テルミンという楽器の形はとても魅力的だと思う。テルミン博士の手になるRCAテルミンおよびその系列の楽器は木製キャビネットで、重みと風情がある。現在発売されているテルミンはやはり電子楽器的であるが、それでも独特の風格というべきものを持っているように見えるのは贔屓目であろうか。
木製キャビネットのテルミンに風情があるといっても、垂直、水平に出ているアンテナの輝きが、やはり先進的な、あるいはSF的な科学性を感じさせる。ここがまたたまらない魅力である。
我が家の居間にいつも鎮座するイーサウェーブは既に部屋の一部分と化してしまった感があるが、なにかこう、いるだけである種のオーラを放っている。ときにはボリュームアンテナがネクタイかけになったりもしているが、垂直と水平の輝くアンテナがなにかの意思を持っているかのように感じることがある。
私はテルミンの音、うまく弾いたときのその音楽性、とともにテルミンという楽器そのもののカタチにも魅せられているのだということをあたらめて感じている。この魅力に大きく寄与しているのは水平に突き出しているボリュームアンテナだとふんでいる。
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