ドパミンは神経伝達物質のひとつで、カテコールアミンと呼ばれる種類に属します。アミノ酸のチロシンから酵素の働きによって合成されます。 …厚生労働省より
ある人が、日本人の精神構造を軽蔑して「ドーパミンの不正入手」という言葉を使った。
正常ではなく不正なやり方で、「気持ちが良い」「心地良い」と快楽を感じる思考回路のこと。
例えば権力者には揉み手をして媚び諂って弱い人をさらに叩くことや弱い人がボロボロに叩かれ
ているのを見ること(強い者への媚びと弱い者いじめ)で、気持ちよくなる回路。私はその
内容に同感である一方で、この文脈とは全く違うことをこの言葉でインスパイアされた。
ドーパミンの不正入手。
それは、私が求めていて今でもしていることを表現するのにぴったりだと感じた。
蚤の市・古い物 廃墟 カテゴリに書いたことや
認知的不協和② 刺激教② re:再びvolute:巡り来る②
補い合いによる調和 補い合いによる生産性 レヴィ=ストロース
籠って弾くピアノ ピアノを弾く場所 廃墟とピアノ
小屋で弾くセレナーデ:Ständchen 小屋で聴くショパン などの記事に書いたことがそう。
だから、不正入手ができない状況――お金が潤沢にあって何でも叶えられる、全てが恵まれていて
知恵を巡らせる必要がない、困難を可能にしたり粗や欠損を逆手にとったりする創意工夫が要らない状況―――
に燃えないのだとひとり合点した。
かつて渋谷にマルナンという狭苦しい布屋さんがあって、渋谷に用があった帰りに寄っていた。
古くて雑然とした店で、こういう布を漁って買っていた。
値段はマジックで手描きだった。
その店は創業71年で廃業してしまったけれど、誰かがブログに書いていた。
広々とした大手の手芸チェーン店ではスイッチが入らないけどマルナンだとスイッチが入るって。
私も同じだったからすごくわかった。「スイッチが入る」とは多分私が「燃える」と
表現している状態だ。あれ、なんだろう… ドーパミンの不正入手。
不正入手と言うのは、盗賊的、泥棒ねずみ的、借り暮らしのアリエッティ的、敗者復活的、
持たざる者の逆説的な幸運的 な盗っ人の様な雰囲気に合うから「不正」なのだけど、
もっと深く追究していけばこれは不正ではなくて正常なのではないかと思う。
(参考:レヴィ=ストロース著の「野生の思考」で描かれているブリコラージュ)
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〈追記〉
お店で物を漁っている様は、傍から見ると地味に立ってるだけにしか見えないが、
脳内では色々な思考やイメージを駆け巡らせた極めて積極的な没頭である。
だから、お店の人が営業をかけてくるのは、たいていの場合私にとって邪魔である。
頭の中を漲(みなぎ)る様々な思考、イメージを阻害する。しかし、時にはそうでない店員
さんもいて、その会話が、自分の没頭をよい意味で刺激して世界を広げる場合がある。