奥の細道を愛して若いころにその道を歩いたという
ドナルド・キーンさんがある対談で語っていらっしゃいます、
昔、松島を訪れたときの印象は素晴らしいものでした
静寂とあの景色とが一つになった素晴らしいものでした
が、ずっと後に行ったときはがっかりしましたと。
なぜならそこらじゅうにーー砂浜にも埋めこまれたーー
スピーカーが案内の声を張り上げていたというのです。
これだけで
どういうことになっているのか想像がつきます、そして
心ある旅人をがっかりさせてしまうことも。
山口県のやはり名刹と言われるある寺を訪ねると
なんとまあ
廊下にスピーカーが置いてあって
静寂な庭園に響いているのです。
お坊さんのなされることとも思えない
これはもうぶちこわし以外のものではありません。
松島も震災後、やはりスピーカーを復活させてしまったのでしょうか。
どうかそれだけはやめていただけないでしょうか。
静かな松島になったと聞いたら
訪れてみたいものです・・・
それにしても
お寺さん、観光地の職員の皆さん、
スピーカーというものの持つ下品さと騒音に
観光客が喜ぶとでも思っているのなら
どうか勘違いしないで取りやめてくださいませ。