田舎ではゴールデンウィークゆーたら
若者たちが帰ってくるんで
一斉に田植えをやってじゃ。
年老いた親だけでの農作業は
なかなか大変じゃし、
近頃は機械化しとるんで
一人でも出来んことはないが、
田植えも、みんなでやりゃあ、
近況を語り合ううちに
終わってしまう。
田んぼの畔に座ってのお茶の時間、
昼メシ時のちょいと一杯のビール、
夕方、仕事が終わった時の
ちょっとした田舎のご馳走の時間が、
ふだんの隙間を埋めてくれる。
田舎にとっては毎年の
楽しいイベントでもある。
田舎道を車で走っとると
老人が一人で機械に乗って
田植えをしとる姿も見たが、
やっぱり、どこか寂しそうじゃ。
休憩も一人で何も言わずに茶を飲む、
昼時間には、朝、作っといた
おにぎりでも食べてんじゃろうか?
コップ1杯のビールも飲まずに
ゆっくり休むこともなく
また午後からの作業に
田に出るんじゃろうか?
ぜんぜん知らん人でも、車を停めて
「手伝いましょう!」
と声をかけてあげたい気持ちになる。
おそらく遠慮されると思うし、
逆にこの頃のことじゃ、
逆に訝しむ人もおってじゃろうと
声は掛けんが、受け入れて貰えたら
たぶん、お互い楽しいいちんちが
送れるような気がするんじゃけどね?
そこまでの勇気も出せず帰ってきた。