アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

在宅勤務をさせてくれない品川の会社

2020年03月08日 | 仕事・働くことについて

新型コロナウィルス感染が止まらない。現在、週3日で品川駅近くの調査会社に勤務しているが、パート勤務だという理由だけで在宅勤務をさせてくれない現状にいら立っている。

正社員には自宅勤務が許されて安全網が儲けられているのに、パートやアルバイトはそれがないのは不公平、差別だと労務に申し出たものの、会社側はそれができない理由ばかりを並べ立て、何もしようとしない。挙句の果てに、有給休暇を使って休んで下さい、と言いのけるのである。

有給休暇を使えと言われても1か月も2ヵ月もあるわけでなく、たった8日の有給休暇を使って、その後はどうせよ、と言うのか?それは結局、短期的な回避策でしかなく、ウィルスがそんなに早く終息しそうにもない現状を見ると、ちゃんと先のことを考えて先手を早急に打つべきではないのか?従業員の命を守る、という考えはこの会社にはないのか??

そのことを会社に再度伝えたが、今の現状では在宅ワークをする体制が整っていない為、できない、と、完全に思考停止状態。そもそも、在宅ワークを始めるのにそんなにハードルが高いのか?私は過去に、別の調査会社から何度か業務を請け負い、在宅でずっと仕事をしていたが、自分のパソコンを使って仕事をしても何も問題はなかった。会社としては、従業員の命を守るために、とりあずできることから早急にできることが沢山はるはずだ。なのに、何もしようとしないのは、ただの怠慢である。

埒が明かないので、先日、東京港区の労働基準監督署に相談したところ、会社側が法律違反をしているわけではないので、こちらでは何もできない、また、会社側から出勤停止と言われない限り、今回のことで会社を休んでも給料は補償されない、これが今の法律だから仕方がない、の一点張り。

労働基準監督署というのは、困っている労働者を助けるところなのに、法律があるからできない、というのはもう完全に思考が固まっていますよね?と、言い返したところ、相手の方は黙ってしまい、ただひたすらオウム返しのように「すみません」というだけ。これは、日本の国会の安倍総理や議員たちが返答に行き詰まった時のひたすらオウム返しに徹する状況に似ている。日本の役所は本当に役立たずである。

私のようなパート勤務、または派遣社員の方で同じように困っている人が多いと思う。会社は一体、人の命を何だと思っているのか?人の命は正社員もパートも派遣もないはずだ。まるで命の選別をされるようだ、と再度、会社の労務に伝えたが、それに対して全く返事なし。困っている従業員の為になんとかしようと動く人たちではないようだ。残念ながら、多くの日本人がそのような働き方をしてしまっているので、今更教育しても、もう無理なのであろう。

今回の事で、会社に対して本当に愛想が尽きた。有給を使うのは本当に嫌なのだが、会社は命をかけていくところではないので、とりあえず有給を全部消化して、その後どうしようか考えるしかない。

もし、これに共感して下さる方がいらっしゃったら、是非このブログを拡散して頂きたい。コメントも受け付けますので、何かアイディアがあれば、是非頂きたいと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


患者、顧客の過大な要求が過酷な労働環境を生み出している

2018年08月08日 | 仕事・働くことについて

東京医科大学の入試試験で、女子が一律減点されていたことが発覚した。女性の合格率が男性よりも高くなってしまったということが原因らしいが、女性の方が優秀な人達が多いということの現われであろう。実際、フィンランドなど他の国では、男性よりも女性医師の数が上回っており、ラトビアでは、なんと75%、ほぼ8割が女性医師で占められている。

世界各国比較:医師の男女比ランキング

これを見ると、日本のランキングはOECD諸国の中で最下位という不名誉な結果となっている。

しかし、これに対して日本の現役医師の6割が、この一律減点に関して「理解できる」としており、医師でタレントの西川史子氏は、女性ばかりになると皮膚科や眼科が増えるとか、外科医は男手が必要なので減点は仕方ない、とまで言う始末。それが真実だとしたら、ラトビアやフィンランドなど女性の割合が多い国の場合はどう説明するのか。これらの国では皮膚科や眼科医ばかりなのか、耳を疑ってしまう。

