アレンジ
冬が近づいてくると、Jazzが聴きたくなります。
今はクラシックをJazzでアレンジするJacques Loussier Trioを聴いています。
とてもいいです。
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クラシックの曲を、ピアニストが楽譜とは違って弾くことがあります。
それは勿論クラシックとして真面目に弾いていてです。
例えば私が持ってるPhillipsレコードの盤でアラウ翁の弾くショパンの幻想即興曲も
色々音が違います。最初聴いた時、「え?」となり、聴き進むとまた「え?」となりました。
音が違うというのを超えて、楽譜にない和音がしかもsforzando(:力を込めて強く)で
バーン!!と入ったりします。本来ならそこはdecresc.(だんだん弱く)から、次のフレーズに
そのまま弱く入って次第にcresc.(だんだん強く)する所です。それを、decresc.の後でバーン!!
が間に入り、次のフレーズに入る。そう弾いてみると、「なにそれカッコいい」と言われて
「アラウ翁はこう弾いてたよ」と言いました。Moderato Cantabileの所でも翁のように弾くと、
「音違うでしょ」と言われ「アラウ翁はこう弾いてた」と言いました。
(音楽でのコミュニケーションに書いた子です。)
DebussyのSuite Bergamasque:ベルガマスク組曲の4曲目の”Passepied”は、左手のスタッカートから
孤高な出で立ちで始まります。の筈なのですが、ダンパーペダル(サステイン。音がぶわ~っと広がる右ペダル)
全開で弾いている盤があり、あれにはびっくりしました。出だしから、曲違ってるやん (゚◇゚;)!!!
翁とは別の人です。ダメなのではなくて、予想外な弾き方には度肝を抜かれます。
そういう私も、こっちの方がいいとかこういう感じはどうだろうという思いで、
音を変えたり指示記号を無視たりして弾いたりします。先生の前ではしませんでした。
楽譜を冒涜する弾き方だとして怒りますから。
例えば「子犬のワルツ」は、芝生の上を子犬が素ばしっこく転げ回るのではなく、
子犬が舞踏会で優雅に踊っている想定で弾くと、全然違った「子犬のワルツ」になります。
出だしからMolt Vivace(非常に速く)は無視してゆっくり弾き、左手の3拍子の1拍目は
単音ではなくユニゾンで弾いて、華やかに膨らませます。右手の3連符は、わざと1音目を
長く偏らせて謳います。トマトではなくトーマトと弾きます。ルメンではなくルーメンと弾く。
予想外の弾き方も、シプリアン・カツァリスやルイサダみたいなのにはぐっと来ない。
アクセントのつけ方など、「強調する旋律、そこなのか (゚◇゚;)!!!」と想定外だけど
「思いつかんかったやろ~ドヤ」というの以外のものを感じない。
全然違う曲想を出してくるのは、とても惹き込まれます。
「は~~るばる来たぜ は~こだて~」をJazzTrioで聴いてみたいです。とても良いと思います*^^*