侯孝賢の映画を二本見ました、
「冬冬の夏休み」ーー
夏休みの子供たちの世界に
「気の変な女」がすばらしい位置に
存在していました。
あれこそがメルヒェンというものでしょうか。
あの「女の存在」こそが
あの映画を際立ったものに
したのだと思いました。
もうひとつは「恋恋風塵」。
気の弱そうな若者が
兵役中に恋人に捨てられて
失意のまま故郷に戻ったとき
母親は気持ちよさそうに
昼寝しているし
お祖父さんは畑。
そしてお祖父さんは孫に向かって
懸命に「サツマイモの育て方」を
しゃべる。
それがラストシーン。
ここがやっぱり侯孝賢の真骨頂。
安価な「解決」など求めず
「あるがまま」を切り取った・・・
そして緑したたる台湾の村
「赤とんぼ」や「仰げば尊し」が
流れる画面・・・
効果的に使われる「汽車」
小津を尊敬しているのが
ありありとわかる。
この詩情豊かな映画を見たのが
なんだか台湾の新しい
民進党による出発と重なって
見えてしまったのでした。