綱敷天神社 禰宜日誌

大阪梅田の綱敷天神社のご案内ブログです

ハチミツのお供え

2013年01月29日 | ノンジャンル
本日はヤンマーさんの新本社ビル新築工事の地鎮祭でした。

ヤンマー株式会社さんは、当宮氏地である茶屋町に本社があり(現在は建替えの為隣町にお引越中)、ディーゼルエンジンを中心に、産業、農業、漁業、エネルギーシステム等々と幅広く生産されている世界有数の会社で、昨年は創業100周年を迎えられ、生産者からも地域からも信頼厚い会社さんです。 http://www.yanmar.co.jp/

そんなヤンマーさんでは、”都市と農業”をつなげるきっかけとして「梅田ミツバチプロジェクト」を社員の方々を始め、関係者の方々で展開されておられ、都市緑化、地域交流、食育、「農」情報の発信と大変活発に活動されておられます。  http://ume-pachi.jp/

本日の地鎮祭では、その梅田のミツバチこと”梅ぱち”たちが集めたハチミツが、お供え物として奉献されました。

しかし、御神前に捧げるものですので、ただの器に入れるという訳にもいかず、やはり、それなりの格式を具えたものでなくては神さまに失礼にあたりますので、有職故実に詳しい方々のご意見を参考に、奈良~平安中期までの史料(続日本紀、延喜式、宇津保物語など)の記述にあるハチミツの器に、一番近い形のものを選びました。

地産の御饌こそ、その土地の神さまにとっては一番のお供えものですから、今日の良き日の良き御饌に、きっと大神さまもお慶びになられたのではないかと思うところです。

これから建ち上がります、新本社ビルは梅田の玄関口に相応しい、素晴らしい建物になるようです。^^ 竣工がいまから楽しみです!



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250歳になった床之尾の狛犬

2013年01月25日 | ノンジャンル
今日は天神様のご縁日である25日です。
特に年が明けてから初めての縁日ですので初天神ともいいます。各地の天満宮や天神社へお参りの方も多いのではないかと思います。

さて、そんな今日は旧暦に直しますとまだ12月14日で、ようやくお正月の準備が始まったばかりです。 昔の人は雪降るこの寒い時期にしめ縄の準備や門松の準備などしていました。

そんな師走の日であったであろう、宝暦12年の12月のこの時期に、一対の狛犬が当宮に奉納されました。 今月はその狛犬が奉納されてちょうど250年目にあたります。

基壇には「北床之尾」という氏地の百性孫兵衛、中嶋屋重兵衛、中嶋屋久藏、中屋仁兵衛、百性龍兵衛、百性喜右衛門ら6名による奉納である事が刻まれています。

この床之尾という文字は、現在の当宮南の「兎我野町」あたりの室町~江戸時代頃の古称で、未だ沼沢地であった梅田周辺で、この兎我野町あたりが大阪湾側に尻尾のような形で陸地を形成していたので、「とがの」が「とがのお」となり、更に「とこのお」に転訛したものと思われます。

「兎我野(菟餓野)」という地名自体は古事記・日本書紀にも登場するほど大変古く、神功皇后さま、応神天皇さまの御代には既に地名としてありました。つまり八幡神さまよりも古い地名です。

そんな古い地名であるという事をご存じの方は残念ながら今は殆どおられませんが、この狛犬に刻まれた「床之尾」の文字からは、当時の兎我野の民としての矜恃が感じられます。 ちなみに書籍を除いて床之尾と書かれているのは、私の知る限り、この狛犬以外存在せず、大阪梅田の地誌を考える上でも重要な狛犬です。

先の大戦では羅災を被り、欠けたり、焼けて色が変わったりし、最近では野良猫が飛びついたりするもので、生傷が絶えませんが、現在も御本社本殿の御垣内から睨みをきかせて下さっています。



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1月15日 のつぶやき

2013年01月16日 | ノンジャンル
tunashiki http://twitter.com/tunashiki
1月15日 つぶやきまとめ


fukidashi 12:16
本年の「とんど祭」の受付終了いたしました。 午後からは基本的にお受付しておりませんが、火炉に古いしめ縄などを入れられる際は、ダイダイなどのミカン類、燃えないものは取り外してからお入れ下さいますようお願いいたします。 http://t.co/GaahnRei
2013/01/15 Tue 12:16 From Twitpic



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1200年目の御粥祭

2013年01月14日 | ノンジャンル
明日、1月15日は小正月。 古いしめ縄をお焚き上げする「とんど祭」の日でもあります。
しかし、当宮での1月15日の神事の正式名称は「御粥祭」と称します。
これは、15日早朝に御神前に特殊神饌の御粥をお供えする事に因みます。

このお供えする御粥ですが、普通の白粥ではなく、七種類の雑穀をお粥にしたもので、七種粥(ななくさがゆ)とも称します。 (近世では小豆が中心の為、小豆粥とも称しました) 
※ちなみに七種類の野菜を用いる七草粥は、この七種粥の故事をもとに江戸時代に生まれたものといわれます。

米、粟、黍、稗、蓑米、胡麻、小豆の七種類を用いる倣わしで、うち蓑米(ムツオレグサの実)は現在では入手が困難な為、麦で代用しています。

この七種粥が記録上最も古く確認出来るのは、『弘仁主水式 逸文』に、「早朝 主水司 七種の御粥を供ず」とあり、当宮の御祭神、嵯峨天皇さまに献じられたのが、初見とされます。

実は、本年平成25年1月15日で、この七種粥が献じられてより、ちょうど1200年となります。

嵯峨天皇さまは、日本後紀などを読むと、民衆の食にとても心を配っておいでで、この七種粥にも、嵯峨天皇さまのそういった日本国民への愛情を感じられます。

本年はそういった嵯峨天皇さまの御心に思いを致し、1200年目の節目の神事ご奉仕申し上げます。 
(なお、神事は早朝の為、一般非公開です)

※写真は昨年のものです。



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とんど祭の準備

2013年01月12日 | ノンジャンル
15日に執り行なう「とんど祭」の火炉を組み上げました。

関西では15日の朝、それまでお飾りしていた正月のしめ縄を取り外し、早朝に熾したこの火炉の忌火でお焚き上げします。

これは、元旦にお越しになられた年神さまを、忌火で以てお送りするという行事で、どんどん祭、左義長ともいい、平安時代頃には既に行われていたといわれます。

地方によっては7日で飾りを取り外すところもある為か、先週あたりから、ちらほらとしめ縄をお持ち寄りになられるので、仕方なく古いしめ縄を入れて頂く箱を置いていますが、本来は15日の朝までお飾り頂くものです。(茶屋町の御旅社では、とりまとめの都合上14日の閉門時までにお持ち下さいますようご案内しております)

ちなみに、この火炉の組立ては、今まで当宮の事で何かとお手伝い下さった大工方の平さまが、無償のご奉仕で毎年組立てて下さってたのですが、先日急逝あらせられたという報を受け、神職一同大変深い悲しみを受けている次第です。

昔は地域にたくさん人が住んでおられたので、誰かれ言う事なく、無償でとんど祭のお手伝い頂いた方もたくさんおられたのですが、都会の過疎化で人が少なくなってからは、平さまに頼りっきりでしたので、悲しみも一入でございます。

今年のとんど祭は、平さまへの感謝と、御霊の安らかなるをも併せて祈念し、厳粛に執り行ないたいと思います。



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謹賀新年

2013年01月01日 | ノンジャンル
新年の御祝詞を申し上げます

新しき年を迎え 氏子崇敬者皆さまの

ご健康と ご多幸をお祈り申し上げます



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