それに対して、ある報道番組のコメンテーターからまっとうな意見が出た。

そもそも医療現場の過酷な労働環境が問題で女性医師が辞めざるを得なくなっているのに、女性医師がいるせいで男性医師の負担が増える、というのは間違っている。女性にも働きやすい職場環境を作ることに目を向けなくてはいけないのに、入試の段階で女子を排除しようとするのは間違っている、と。

全くその通りだと思う。時代錯誤も甚だしい。

しかし、この現象はなにも医療現場だけでなく、一般の会社にもある程度の不正操作があるのではないかと感じている。実際に、全く同じ能力を持った男女の求職者がいた場合、会社側は男性の方を採用することが多いのではないか。それに、日本ではどこの会社を見ても、特に営業部門は女性よりも男性の比率が圧倒的に多い。管理職、役員レベルでも未だにそうだ。そして、事務職の仕事は女性が多い。今は大学を出ている女性も多いのに、昭和の時代からこの現象が変わっていないのは、採用する側に意図的な操作があると疑わざるを得ない。

では何故、医療現場も、多くの会社においても過酷な労働環境がなかなか改善されないのか。それは、

顧客(もしくは患者)側の過大すぎる要求が、過酷な労働環境を生み出している

からだと確信している。

日本の会社は、クライアント側からの無理な要求、無理なスケジューリングに対して絶対にNOとは言わない。アメリカで働いていてつくづく感じたのは、アメリカでは発注する側と受注する側は対等なパートナーであり、日本のように上下関係ではない。従って、アメリカでは顧客が無理な要求、課題な要求をするとはっきりNOと言うが、日本はNOとは言えない。当然、受注する側は仕事を回すだけで精一杯になり、仕事に対する誇りややりがいを感じられなくなり、長時間労働で疲弊し、最悪の場合は過労死に至ってしまう。

これは病院でも全く同じことが起こっている。日本では国民皆保険なので、諸外国と比べると医療費が断然安い。昔の1割負担から3割負担に増えたものの、それでもアメリカと比べても全然安い。だから、大した症状でなくても病院に行ったり、はてまた高齢者の方達は寂しさ紛れに病院へ行く人もいるようなので、患者数は増え、医師の負担は増え続けるだけなのである。

それに加えて、高齢化に伴い、入院患者数が現時点においても既に高齢者の割合が非常に高い。私は去年の夏、1か月ほど入院をしたが、8~9割が高齢者ばかりでびっくりした。高齢者は介助を必要とする人が多いので、医療スタッフの負担は大変なものであると肌で感じた。

入院する患者さんを制限できないが、少なくとも外来患者数を抑えたり、海外からも医師を採用して医師の数を増やす、という手があるのではないのか?外来患者数を抑えるには、医療費負担を欧米並みに高くすればたちまち減るかもしれない。これについては、国民から大反対されることが予想されるが、大したことないことで医療機関にかかる数は激減する効果があると思う。

しかし、そもそもこんなことをしなくても、患者側が常識的な人達ばかりだったら、医療費を上げなくてもよいのだが、残念ながら非常識な人達が存在する限り、他の人達にしわ寄せが来るのは致し方ないと思う。

会社においても、クライアントからの無理な要求を断れば、残業時間などたちまち減らせるのだ。断ることで、クライアントからの受注がこなくなれば、それはそれでよい。対等な立場でビジネスできる相手と仕事をした方が、よほど仕事の質は上がるし、従業員の満足度も高いだろう。そして、無理な受注を断る企業が増えれば、無理な要求をするクライアントはブラック・クライアントとなり、発注することさえもできなくなる。そういう状態にならないと、日本の労働環境はなかなか改善しないと思う。

私が以前、働いていた調査会社もいわゆるブラック企業だった。クライアントからの無理な要求ばかりに答えていたからだ。それでも、私は当時、マネージャーとして権限を持たせてもらったので、過大な要求をするクライアントにはこっそりNOと伝えていた。私の下で働いている部下達の疲弊をこれ以上招きたくなかったからだ。それでも彼ら(と私)の残業がなかなか減らなかった。そもそも業務量がスタッフの人数に対して既に過剰な状態となっていたからだ。人員を増やせばいいことなのだが、外資系企業となると、すでに毎年人員の枠が厳しく定められており、融通が利かないので、なかなか増えない。

