アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

安易に救急車を呼ばないように!

2013年12月10日 | 社会・人生について
高齢化もあって、救急車の出動も増え、また安易に救急車を呼ぶ人達も増えて、今、救急医療現場では大きな問題となっているそうだ。日本も寒くなり、また年末ということもあって、これから救急車の需要がますます増えると思われるが、救急車というのは、本来、即命に関わりそうな重体な事態になった時のみに利用するものである。しかし、実際はタクシー代を払うのが嫌だから、という理由で、大して緊急でもないのに無料になっている救急車を利用している人もいるという、全く呆れた事態になっている。

この間、私の知り合いから聞いた話であるが、その人の知人は、お腹が痛くなる度に救急車を利用するそうだ。結果はいつも大したことなく帰されるのだが、それでも救急車を利用するというふとどき者で、聞いていて全く呆れる。理由は、タクシーで行くと診療室で待たされてしまうが、救急車だとすぐに診てもらえるからだそうだ。このような自分のことしか考えない人間がいる為に、本当に命の危険にさらされている人達が救急車を利用できなくさせてしまっていることを考えると、聞いていて憤慨するばかりである。

このような行為は、本当に救急を必要としている患者さんの迷惑になるだけでなく、医療現場のスタッフにかなりのストレスを与えているようだ。今日、アメリカの友人からこんな情報をもらった。以下はアメリカのデータであるが、救急の医療現場で働くスタッフを含め、警察官、消防士など、市民が極限の危機にさらされている人達を助ける仕事をしている人達は、このような状態になっているという。

・離婚率がなんと84%!
・4人に一人がアルコール中毒にかかっている
・30%が心的外傷後ストレス障害で苦しんでいる
・寿命も平均よりも15年短くなっている

これらの数値を見ると、通常の仕事では考えられない、相当のストレスがかかっていると思われる。結果、それが夫婦生活にも家庭生活にも、個人の健康においても、とてつもない大きな影響を与えているということであろう。実際、その情報を送ってくれたアメリカ人の友人の知り合いが救急医療の現場で働いているそうだが、その知り合いの方も現在、奥さんと離婚の危機になっているそうだ。

救急車が有料になっているアメリカでは、当然、安易に救急車を呼ぶ人達はほとんどいないのだが、そのアメリカでさえこの様な数値結果が出ている。ということは、安易に救急車が呼べる日本では、救急医療スタッフがどれだけのストレスを受けているのだろうかと考えると、ぞっとする。医療機関スタッフが多大なストレスを受け、長時間労働で疲れ果て、心身共に病んでいる状態で治療にあたると、医療ミスが起こる可能性も高くなるのだ。彼らのそのような自分勝手な行動が、医療現場で働いている人達にもここまで影響を及ぼしていると言うことをよくよく留意してもらいたいと思う。何でもタダだからと言って、利用しなきゃ損と思う行動は、人間として非常にあさましい限りである。

ちなみに、アメリカの救急車の料金は、州にもよるが、私が住んでたミシガン州では当時、確か300ドル(約3万円くらい)だったと思う。しかし、今はかなり値上げされていると思う。ニューヨークになると5~6万くらいするので、皆、安易に救急車を使わないし、私の友人や周りの人達で救急車に乗ったことがある人にお目にかかっていないくらいだった。

日本では、救急車1台発車すると4万円くらいかかるそうである。これは当然、国民の税金で賄われており、私達のお金から結局は出ているということである。今朝、今年の日本の医療費がまた膨らんでいる、といニュースを聞いたが、これから更に高齢化が進むと、このような状況では、いずれ日本も救急車が有料となる日が来るのではないかと思う。一部のこのような安易な行動が増え続ければ、本来、助けを必要としている人達への恩恵は近いうちになくなり、自分にも跳ね返ってくるであろう。救急車を呼ぶべきかどうか判断しかねる時は、それを相談できる窓口があるそうなので、区役所などで調べ、まずはそれを利用すべきである。

人間は一人で生きているのではない。このような安易な、自己中心的な人達によって、真面目に一生懸命働く人たちに多大な害を及ぼすようでは、日本はいずれ立ちまわらなくなるに違いない。