綱敷天神社 禰宜日誌

大阪梅田の綱敷天神社のご案内ブログです

平成27年 新嘗祭

2015年11月23日 | ノンジャンル
今日、11月23日は新嘗祭の日です。
一年の収穫を感謝し、今年とれた新米を先ず神さまにお捧げする、一年のうちでも重要な神事です。

宮中におきましては、23日18:00から20:00まで「夕の儀」、そしてこのあと23:00から翌24日の1:00まで天皇陛下御自ら「暁の儀」の神事が宮中三殿の神嘉殿にてとり行われます。

昨年からは陛下の御年齢を考慮し、一部略されているようですが、それでも神事に臨まれる陛下の姿勢はお変わりありません。(この神事の時刻を定められたのは当宮のご祭神であらせられる嵯峨天皇さまともいわれています。なお、当宮においては、10月15日に秋祭がある事から、新嘗祭においては神職のみで執り行っております)

このお祭りは「新米」のお祭りでもあり、暁の儀の後、神さまにお供えした新米を「お下がり」として、24日の朝食に頂戴する。これが古い倣わしでした。つまり新米解禁日でもありました。

ちなみに、この新嘗祭は明治5年までは「11月の中卯の日」。つまり「11月中の二番目の卯の日」に行われるのが倣わしでした。今年は7年ぶりに中卯の日にあたっています。

なぜ卯の日なのかというのには説が色々とありますが、卯は方角では東方を示し、時刻では明け六つ、午前6時を示し、季節では春を表す事から、陽の気があふれ、さらにどんどん伸びゆく意味を付託して、来年の実りもさらによくなりますようにという願いを込めたものではないかともいわれています。

また、宮中の新嘗祭には白酒黒酒という特殊な御神酒がお供えされ、柏葉の器などが用いられるなど、古代の日本を今に伝えているお祭りでもあります。

明日の朝からは新米を頂いて、天地の神々への感謝と、ごはんを食べて命を今日まで繋いで下さったご先祖さま方、また常に自身のまわりで助けて下さる、地元の神様、そしてご家族、友人、農家の方々さまざまな人への感謝を込めて、「いただきます」を唱和して、美味しくごはんを頂きましょう。




神社でちょっと佐ん吉の落語を聞く会

2015年11月17日 | ノンジャンル
今週の金曜日、11月20日の19:00(開場18:30)から、桂佐ん吉さんの「神社でちょっと佐ん吉の落語を聞く会」が、茶屋町の当宮御旅社で開かれます。

佐ん吉さんは先日、NHK新人落語大賞を受賞された、いま話題の噺家さんです。ぜひこの機会に落語に触れられてみては如何でしょうか?



御本社 本殿前の狛犬100歳

2015年11月10日 | ノンジャンル
今日からちょうど100年前の大正四年(1915)11月10日。京都御所の紫宸殿において、大正天皇さまが即位大礼を挙行されました。

それを記念して、当宮御本殿の前に青銅製の一対の獅子狛犬像が、当時当宮近くにお住まいであった氏子さんや、商売をされておられた皆さんから奉納されました。

この、獅子狛犬像はいまも御本社の本殿前にあり、つまり本日、めでたく100歳となったわけです。

この獅子狛犬像は、鋳物師の房本辰之助の制作で、戦時中の金属供出の難も逃れましたが、獅子像の方は先の戦争の空襲の焼夷弾の熱等で破損し、尻尾の部分は溶解してしまいました。戦後、物資の少ない中、コンクリートで補修されましたが、その補修に用いたコンクリートは時代を物語るように粗雑なコンクリートであり、この獅子像は苦難の時代を乗り越えた、梅田の戦災を語る上で貴重なものとなっています。

戦災をくぐり抜けてきた大切な獅子狛犬ですので、これからも大事にし、お宮の護りとして、また梅田の護りとして、睨みをきかせて頂きたいものです。