今の多くの病院もそうではないかと推測する。病院側の利益を上げたいが為に、男性医師を優遇し、職場環境改善どころか、患者を増やし、不必要な投薬、手術をする。病院、医師の倫理観、良識が問われる問題だ。

従って、これらの要因を考えると、今回の東京医科大学の入試一律減点はあってはならないことであり、決して正当化できることではない。正当化する人達は、問題の根本に目を向けておらず、一律に女性が問題、だから排除する、という短絡的な思考になっているのだ。

 

 

 


在宅ワーク、フレックスタイムの導入が遅い日本~本当の意味での多様な働き方とは~

2018年08月05日 | 仕事・働くことについて

7月に入ってから日本は異常な暑さが続き、ここ東京でもついに36度を超える日が来てしまった。昨年、脳脊髄液減少症を再発してしまった私にとっては最悪の事態になってしまった。

ここ最近、毎日のように頭痛が続き、倦怠感が半端なく、体を引きずるようにして出勤していた。しかし、先週、ついに体が動けなくなって4日間、仕事を休み、先週も2日間、仕事を休む羽目になってしまった。休んでいる間は病院へ点滴を入れに行っていたが、通う回数が増えると、それだけ医療費が膨れ上がる。一方で、仕事を休んでいるから給料も下がる。

私の仕事は市場調査のデータ分析、翻訳などが主な仕事なので、会社に行かなくても自宅で十分仕事ができる。にも関わらず、会社はそれを認めてくれない。それで、他にフレックスタイムを導入しているところ、在宅ワークを導入している就職先を探しているが、本当に数が少なく、見つかってもすぐに人が埋まってしまう状態だ。

幸い、私の病気は軽度なので、何も症状がない時は普通に仕事ができる。しかし、暑さが続いてしまうと体から水分が奪われ、髄液のレベルも落ちてしまい、時に激しい頭痛が襲う。しかし、自宅で安静にしているうちは、仕事はなんとかできるので、その機会を奪わないでもらいたいと思うのに、会社側は一向に考えようとしない。

一体、多様な働き方とは何なのか?働き方改革、と政府が声高々に言っているが、現状を見てみると、女性には子供を産め、子供を保育園に預けて働け、家事もちゃんとやれ、男性も子育てに参加せよ、高齢者も働け、としか聞こえない。仕事はフルタイムの仕事が多く、週3日くらいの仕事になるとバイト並みの仕事しかない。欧米では、週3~4日でも、自分のスキルが活かせる仕事が存在するのに、日本ではそのような仕事が皆無と言っていい。たとえあったとしても、ボーナスや他正社員並みの待遇は受けられない。なんてひどい社会なのだろうかと思う。

私の様な病気を持っている人に対する働き方、がん患者の働き方、障害者の働き方、などその人の状態に合わせた多様な働き方が全く実現できていない。高齢者も働け、と言っておきながら、彼らに合った仕事や働き方が一体、どれくらいあるのか?

日本政府は結局、声を上げるだけで、まだ何も抜本的な改革など進んでいない。関東の通勤ラッシュは相変わらずひどく、小池東京都知事は時差通勤を奨励しているが、結果は何も変わっていない。何故なら、会社側がフレックスタイム制や在宅ワークを導入しようとしないからだ。これは、本来、企業を巻き込んで行わなければ根本的な問題解決にならないのに、単に時間をずらして出勤しましょう、と言っても説得力がない。

政府は高度プロフェッショナル制度をついに可決してしまったが、日本の働き方改革というのは、結局は国民をただ疲れさせるだけの改革ではないだろうかと感じている。非正規社員を増やし、残業を増やして、日本国民の弱体化を図っているのではないか、と勘繰ってしまうのは考えすぎだろうか?

