今日、最後の調査はニッポン高度紙工業米子工場にお邪魔しました。
写真左から、小田切正季生産技術課長、山村泰雄工場長、小島均製造部長、西本満男庶務課長にお出迎えいただきました。
説明は山村工場長から聞かせていただきました。以下はその概要です。
豊富な水を使えるということで進出させていだきましたが、水はリサイクルして大切に使っています。
国内4つ目の工場で、初めて高知県外に建設した。この工場では、アルミ電解コンデンサー用セパレータという紙を作っています。テレビの中を見ると黒い筒状のものが、アルミ電解コンデンサー。今はAV機器、コンピューター、自動車などで使われているが、これからは環境、省エネで増えてくるのではないかと思っています。世界で60%、国内で97%くらいのシェア-を持つ。電池のセパレータにも進出。高知県安芸市で森を育てる、守る活動を展開しています。
米子工場を建設した背景は、生産能力増強が必要になったこと。加えて、高知に事業所が集中しているので南海地震に対するリスク分散、高速道路、境港という交通アクセス、豊富で良質な水資源だった。300トンくらいを作れる機械を設置し、社員は42人。うち12人が山陰からの雇用者で、さらに10人が高知工場で研修中です。
工場内に3つの井戸を掘り、日量平均4340トンを揚水している。揚水したらタンクに貯め、純水に3500トン、濾過で840トンを処理し、製造工程で6940トン使いますが、2700トンは回収しています。100トンくらい蒸発し、排水は4240トンくらいというのが現状です。2期工事が完成すれば日量で平均8500トン、最大で1万トンの水を使うようになると思われます。エネルギーはLNGを使っており、冷たい地中から空気を通す空調システムを使うなどの環境対策をしている。とっとりの森カーボンオフセットで県と協定し、米子水鳥公園の環境保全活動にも寄付しています。
質問にも丁寧に答えていただきました。以下はその概要です。
Q 原材料は
A 原材料はパルプで購入している。パルプは木材や麻を使うが、現在は木材だけで輸入しています。電機部品の中に入るので不純物がないものを選んで使っている。水はイオン交換して純粋にして使っている。電圧に耐え、しかも、電流を阻害しないものではないといけません。
Q 高知は水が豊かか。リスク分散の必要性は。
A 山林比率が全国で一番。それだけ山が深いと言うことは水があるということ。リスク分散の必要性については高知県に生産拠点が集まっているのは問題。しかも、周期的に地震に襲われている地域。お客様からもリスク分散の必要性を言われていた。
Q 企業立地で選ばれた理由をいくつか言われたが、最大のものは。来て良かったか。
A 水が使えないところは使えない。水が豊かなのは大前提。その中で高知からのアクセスが良かった。先週7日に初出荷をしたばかりなので、来て良かったかはこれから。
Q 日量の6000トンの契約はできているとお聞きした。そのうち、4240トンは配水しているが、どうして配水しているのか
A 加圧浮上処理装置へ送って、繊維を除いて、さらに濾過器を通して微細物質も除去して流しているが、SS60PPMで契約したが、1PPM以下で排水している。
Q 産業廃棄物はどこで処理しているのか
A 純粋なセルロースなので、王子製紙さんのボイラーで使ってもらっているが、将来的には堆肥化を目指している。高知工場では堆肥化が実用化している。
Q 水の影響評価など地下水保全への負担感は
A 進出するとき、水環境影響評価委員会を米子市と一緒に立ち上げ、調査をした。この地域で9000トン水道局が取水していたので、6000トン取るように計画した。2期計画は1万トン。現在、委員会で検討いただきている真っ最中。毎日、井戸のくみ上げ量は継続的に見ている。高知県は規制がほとんどない状況です。取水量は県や市に提出しています。
Q 取水データなどを公表することに抵抗感はないか
A 調査が始まると聞いていた。データとしては提出するので抵抗感はない。
Q 節水や涵養を取水量に応じて義務付けている条例があるか
A 水をそのまま使うのは昔。安芸地域で20年前からやっているし、すでにやっている範囲であれば、負担感はない。建設するときに浸透性にあるアスファルト舗装にするなどの地下水の浸透システムをつくることはなった。それで、涵養にはずさせていただいた。
Q もっと水のリサイクルをすることはできなかった。
A 繊維と水と分離して、もう一回使っているが、なかなか繊維を分離できない。グルグル回ると濃縮するので、限界のところで新しい水を入れている。会社の特性によって変わっていると思う。
Q 水の違いは。工業用水を使うことは可能か
A 水の供給については米子市さんが責任を持つという話だった。工業用水は経費がかかるが、地下水はコストが低いので、それを使うことにした。米子市の工業用水は地下水なので、水質の違いがないので、使えないことはない。
Q 将来の環境影響調査などの負担は
A 進出協定の中で米子市さんが井戸を作ってくれる約束で、現在の評価委員会、周辺のモニタリング井戸などは行政とやってもらっている。今後、これからくみ上げる井戸がいるようになった場合は、今後は米子市、県と経費分担してやっていくことになっています。現在でも回収に費用が3倍かかる。もっと節水すると10倍、20倍なるので、経営的には限界がある。
Q 放流先は
A 佐田川に放流している。
Q 2期工事であれば雇用はどれだけ雇用を生むか
A 1期の42人は事務担当者。2期であれば1台で20人くらい。三交代で工場は動いている。
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