だ』で、談合、業界の批判的検証を続けながら、業界改善の具体的方法論を書くつもりです。

今日も読了ありがとうございました。 おやすみなさい。  

 


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