十字架の奥義

【人知を越えた愛】
「その広さ、長さ、高さ、深さがどれほどであるかを理解する力を持つようになり、人知をはるかに越えたキリストの愛を知ることができますように。」（エペソ人への手紙３章１８、１９節）
　私たちが身も魂も委ねるお方、イエス・キリストの愛は、人知をはるかに越えた者であります。あの十字架にまで現わされた主キリストのご愛は、人間の知恵、知識をはるかに越え、時には人間の推論の及ばないほどに卓越したものです。
エペソ人への手紙の中に、その一部が書かれています。
第一に、その広さ。
　キリストの愛はユダヤ人だけでなく、遠く異邦人にまで及んでいます。キリストのご愛は人類を越え、民族を越えて、すべての人に及んでいます。どのような義人にも、また反対に、罪の中にいる人々にも及んでいるのです。
キリストの愛より漏れている者はひとりもいないのです。
第二に、その長さ。
　これは主イエス・キリストのご愛の無限に続くもの、その愛の忍耐の限界を語っているのです。それは限りないものです。
「永遠の愛をもって、わたしはあなたを愛した。」（エレミヤ３１：３）と。主イエス・キリストが弟子たちを愛して、最後まで（ヨハネ１３：１）愛されたように、私たちにも、最後までの愛を傾けておられるのです。
第三に、その高さ。
　キリストの愛は、罪人を神の子の栄光にまで引き上げる愛です。
　キリストとともに生かし、ともによみがえらせ、ともに天のところに座らせてくださる愛なのです。（エペソ２：４～６）それは罪の泥沼に沈んでいた者を、洗い清めて、キリストとともに栄光の座につかせてくださることをいっているのです。
第四に、深さ。
　神の愛はキリストを通して、人間の堕落のどん底まで届いています。その深さは、人間にことばでは、形容できません。
　サマリヤの女を更生し、姦淫の女をゆるし、きよめたもう愛、人の心の深淵にまで届く愛なのです。
　それを、主イエス・キリストは十字架の上に現わしてくださいました。十字架の上に現わされたキリストの愛の広さ、長さ、高さ、深さ。その愛より漏れている者はなく、その愛の及ばぬところはないのです。
　私たちは、今や、この愛の焦点に置かれているのです、
　
本田弘慈著「十字架の奥義」より引用・要約しました。Ａ．Ｏ