昨日の夕方、アンちゃんの散歩を終え、空見上げると晴れ間が広がっておりました。西空低く金星が輝いており、此れは、観望をしなければと・・・
本日の機材は何にしようかと考えましたが、未紹介の望遠鏡が良いだろうと、この高橋TS-65S(71年製)を引っ張り出しました。セミアポ口径65ミリ、焦点距離1.000ミリの長焦点屈折で、見え味は相当なものです。 発売当時は往年の名機65ミリD型が有名で、その影に隠れマイナーなイメージですが、私は同スペック鏡筒で安いこちらのS型の方が魅力でした。架台の精度や強度は当然劣りますが、このS型も当時の他社製品より確りとしたものだと思います。
両機の違いはD型は鏡筒径77ミリで接眼部が標準で2段ドロチューブ。こちらは鏡筒径68ミリで接眼部は一本もの、2段ドロチューブはオプション設定になっておりました。 この機はオプションで2段ドロチューブ仕様です。 架台は云うまでも無く、D型はベアリングを多用しておりますが、こちらは赤緯軸に入っているのみ。又、D型に付属の極軸高度調整微動も有りません。摺動感覚は微動ハンドルを廻すとスムーズさが違います。但し、これはD型と比較したものではなく、以前所有していた1型架台と較べたものです。(1型はD型と似ておりますが、ベアリングの数は若干少ないものの、摺動感覚はS型を遥かに凌いでおりました) しかし、当時としては、立派に撮影等をこなしていた架台だと思います。 現在は眼視専門ですので、却って軽量なことと、他の架台に装着する場合に鏡筒径が同じなので重宝です。 又、ファインダーに極軸設定パターンが刻まれているのも極望の無い架台には便利です。 この機は中古で購入したものですが、届いたとき余りにレンズが綺麗だなと思ったら、前所有者が分解して清掃したようで、光軸ネジが一本外れており、格納箱の隅に転がっておりました。当然、光軸調整はしておらず芯も狂っており3枚玉の為、調整には随分と苦労しました。現在は略調整は出来ており長焦点セミアポらしく精緻な星像を見せてくれます。 架台は解体してグリースアップしております。
さて、昨夕の観望の方ですが、金星は高度が低くてよく見えませんでしたが、欠け始めているのが判りました。月は見事と云うしか有りません。重星はβOriを綺麗に分離(ジフラクションリングが非常に綺麗)次にζOriは綺麗とは云えませんが軽々分離。αGemも当然ながら綺麗に分離。さて、これからと云う時に雲が覆い始め、雲に隠される間際に月に戻り中央付近のヒギヌス辺りを注視しましたが絶品也。 一時間足らずでしたが先ず先ずの観望でした。(アイピースはLVズームとナグラーズームを使用)