今年の夏、少年H、風立ちぬ、スタートレックと観に行ってずっと予告が流れていたそして父になる。
カンヌでも賞を取ったし、アメリカでもリメイクされることになったと話題だけは先行していると思ってしまいました。
これだけ予告を観るとどうしても気になって観てみようと。
ゆったりとピアノの曲がながれ淡々と過ぎてゆく映像。
いきなり有名私立小学校のお受験のシーンから。
合格するためにコドモにウソを教えるお受験塾もどうかと思ったのですが、ウソはダメと言わない親もなんなのだろうで始まり今のお受験戦争を皮肉ってるのかなと。
このウソをダメとコドモに教えない親が野々宮良多こと福山さんでコドモのお受験のためなら仕事も抜け出してくるけれど後は妻に子育てはまかせっきりでまた会社に直行と最初の印象は良くなかったのです。
スカイツリーが見える都心の高層マンションに住む理想的な家庭、息子の慶多くんが素直ないい子過ぎてパパに気を使って無理してるんじゃないかと心配してしまいました。
無事お受験も合格して良かった、良かったとお祝いしてるところに電話が1本かかってきます。
病院でコドモを取り間違えられた、なるべく早いうちに本当の親に戻すのがいいと病院の関係者、病院側の弁護士は言います。
ここで気になったのがコドモを取り間違えた病院がまずするべき謝罪をしなくてコドモのためにと話をすり替えようとしているところでした、あげくに母親ならば間違えられてもわかるだろうと責任を転嫁させようとしている所でした。
謝罪をしてしまうとあとあといろいろ大変なのはわかりますが、現実にこんなことがあるとそうなのかと知らなかった世界を観たような感じで当事者の2組の親はどこに怒りをもっていっていいかわからなくなっています。
間違えられたもう片方の斉木家のリリーさんと真木ようこさんがまた野々宮家と対照的にコドモ3人にぎやかでざっくばらん、コドモの琉晴くんはのびのびとした元気な子で、経済的なゆとりはないけれどそのぶん愛情いっぱいって感じのお家。
良多さんは一緒に暮らした時間より血をわけた関係の方が大事と元の親子関係に戻そうとします。
ここでオトナだけで決めてしまってコドモにはどうするって選ばせないのだなあとそれっていいのかなあと思いました。
まだ小さい子だから難しい理屈はわからないと思ってるかもしれないけれどオトナがウソをついたりしたらコドモは敏感に感じるものです。
早急に事を進めず時間をかけてコドモと話をすればいいのに、コドモが一番の被害者なのですから。
どちらの親に育てられた方が幸せとかそういうものではなく、どちらもコドモの幸せを考えているのです。
それが物質的な豊かさか、心が満たされる方が幸せか今すぐはわかりません。
お互いの家族がどちらも自分たちのコドモだと2人のコドモを愛しているからです。
母親はすでに母親なのですが、父親というのは時間をかけて父親になっていくのだなあと。
まるでドキュメントを観てるのではないかと思うほど過剰な演技も無く、なにより子役のコドモたちが演じていると感じさせない自然さについ魅入ってしまいました。
そして福山さんが怒ったり、悩んだりと普通の男性を演じているのが新鮮でした。
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