ポポフはロシアの科学者で、無線電信の発明者として祖国ロシアでは大変有名である。
モスクワのロシア科学技術博物館を訪れた際も、ポポフ関係の展示室は立派なもので、案内役の副館長さん(だったか?)の説明も大変誇らしげであったことが印象深い。いわく、「ご存知のように、ポポフは無線の発明者です!」。ん?、無線はマルコーニじゃないの???、全く「ご存知」じゃないけど、、と普通は思うが、、、
『…Alexander Popov教授は、1895年5月7日、ロシア物理化学学会で、電磁信号の伝送のデモを行っており、この時使用した電気信号の検波と保持回路が世界初のラジオ受信機と認められている。無線の世界では、マルコーニの方が有名であるが、Popov教授のデモはマルコーニよりも早く、たまたま教授の研究が海軍向けのもので守秘義務があり、特許の申請などが出来なかったために世に知られるのが遅れたということである。(…中略…)ロシアでは、この5月7日を、毎年「ラジオの日」として国を挙げて祝っているそうである。…』(大武逞伯著・EDXC2006 Special Report…月刊短波ホームページより)
一説によるとマルコーニは人づてにポポフの研究成果を知り、サクッと特許申請してしまったとか。
フランスでも無線の発明者はマルコーニではなく、「なんとか」という人になっているらしい。
博物館にはテルミン博士の発明品(光学式テレビの試作機…動かない)コーナーもあったが、ほんの少しだけであった。
ポポフが無線を発明した翌年に生まれたテルミンさんが、テルミンを発明するのは、それから25年後のことであった。
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