
時が止まった家(バンコク郊外)
ラバータイム
インドネシアでは現地の方々の時間感覚をこう呼ぶ。
約束の時間がゴムのように伸び縮みすることからこう呼ばれるらしい。(普通は縮まないで伸びっぱなしだけどね。時間は伸びるじゃなくて延びるだね。)
現地では時間の単位が一桁ずれている。
「今日中ね。」といったら今週中、
「今週中」といったら今月中、
「今月中」といったら、気が向いたらそのうちやるね=十中八九やらない、と言う意味。
ややっ!?こんな話、他でも聞いたぞ。
そうそう、オーストラリアのパースでも、スリランカのコロンボでも、ケニヤのナイロビでも、もちろん此処バンコクやKLでも。
もしかして、これって世界中そうなんじゃないのか、と思い始めた。
世界中共通ってことは、共通でないところが異常なのか?
そこで俺ははたと気がついた。そうか、日本がおかしいのか。電車やバスが寸分違わず到着する。宅配便が翌日の午前中に着いたり。
これってもしかしてとっても異常なことかもね。そのためにどれだけのエネルギーや労力を浪費していることか。ちょっとでも遅れるとみんなイライラしてね。
インド ヴァラナシで列車を待っていたときのこと、1時間、2時間待っても一向に来る気配がない。
3時間経ってやっと来た列車、俺の指定席には既に先約が鎮座している。ひと悶着の末、彼にチケットを見せると、彼曰く
「良く見なよ、このチケットは次の列車のだよ。この列車は一つ前のが遅れているんだよ」
「xxx。」
ケニヤでナイロビから北部レイクバリンゴに抜ける街道、道端に一人の女性が足元に荷物を置いてたたずんでいた。
「何しているの?」
「街に行くのにマタツー(乗り合いバス)を待っているの。」
「ふーん、いつから待っているの?」
「3日前から。」
「・・・・。」