【各話末エッセイ④-2】
ヘンリー・フィールディング作「トム・ジョーンズ」
7巻第3章より
原作者の名前やタイトルからすると、
「ブリジット・ジョーンズ」の姉弟編か、
冒険物の要素もあると聞いたりすると
「インディ・ジョーンズ」の御先祖様の話
か?と思ってしまうような、
現代人にとっては読む前からすでに
実に紛らわしい18世紀英国の文学作品。
英語でのタイトルは
“ The history of Tom Jones , a foundling ”
「捨児トム・ジョウンズ物語」
と朱牟田夏雄氏は岩波文庫で翻訳しています。
ちなみに、この方(故人)は
「トリストラム・シャンディ」も
全訳しているのでした。
現在では差別語アリになるかもしれないし、
18世紀風の説明調の長いタイトルでは無く、
主人公の名前そのままの「トム・ジョーンズ」か
ブリジット・ジョーンズの「ブリジョン」に
倣った省略形「トムジョン」
更に省略して「TJ」とでも
呼ばれてるんでしょっかね?
英国の田舎紳士の家で育った主人公のトム。
近所の幼馴染ソファイアと恋仲になりますが、
ソファイアには、トムの養家の跡取りで
当主の甥であるブライフィルとの
婚約話が持ち上がってしまいます。
ソファイアは必死に拒否しますが、
父親や父親の妹である叔母が
「そんな事絶対許さない!」
と脅すのです。
その時の叔母の言い草が上記の如しで、
現代の読者からすると、
「田舎の金持ちの家ってくらいで何言ってんだ?!」
「はぁ?」
って感じ。
今時、王室や皇室の人達でさえ、
結婚したい時に結婚したい人と
結婚できてる時代には奇々怪々の意味不明
でしかないって感じなんですが…。
しかも叔母さん、
自分はキャリアウーマンの走りみたいな人。
「宮中に出入りしていた」とあるので、
大奥の御末みたいなスタッフ系なのか、
お局様(貴族の夫人や寵姫)付の侍従かは
ハッキリしないけれども、
そういう所にいても恥ずかしくは無い程度の、
教養を付けていたようです。
で、未婚だと思われる
(ダンナ登場の記憶が無い、こういう場合、
外観は穏やかな人物で、妻の行き過ぎを
たしなめるシーンがあったりするものだが、
その記憶も無い)のに、
姪っ子には結婚を無理強いしてるんですよっ!
父親も紳士階級とはいえ、
豪放磊落、粗野という印象すら与える人で、
娘に対して数々の荒々しく、
現代だったら完全アウトな
セクハラ言語を吐きまくるのでした。
こんな調子で、
某牛丼チェーン店の重役が
「伝統を正しく受け継ぐ源」的言いっぷりで、
ラストまで突っ走っていました。
ソファイアはこんな状況にもめげず、
彼女との事以外にも問題があって
養家を出て旅烏のトムを追い、
家出してしまいます。
二人とも最後はロンドンに辿り着くのですが、
トムのあまりの破天荒ぶりを知ったソファイアは
愛想を尽かしてしまいました。
更にトムは事件に巻き込まれ
逮捕されてしまうし、
「どーやって回収できるの?」という所まで
話が行ってしまいますが――。
でも、作者フィールディング氏が
「ダフニスとクロエ」が大好きなだけあってか?
トムの衝撃の出生の秘密が明らかとなり、
大団円を迎えるのでした。
とはいえ、私には少し心配な事が…。
ソファイアさん、結局お父さんと同じ様な
男性が好きなんじゃないか…と?
でも、少女時代のアンジェラさんと
姿がよく似ているので、
結局は女帝化して夫を尻に敷いていたのでは?
…とも思えるのでした。
ヘンリー・フィールディング作「トム・ジョーンズ」
7巻第3章より
原作者の名前やタイトルからすると、
「ブリジット・ジョーンズ」の姉弟編か、
冒険物の要素もあると聞いたりすると
「インディ・ジョーンズ」の御先祖様の話
か?と思ってしまうような、
現代人にとっては読む前からすでに
実に紛らわしい18世紀英国の文学作品。
英語でのタイトルは
“ The history of Tom Jones , a foundling ”
「捨児トム・ジョウンズ物語」
と朱牟田夏雄氏は岩波文庫で翻訳しています。
ちなみに、この方(故人)は
「トリストラム・シャンディ」も
全訳しているのでした。
現在では差別語アリになるかもしれないし、
18世紀風の説明調の長いタイトルでは無く、
主人公の名前そのままの「トム・ジョーンズ」か
ブリジット・ジョーンズの「ブリジョン」に
倣った省略形「トムジョン」
更に省略して「TJ」とでも
呼ばれてるんでしょっかね?
英国の田舎紳士の家で育った主人公のトム。
近所の幼馴染ソファイアと恋仲になりますが、
ソファイアには、トムの養家の跡取りで
当主の甥であるブライフィルとの
婚約話が持ち上がってしまいます。
ソファイアは必死に拒否しますが、
父親や父親の妹である叔母が
「そんな事絶対許さない!」
と脅すのです。
その時の叔母の言い草が上記の如しで、
現代の読者からすると、
「田舎の金持ちの家ってくらいで何言ってんだ?!」
「はぁ?」
って感じ。
今時、王室や皇室の人達でさえ、
結婚したい時に結婚したい人と
結婚できてる時代には奇々怪々の意味不明
でしかないって感じなんですが…。
しかも叔母さん、
自分はキャリアウーマンの走りみたいな人。
「宮中に出入りしていた」とあるので、
大奥の御末みたいなスタッフ系なのか、
お局様(貴族の夫人や寵姫)付の侍従かは
ハッキリしないけれども、
そういう所にいても恥ずかしくは無い程度の、
教養を付けていたようです。
で、未婚だと思われる
(ダンナ登場の記憶が無い、こういう場合、
外観は穏やかな人物で、妻の行き過ぎを
たしなめるシーンがあったりするものだが、
その記憶も無い)のに、
姪っ子には結婚を無理強いしてるんですよっ!
父親も紳士階級とはいえ、
豪放磊落、粗野という印象すら与える人で、
娘に対して数々の荒々しく、
現代だったら完全アウトな
セクハラ言語を吐きまくるのでした。
こんな調子で、
某牛丼チェーン店の重役が
「伝統を正しく受け継ぐ源」的言いっぷりで、
ラストまで突っ走っていました。
ソファイアはこんな状況にもめげず、
彼女との事以外にも問題があって
養家を出て旅烏のトムを追い、
家出してしまいます。
二人とも最後はロンドンに辿り着くのですが、
トムのあまりの破天荒ぶりを知ったソファイアは
愛想を尽かしてしまいました。
更にトムは事件に巻き込まれ
逮捕されてしまうし、
「どーやって回収できるの?」という所まで
話が行ってしまいますが――。
でも、作者フィールディング氏が
「ダフニスとクロエ」が大好きなだけあってか?
トムの衝撃の出生の秘密が明らかとなり、
大団円を迎えるのでした。
とはいえ、私には少し心配な事が…。
ソファイアさん、結局お父さんと同じ様な
男性が好きなんじゃないか…と?
でも、少女時代のアンジェラさんと
姿がよく似ているので、
結局は女帝化して夫を尻に敷いていたのでは?
…とも思えるのでした。