
あまりにも有名なキャッチフレーズ
「微笑みの国タイ」
初めてタイを訪れる人は必ず実感するはず。
街角ですれ違う女性とふと目が合うと、必ず微笑んでくれる。
タイに来たことが無い人には到底理解できないかも知れないが、これ事実。俺なんか、始めのうちこれで何度勘違いしたことか。
ところが、しばらくタイに居ると、どうやらこの微笑の意味が微妙に違う事に気づいてきた。
タイは小乗仏教なので、基本的に他人の事には関わらない、他人に関わって欲しくない。無益な争いは避けたい。
と言うわけで、他人と目が合っちゃった時なんかも、
「あたしはあんたに敵意も関心も無いのよぉ」
と言う意思表示で、とりあえず微笑む、と言うのがどうやら真実のようなのだ。
毎日微笑んではいるが、その実、結構溜まっているらしい。こらえきれずに爆発すると大変なことになる。
ある日、アソーク通りの歩道を歩いていると行く手に人だかりが。
どうやら喧嘩だ。見ると夫婦でやっている果物屋の奥さんが切れたらしい。
旦那と思われる男がバツの悪そうに立ち尽くしている、額から血を流して。
奥さんはまだ溜飲が下がらないらしく、大声でわめき散らしている、その右手にはドリアンの皮が・・・。
あれで殴ったのかぁ。
さぞかし痛かったろうになあ。