 

 

 


無責任上司に対してノーと言えますか?~2サムエル記18章より~

2017年05月16日 | 仕事・働くことについて

旧約聖書のサムエル記を読んでいると、国家や組織のあるべき姿が見えてくる。聖書には、私達人間が正しい方向に行くためのヒントが盛りだくさん書かれているが、残念ながら国家や会社の組織でもそれを実践しているところはほとんどない。結果、今の社会・世界が混沌とした非常に政情不安定な状況になっている。

IIサムエル記18章を見ると、今の時代の無責任上司がここでも存在することが分かる。当時のイスラエルの王、ダビデの右腕の戦士として活躍したヨアブである。ヨアブは大変有能な戦士だったが、血気盛んで横暴、気が短い所があり、サウル(ダビデの前の王。ダビデに嫉妬し、殺害しようとして自ら滅びに至った。)に仕えていたアブネルを危険な人物だと勝手に思い込み、殺害した経緯がある。 ダビデはこれを知っていて後にヨアブを呪ったが、優秀な戦士だっただけにダビデは何も罰を与えなかった。後に自分の息子ソロモンに死罰を下すように伝えているが、この時点では、ヨアブが相当な力を持っていたためにダビデは何も手出しできなかったようである。

組織の中にも彼のような人物を見かけることがある。人望はないが、人脈も広く、仕事ができるがために出世し、いずれは組織の害になっていく人。トップ人達も敢えて放置し、結果、傷口がどんどん広がっていき、組織全体を駄目にしていく。そしてこのような人は部下にも好かれていない。

その証拠に、IIサムエル記18章を読んでいくと、ヨアブの部下が、ダビデを殺害しようと戦っているダビデの息子アブシャロムの頭が木にひっかかっているのを見て、ヨアブに報告した。それに対してヨアブは11節で、「いったい、お前はそれを見ていて、何故その場で地に打ち落とさなかったのか。」と、部下を叱責した。 それに対してその部下は、ダビデから殺さないように、と命令されているから、それはできない、ときっぱり断っている。しかもヨアブに対してこうも言い切っている。 「もし私が自分の命をかけて、命令にそむいたとしても、王には何も隠すことはできません。その時、あなたは知らぬ顔をなさるでしょう。」

彼は、自分がヨアブの命令に従って、その結果、ダビデからお咎めがあっても(当時は死罪だった)、ヨアブは知らん顔をする、と分かっていたのである。つまり、ヨアブは無責任上司だということを、この部下は既に見抜いていたのである。

日本の政治も会社の組織の中でも責任の所在がはっきりせず、結果、多くの無責任上司・政治家が残念ながら存在している。しかし、新約聖書のローマ人への手紙13章1節に、「人はみな、上に立つ権威に従うべきです。」という言葉通り、無謀で横柄な上司に対しても従わなくてはいけない。

けれども、この言葉はただ妄信的に従いなさいと言っているのではない。人間はあくまで最終権威者である神の命令に従うべきであって、それが神様が言っていることと食い違っていたり、人として間違っていることは、たとえ上司でも従いなさいと言っているわけではないのである。

そういう点で、このヨアブの部下は非常に勇気があり、正しい行動をとっていたと思う。果たして今の日本社会で、明らかに間違っている上司に対して彼のように勇気を持ってノーと言える人がいるのであろうか?これは、聖書にかなり深く根ざして生活をしていないと、なかなかできないことだと思う。何故なら私達人間は皆弱く、見えない神よりも目の前の人を恐れており、他人のことよりも自己保身に走る傾向を持っているからである。

このヨアブの部下が上司に逆らった後、どのような人生をたどったのか、それは残念ながら書かれていないが、恐らくは上司に逆らった多くの人が辿るように、左遷されるか、同じ地位にとどまったとしても冷遇されるか、決して良い扱いは受けなかったであろう。

