いやぁ、驚いた。
さっき知ったのですが、こういうドラマが始まったそうです。
ドラマ24『アオイホノオ』
時代は1980年代……。
舞台は大阪芸術大学。
漫画家、アニメーター、映像作家……今をときめくクリエーターたちが「まだ何者でもなく、熱かった日々」を描く青春ドラマ。
ガイナックスの庵野秀明監督やら、赤井孝美監督らがそのまんま出てる(笑)。
原作は島本和彦氏の同名漫画『アオイホノオ』。
のちに『エヴァンゲリオン』やら『星界の紋章』を作る人たちの青春時代……こういうのがテレビドラマになるとは!
私としては、特に衝撃的だったのは『DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』です。
自主制作された8ミリ映画だったのですが、すごく本格的でした。
地球防衛軍の基地がちゃーんと作ってあって、隊員服もオリジナルで揃えてある。
基地の外観、マッドアローなどの乗り物、民家などのミニチュアはすべて紙製なのですが、一見して紙に見えない。言われて初めて「ああ、そうかも……」という作り込み、塗装の素晴らしさだったのです。
ドラマもハードで、怪獣バグジュエルを倒すために核兵器を使おうとするなど、実相時監督を彷彿させるカメラアングルで撮られた内容は、自主制作映画が陥りやすいチープさを、かなり回避していました。もしこれで、出演者たちの演技力までもが高かったら、上質な深夜のテレビドラマとして通用したほどでしょう。
それなのに、肝心のウルトラマンが……庵野監督の顔出し(笑)。
このギャップが良かったんだと思います。
ウルトラマンは、こうあるべきだという先入観を見事に打ち破ったという意味で。
つまり……ウルトラマンになりきる芝居が良ければ、たとえ素顔のままでも、立派にウルトラマンに見えるんだということだったんですね。
最初に見たときは、なかなかその考え(作品のコンセプト)を受け入れられず、「いや、ウルトラマンはFRP製のマスクをかぶってないとダメなんだ、私はあのマスクが好きなんだぁぁぁ!」と、頭でわかっていても、体が受け付けないというような(笑)、そんな状態でした。今は若干、心も広くなったというか、視野が狭いままではいけないと思えるようにもなりましたが……。
ほかにも『ダイコンオープニングアニメ』や『愛国戦隊大日本』など、衝撃的な作品は多いのですが、私はそのあとに彼らの実力を認めた株式会社バンダイの出資によって制作された『ヤマタノオロチの逆襲』も、なかなか好きです。
『八岐之大蛇の逆襲』赤井孝美監督作品。(正式タイトルは漢字のようですが、ここではカタカナで書きます)
これは、のちの平成ガメラシリーズを手がける樋口真嗣監督も特技監督として参加していたそうで、随所に平成ガメラシリーズに受け継がれていくテイストが散りばめられています。例えば、晴天の野外に組まれたミニチュアのオープンセットなど。帰ってきたウルトラマンでも、その野外のオープンセット(鳥取の砂丘にミニチュアオープンセットを組んだそうです)がありましたが、ヤタマノオロチではその量も規模も増え、ラジコンのミニチュア戦車がアーケード(商店街)の中を走るという細かい芸まで見せてくれていました。
さすがバンダイが出資しただけあって、セットもミニチュアも豪華になっている……。
好戦的な自衛隊も面白く爆発の量も多く、また特筆したいのはヒロインが怪獣を操縦するという、エヴァンゲリオンの原型ともなったスタイルでした。最初は事故で怪獣のコックピットに取り込まれ、やる気のなかったヒロインが自衛隊の攻撃にだんだん腹を立て、反撃しだすという、この「女は感情的になるとコワイ」がストーリーに妙にマッチしていて、大ウケしてしまう展開でした。
また自衛隊の組織論も面白かったです。現実のそれとは違って、コメディタッチにアレンジされてると言いますが、たとえばトップの命令が、現場に伝わっていく過程で徐々にズレていって、微妙に変わってしまうあたりなど、日本の組織論を皮肉っているみたいで、そこも面白かったです。この辺の組織論は、のちに『パトレイバー』にも受け継がれて行ってる感覚なんじゃないかなと、勝手に想像したりしています。
ヤマタノオロチは正確には人が乗り込んで操縦するロボットという設定(着ぐるみのデザインも、ロボットっぽさと怪獣的な皮膚感の合体のよう)でしたが、作品の演出や雰囲気は怪獣映画そのもので、見ていてロボットだということを忘れさせるくらいでした。ですから、怪獣映画としても良作だったと言えます。
しかし宣伝があまりなされなかったのか、『ヤマタノオロチの逆襲』は思ったほど話題にならず、伝説の作品と化していったような印象もします。
まあネットのない時代でしたから、よくわからないですけど……。
でも……こうした時代に隠れた作品が、のちの有名になっていく作品の基礎(作品スタイルの実験)になっていたんだと思うと、感慨深いですね。
さっき知ったのですが、こういうドラマが始まったそうです。
ドラマ24『アオイホノオ』
時代は1980年代……。
舞台は大阪芸術大学。
漫画家、アニメーター、映像作家……今をときめくクリエーターたちが「まだ何者でもなく、熱かった日々」を描く青春ドラマ。
ガイナックスの庵野秀明監督やら、赤井孝美監督らがそのまんま出てる(笑)。
原作は島本和彦氏の同名漫画『アオイホノオ』。
のちに『エヴァンゲリオン』やら『星界の紋章』を作る人たちの青春時代……こういうのがテレビドラマになるとは!
