金魚cafe

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BENT

2016-08-08 21:48:22 | 佐々木蔵之介さん
まだ公演は続いておりますので内容はあまり詳しく申せませんが今まで観た舞台で一番重い気持ちになりました。

どんなに苦しくても生きていればきっと良いことがある、そんなふうに思って今まで生きてきました。

この状況では私なら無理と思ってしまったのです。

命は奪われなくても心が殺される。

器しかない状態にされる。

学校で習った収容所についてのことが恐ろしさを伝えつつもどんなふうに恐ろしいのか許されないことだったのかを知りました。

「~~~があるから頑張ろう」とか「なにがあっても生きてここを出ていく」そんな気持ちをまず殺されて、命を奪われて。

1930年代ドイツで退廃的な生活を続けているマックス、そんな彼を支える純粋な心をもったダンサーのルディ。

許されるものではなかったけれど同性愛者が生きていける場所はありました。

いよいよ世の中が戦争に向かっていくとまず収容所に送られたのがユダヤの人々(黄色い星印をつけられます)、政治犯(赤い▽印をつけられます))、犯罪者(緑の▽印をつけられます)そして同性愛者(ピンクの▽印をつけられます)でした。

逃避続けるマックスとルディも捕まって収容所に送られてしまいます。

そこで希望というものは何もかも奪われ壊されます。

収容されている人々に格差をつけて気持ちをバラバラにさせます。(これが残酷というか冷酷だなあと)

生きていくためにはプライドも捨てるマックスとどんな時でも誇りを失わない同性愛者のホルスト。

マックスの蔵之介さんとホルストの有起哉さんのふれあうこともできない自由のない中での愛、セリフはちょっと恥ずかしいぐらいストレートですが自由のない状況だからものすごく純愛なんだと思いました。

蔵之介さんと有起哉さんがお互いを信頼し、わかり合って演じているから観ている私たちにもマックスとホルストの究極の愛というのが伝わるのだと思います。

前半の退廃的な生活の中でクラブのオーナーのグレタ(真田丸の秀次さん^^)が歌うシーンが華やかではかなくてこの後の色のない収容所が余計に恐ろしいところに見えました。


BENTというのはねじれたとか曲がったという意味だと蔵友さんから教えていただきました。

何が曲がっているのか?

考えされられる舞台でした。










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