カネボウ株式会社の前社長兼会長であった三谷康人さんも、彼が現役の時に上層部の人達の受けが悪かった為に3回の降格と左遷をされたが、そんな中でも神様を見出して決してくじけず、左遷先でも結果を出し続け、その結果、1992年社長に上り詰めた。 三谷氏は奥さん共々、クリスチャンであるが、神に根付いた生活を実践していたからこそ、何をも恐れず、ただ正しいと思われることを勇気をもって行うことができたのであろう。何年か前に個人的にお会いしたことがあり、三谷氏の家にお誘いを受けたことがあるが、彼と奥さんの信仰心の強さには脱帽である。

興味のある人は、彼の著書、”ビジネスと人生と聖書-勝利へのマスターキー”を、読んで見るとよい。


 


日本で残業がなくならないのは何故か

2015年04月05日 | 仕事・働くことについて

3日前、40代の名ばかり管理職の男性が、月140時間を越える残業を続けた結果、急死したとのニュースを見た。原因は、過労による心不全だった。亡くなる前から体調の異変など、色々な兆候があっただろうに、何故このような働き方をずっと続けていたのか非常に疑問に思うのだが、何故、このような不幸な事態に遭うまえに、会社に対して声をあげることができなかったのか。亡くなったご本人様には大変申し訳ないと思うが、このような事態を招いたのは、勿論、会社が一番悪いのではあるが、それに対して何もしなかったご本人にも責任がある。

死ぬような事態に遭うのなら、何故、声をあげて会社に訴えるなり、労働基準監督署へ相談するなりできなかったのか。それでも会社や労基が何もしないようなら、会社を辞めるという選択肢もあり、やれることはあったはずなのに、何故受け身になり、自分から主体的に何かをしようとしなかったのか?体を壊す前に、できたことは沢山あったはずだ。

こういう、声をあげる人がいないから、日本では残業がなかなか減らないのだ。自分の体を壊してまで、ましてや死ぬまで働く価値のあるような会社は、世界中、どこにもない。

アメリカで働いていた時、こんな話を聞いたことがあった。

ある女性が秘書として採用されたが、あまりの業務量の多さに通常の業務時間では処理しきれないと判断した。日本人なら、黙って残業するところだろうが、この女性が取った行動は、自分の上司に対して、

「この業務量は、到底一人でさばききれない量で、尋常ではありません!あなたが、それでもやれ、とおっしゃるのでしたら、やりますけど、締め切りに間に合わなかったり、処理できない仕事が残ってしまっても、それは私の責任ではなく、あなたの責任です!」

と、はっきり申したそうだ。事の事態に気づいたその上司は、彼女の言い分を聞き入れたそうだが、日本人は何故、このようにはっきり言えないのか?

勿論、会社の体質の問題もあるが、そもそもそういう状態を野放しにして黙って残業をし続ける日本人一人一人にも問題がある。言うべきことを言わないで、会社が、上司が全て悪い、などと言う資格はない。自分達がやるべきことをやって、それでも会社側が何もうごかないようであれば、それこそ全ての責任は会社にあるのである。

たとえ、声をあげた為に会社に居づらくなったり、首になったとしても、そういうことをしてはいけないと法律で決められているので、会社は自ら法を犯すことになる。また、そのような会社は決して発展もしないし、大きくもならないだろう。そのような会社で、自分を犠牲にしてまで働く理由は全くない。

それに、万一、首になってその会社に戻れなくなったとしても心配することはない。他でも仕事はいくらでもあるし、起業するなり、全く違う道へ方向転換するなど、生きていく方法はいくらでもある。なぜ、そのような考えが持てないのか、はなはだ疑問であったが、一つ分かったことがある。

長時間労働が続くと、体にまず異変がくる。体に異変が来ると、思考もおかしくなる。通常のまともま思考で物事が考えられなくなってくるのだ。そうなってしまうと、もう会社の奴隷になり、ただ死を待つだけになってしまう。

そうなる前に、まだ体が大丈夫なうちに、健全な考えができるうちに対策をとっておく必要がある。

人間には限界があるが、特に日本人の多くはそのような線引きがちゃんと出来ない人が多い。何か問題があれば、相手から察してもらうことを期待するのではなく、自ら声をあげなくてはいけない。それが出来ないから、上司は部下に甘え、また部下も会社に依存しようとするが為に何もしようとしない。日本の共依存社会がもたらす悲劇である。