私としては、特に衝撃的だったのは『DAICON FILM版 帰ってきたウルトラマン マットアロー1号発進命令』です。
自主制作された8ミリ映画だったのですが、すごく本格的でした。
地球防衛軍の基地がちゃーんと作ってあって、隊員服もオリジナルで揃えてある。
基地の外観、マッドアローなどの乗り物、民家などのミニチュアはすべて紙製なのですが、一見して紙に見えない。言われて初めて「ああ、そうかも……」という作り込み、塗装の素晴らしさだったのです。
ドラマもハードで、怪獣バグジュエルを倒すために核兵器を使おうとするなど、実相時監督を彷彿させるカメラアングルで撮られた内容は、自主制作映画が陥りやすいチープさを、かなり回避していました。もしこれで、出演者たちの演技力までもが高かったら、上質な深夜のテレビドラマとして通用したほどでしょう。
それなのに、肝心のウルトラマンが……庵野監督の顔出し(笑)。
このギャップが良かったんだと思います。
ウルトラマンは、こうあるべきだという先入観を見事に打ち破ったという意味で。
つまり……ウルトラマンになりきる芝居が良ければ、たとえ素顔のままでも、立派にウルトラマンに見えるんだということだったんですね。
最初に見たときは、なかなかその考え(作品のコンセプト)を受け入れられず、「いや、ウルトラマンはFRP製のマスクをかぶってないとダメなんだ、私はあのマスクが好きなんだぁぁぁ!」と、頭でわかっていても、体が受け付けないというような(笑)、そんな状態でした。今は若干、心も広くなったというか、視野が狭いままではいけないと思えるようにもなりましたが……。
ほかにも『ダイコンオープニングアニメ』や『愛国戦隊大日本』など、衝撃的な作品は多いのですが、私はそのあとに彼らの実力を認めた株式会社バンダイの出資によって制作された『ヤマタノオロチの逆襲』も、なかなか好きです。
『八岐之大蛇の逆襲』赤井孝美監督作品。(正式タイトルは漢字のようですが、ここではカタカナで書きます)
これは、のちの平成ガメラシリーズを手がける樋口真嗣監督も特技監督として参加していたそうで、随所に平成ガメラシリーズに受け継がれていくテイストが散りばめられています。例えば、晴天の野外に組まれたミニチュアのオープンセットなど。帰ってきたウルトラマンでも、その野外のオープンセット(鳥取の砂丘にミニチュアオープンセットを組んだそうです)がありましたが、ヤタマノオロチではその量も規模も増え、ラジコンのミニチュア戦車がアーケード(商店街)の中を走るという細かい芸まで見せてくれていました。
さすがバンダイが出資しただけあって、セットもミニチュアも豪華になっている……。
好戦的な自衛隊も面白く爆発の量も多く、また特筆したいのはヒロインが怪獣を操縦するという、エヴァンゲリオンの原型ともなったスタイルでした。最初は事故で怪獣のコックピットに取り込まれ、やる気のなかったヒロインが自衛隊の攻撃にだんだん腹を立て、反撃しだすという、この「女は感情的になるとコワイ」がストーリーに妙にマッチしていて、大ウケしてしまう展開でした。
また自衛隊の組織論も面白かったです。現実のそれとは違って、コメディタッチにアレンジされてると言いますが、たとえばトップの命令が、現場に伝わっていく過程で徐々にズレていって、微妙に変わってしまうあたりなど、日本の組織論を皮肉っているみたいで、そこも面白かったです。この辺の組織論は、のちに『パトレイバー』にも受け継がれて行ってる感覚なんじゃないかなと、勝手に想像したりしています。
ヤマタノオロチは正確には人が乗り込んで操縦するロボットという設定(着ぐるみのデザインも、ロボットっぽさと怪獣的な皮膚感の合体のよう)でしたが、作品の演出や雰囲気は怪獣映画そのもので、見ていてロボットだということを忘れさせるくらいでした。ですから、怪獣映画としても良作だったと言えます。
しかし宣伝があまりなされなかったのか、『ヤマタノオロチの逆襲』は思ったほど話題にならず、伝説の作品と化していったような印象もします。
まあネットのない時代でしたから、よくわからないですけど……。
でも……こうした時代に隠れた作品が、のちの有名になっていく作品の基礎(作品スタイルの実験)になっていたんだと思うと、感慨深いですね。