お正月にほんの一切れ
数の子を口にする機会がありました
口にした途端
懐かしい味が・・・
そうです、子供のころ
当たり前のように
お正月には鍋いっぱいの
数の子を見ていた記憶・・・
それが今はたった一切れ
それも
どこの国から来たものやら。
ふっと老婆は思いました
昔の方がずっと
「贅沢」だったのではないかしらと。
昔は野菜もなにひとつ薬が
かかってないし、
と言えばそのかわり
肥料があれだからね、と
だからギョウ虫もいたのよねと。
清潔病にかかった現代の子供たちは
虫もわかないかわりに
味もない「清浄野菜」しか
あてがわれないのです。
数の子といい、
日本海で無尽蔵に獲れた
あのカニと言い
貧しかったはずの
昔の日本人のほうが
なんだかほんとの
「贅沢」をしていたような
と
数の子一切れで
そんなこと思った
正月でした・・・