ここ2日ほどの間に、チュンチンの声が響き渡っています。
チュンチンはわたしが勝手につけたネーミングで正確には「イソヒヨドリ」という名の海岸にいる、鳥です。
クチュクチュクチュ・・・ケッケッケッと鳴きます。
今日は、店内から、イソヒヨドリの鳴き声と飛び交う姿をお客様と一緒に見ていました。
自由に青い空の上空を交差する鳥たちを見ていると幸せな気持ちになりました。
玄関前で鳴く、イソヒヨドリ。
海側で鳴く、イソヒヨドリ。
今日は、涙のお客様が来店しました。
初夏に・・・鹿島町から、いつもバイクで来てくださる男性が「ばーさんが・・・倒れたんだ」
じーーと海を見つめていた。その後、ここに2回来ようと思って、店の前を通ったんだ。でも、車がいっぱいで・・・
今日は、10時にくれば、ゆっくり出来ると思って天気が良かったから、来たんだ。
もうすぐ、四十九日なんだ・・・
・・・おばあさん、ここに来たよね。それだけで良かったよ。
「そうだね・・・」
男性がハンカチで目をぎゅと押さえる。
涙の音がした。伝えたいこと・・・寂しかったこと・・・辛かったことが一瞬でもこの場所へ来て、海が涙を拭ってくれた
そんな気配がした朝だった。
二人の女性が玄関の戸を開けると、一人の女性が、海とオルゴールの
窓一面に広がる海に、感極まって、涙が溢れ出した。
テーブルに着いても、メニュー表にふれようともせず、ただただ・・・溢れる涙を止めることができないようだった。
わたしは、その時、こう告げた。
泣けばいい・・涙は堪える必要はない・・
眼下に広がる海・・そして空・・目の前を交差する鳥・・・店内の全てに、言葉よりも先に涙となり、大粒の雫が
止め処なく流れていた。
2時間が経過した。
駐車場に止めているナンバーを確認すると、「会津」って書いてあった。福島県から来られたんだ・・
わたしは、あえて福島から来られたんですか・・・って聞くのをやめた。
自分も能登半島地震を経験して、大切にしている、食器の大半を地震で壊されてしまったし、大切にしていた、たくさんの
お店の物品が・・壊れてしまった。
東日本の地震は、そんな程度の地震じゃないことを知っている。
いま、自分に出来ることは、この場所で寛いでいただくことだと思った。
帰り際に、わたしが撮った写真です。どうぞ・・・って「奇跡の一枚」のイルカの写真を差し上げた。
辛いことがあったら、この写真をみてください。
きっと笑顔になれることを願っています。
いっぱい流した涙が印象的でした。
今日は秋晴れが広がっていて空は快晴で、とってもいい天気でした。
もうすぐ9月も終わりだね・・・