寅の子文庫の、とらのこ日記

本が読みたいけど本が読めない備忘録

古書買い取りして思う(3)~御殿場市15:00

2006年08月25日 07時07分15秒 | 買い取りと配達の現場から
昼間、時間が空いたので古書の買い取り依頼に応じた。
軽トラックで走ること、御殿場市まで約1時間。南面に広い芝生の庭を配した大きな構えのお宅に着く。伺えばお父様もお母様もお亡くなりになられ、ご本人も都合あって遠く家を空けるので、遺品の整理を兼ねて蔵書を処分したいとのお話。~茶道・いけばな・郷土史など重厚な本ばかり約300冊を買い取らせて頂く。

長年住み慣れた家を空家にする現実と人生の厳しさ、それでも黙々と新たなる人生を歩いて行かねばならない。人は皆、此の身ひとつで生まれ、此の身ひとつで死んでいく~誰しも蔵の財をあの世まで持っては行くことは出来ぬ。当たり前のことだが故人の遺品はご遺族が整理をしなくてはならない。ひとつひとつ、思い出の品に思い煩いつつも片付けることで故人への哀悼も、思い出という引き出しの中に静かに折りたたまれていく。恐らく店主と同世代のご依頼主・・・一期一会の思いでお宅を辞したが、後にキラキラと胸に沁みるような買い取りだった。もう二度と会うこともないかも知れない、でもまたいつか、きっといつかご縁あることを念じて止まない。
Aさんいつまでもお元気で。




16:30、帰宅して我も現実の厳しさを知る~さてどうしようか、もう置き場所がない。

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