ハリソンさんはカノ紳士 ーフランス通過編 ー(後半)

今は昔の18世紀欧州が舞台の歴史大河ロマン。

昔々、少女が故郷を捨てロシアで皇帝になりました。

2022年03月23日 | 各話末エッセイ
【各話末エッセイ④-1】

 第25話ラストに書いた予定を変更して
お送りいたします。

 ロシア大統領プーチン氏が
「17−18世紀ロシアの歴史を学んでいる内に
ロシア大帝国復活の妄想を膨らませてしまった」

――という話を聞き、
ウチにもこーゆー本があるのを
思い出しました。

 その本とは
劇画版「女帝エカテリーナ」

 原作はロシア革命の時代にフランスに渡り、
当地で執筆し続けた歴史小説家アンリ・トロワイヤ氏。
そして漫画は、あの「ベルサイユのばら」作者の
池田理代子氏です。

 18世紀神聖ローマ帝国(ドイツ)内の
田舎貴族の娘ゾフィー。
母親からは美少女と思われていなかったが、
知性と教養に優れ、落ち着きがあった。

 あるパーティーで彼女は
いとこのピョートルと出会う。
容姿はパッとしないが、
ロシアを近代国家に変革しようとした
故ロシア皇帝ピョートル1世の孫だった。

 幸運が重なり、ゾフィーは皇太子妃として
ロシア宮廷に迎えられる。
ロシア語を覚え、改宗もし、
ロシア人になりきろうと努力した上、
名前もロシアの女性名「エカテリーナ」に変えてしまう。

 しかしその後は、自分に無関心な夫、
気性の激しい姑(夫の叔母)エリザヴェータ帝の言動や
世継出産のプレッシャーに悩まされ、
宮中の陰謀にも巻き込まれて行く。

 そして、遂には不毛な夫に見切りをつけ、
自分に忠誠を誓う者達と共にクーデターを決行。
ロシア皇帝に即位し、やがては「大帝」とまで
讃えられるようになる。



 イラストにある場面、
夫からロシア皇帝の位を奪った主人公エカテリーナが、
彼女を支持する人々からの歓声につつまれるいう、
物語半ばにある最大の山場なのですが…。

 そのままスキャナ撮りして転載すると問題があるので、
こちらの物語の前編17・18話に登場する、
アンジェラさんにアングルも変えて
モノマネをしてもらいました。


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 衣装はブラウン商会
 宝石類はシドニー社
 馬はハリソンさん宅のロッシー君
 その他からの提供でした。
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 しかし、何か違う。
本物の豪華絢爛さには足元にも及ばない。

 アンジェラさん、
物語中では大人しい印象で、
なぜ女帝役をやらねばならぬのか?
黒髪のせいなのか?…と思いきや、
後に「クラングベルフィールドの女帝」
と呼ばれ、「猛る獅子も黙る」「村長も逆らえない」
「ブラウン商会社長もご機嫌取りしている」
とまで恐れられる人となるのです。
…どうしてそんな風になってしまうんでしょうか?

 エカテリーナ帝が即位したのと大体同じ頃、
マルセルは軍隊の鼓笛隊でフルート吹いていました。
ハリソンさんはアラベラさんとの仲が
突然の破局へと向かっている所でした。

 「女帝エカテリーナ」を読んだだけでも
プーチン氏の妄想が形成されていった過程が
分かるような気になって来たのでしたが――。


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