自分は騙されない方だと思っていてもそれは誤りで、私も騙される性分でした。
騙しや操作(他人を自分の思い通りに動かすこと)が下手な人がやることなら、すぐにそれに
気づきますが、上手な人の場合、気づかずにいて、どうしようもない状態までに進んでから気づきます。
騙しや操作のしかたが、通常では考えられない程に卓越した人がいます。幼稚なやり方だとすぐにわかるのですが。
その人を信じたい気持ちが、誤りの道に誘い込んでいきます。
卓越した人は、相手がどんなものに共鳴し感銘をうけるかを掌握して、自身がそうであるかのようにふるまいます。
でも会話の中や、またその人の生活の足元を垣間見た時に色々と不整合、辻褄が合わない点、矛盾点が出てきます。
でも、その人への共鳴、感銘の前提が強いので疑う程には至りません。そのような違和感を見過ごします。
それは、今思うと自分で脳内調整として行っていると思います。信じたい気持ちで。
ヒトは、一旦信じた人への見方を 途中で疑うことをしたがらないという習性があるようです。
色んな所から聴こえてくる風評や、物言わずに多くを語る苦々しい視線をよそに、その人を庇ったり
盛り立てたり。他の人達は悪く言うけれど私は信じる そんな対象となると 矛盾を感じたときの
脳内調整も余計に強くなると思います。ヒトは、他の大勢が嫌うものに逆行して価値を見出したとき、
その価値に誤りはないという方向で必死の努力をする習性があるようです。
でも、どうしようもない状態までに進んでから、それらの違和感がシグナルだったことを悟ります。
本当のことに気づくサインだったのに。それをほおっかむりしてしまいます。
ほおかむり:知っていながら知らないふりをして押し通すこと。
その調整は、頼まれもせずに自ら進んでやるので、騙している方は笑いが出るでしょう。
なにもやらなくても、相手が進んで騙される方向にがんばるのですから。
どうしようもない状態になるまで。そこに来て初めて、自分の誤りに気づきます。
ほおっかむりしてきた違和感がすべて、繋がって 本当のことが決定的にわかり、戦慄が走りおののきます。
本当にばかですね…
その人は騙くらかしの天才という見方に変わっても、全部嘘ではないと思うからどれが本当だったのか。
狼少年の話のように、一旦かれの嘘や騙しの常習があかるみに出たら、その人のあらゆる言葉が疑わしくなってしまいます。
でも本当のことも、あったでしょう。24時間ほらを吹くのではないから。