先日の日記で書いた『ゴジラ対自衛隊』ですが……その中で、とても気になる記述がありました。
それは『何度か怪獣に襲われている都市なら、次からの怪獣による都市攻撃に備えた防災対策が取られるだろう』という部分でした。
なるほど……これは、そのとおりだと思います。
私の作っている『ウルティマゴッテス』でも、そうした怪獣の襲撃に備えた『防衛都市』の世界観を設定しようと思いました。
まず防衛都市とは、どういうものだろうか……。
首都は3つぐらいに散らすんじゃないかな?
怪獣は、どこから上陸してくるかわかりませんからね。どれかひとつの都市が潰されても、残り2つが稼働していれば、国家としての機能は生き残るという考え方です。
第一新東京、第二新東京、第三新東京……あれ? どこかで聞いたことのあるような……。
ああ、エヴァンゲリオンですね。
ひょっとしたら、あの作品も同じ発想から出発しているのかもしれませんね。
……で、話を続けます。
首都を3つに分ける……いや、正しくは3つの首都を作っておくといったほうがいいのでしょう。その場合、せっかく作った新東京を簡単には壊されたくないでしょうから、目立たないよう地下に隠すんじゃないかと思います。
そうなると……地下都市?
あれ? また、すぐにイメージとして浮かぶのはエヴァンゲリオンですねぇ……(笑)。
よくよく考えていくと、エヴァンゲリオンの中で描かれていた『ビルを地下に隠す』という発想も、怪獣が上陸してくる際には正しい防御方法かなと思えてきました。
ビルが地面の中にへっこんでいく……もし怪獣にそのビルを破壊されて、また建て直すぐらいだったら、地面の中に引っ込めてしまえばいい。平らになった地上を怪獣が通り過ぎるのを待てばいい、というふうに考えるほうが合理的じゃありませんかね……。
よし、私もそうしようと思います。
と書きつつ、実は……最初は『エヴァンゲリオンに世界観が似てしまうのは嫌だな』と思って、地下ではなくて、ビルディングを空にロケットのように打ち上げてしまうのはどうだと考えてみたのですが……ダメでした。
そんなことしたら、再び地上に戻ってくるのが大変だし、また中途半端な高さの上空で浮かんでいたら怪獣から狙われる的にもなりかねない……じゃあ、もっと高くへ上げてしまえばいいとも思ったのですが、そうなると、また別の問題が出てきます。ビルディングは、ますますロケットの設計に近づいてしまい、その推進力はバカにならない予算をつぎこまなきゃいけなくなります。いや、そもそも少し浮かばせておくだけでも大変ですが。
いくら何でも、それだったら建て直したほうがよっぽど予算は安く済みます(笑)し、また成層圏に近い高さまで、もしもビルを上げてしまうと、中で働いていた社員たちの命が危なくなります。
……というわけで、降参です(笑)。
エヴァンゲリオンは、とてもしっかり考え抜かれた世界観なのでありました……。
地上から地下へビルを凹ませるというほうが理にかなっているのでしょう。
対怪獣防衛都市としての考え方も、おそらくそちらが正しいのでしょう。
そうなると……元の首都である東京は会社や人が移転してしまってゴーストタウンと化すのでしょうか。
旧東京は、怪獣に破壊されるための『ダミー都市』となるという考え方も、面白い発想です。
……と、そこまで考えたところで、はたと気づきました。
いやいや、待て待て……誰もいないゴーストタウンの都市を、怪獣が破壊して面白いのだろうか?
やはり、逃げ惑う人々も必要です。エキストラの彼らも、怪獣作品には欠かせない出演者たちなのです。
そう思うと、防衛都市として完璧すぎるのも、どうかと考えるようになりました。
だったら、こうしよう。
防衛都市の計画としては完璧を目指していたが、実際には完璧になれなかった……現実には、よくある話です(笑)。
すべての会社や人々がきっちり、全員うまく移転するとは考えにくく、やはりしぶとく東京に残って、営業を続ける会社も中にはあるだろうし、たとえ人口は減ったとしても、東京には働く人たち、住んでる人たちがしっかり残っていて、決してゴーストタウンにはならないだろうと……そう考えました。
だってね、やはり怪獣がビルをぶっ壊して、逃げ惑う人々がいないと……パニック漫画作品にならないですから。
だから新東京でも、ビルがすべて地下に引っ込んでしまうのではなくて、お金のある大企業はそうした防御設備を整えてあるけど、そうじゃない会社のビルは緊急避難用の設備がなかったり、あるいは故障したりとかで、怪獣に破壊されちゃう運命になる……というのが、怪獣漫画を描く上においての大切な要素だなと思いました。
防衛都市として、ちゃんと計画がなされていたけれども……やはり守りきれなかった、ビルはいくつか破壊されちゃった、みたいな感じでやれればいいかなと思うのです。
てなわけで、新東京が三カ所に分かれて散らばっているというふうに、設定を改めようと思いました。
こうした参考になる資料の本を読むと、そこからいろいろ発想が膨らんでいくから……やっぱり創作は楽しいものですね。