今月7日に更新された世論調査を見ると、先月は安倍総理の不支持率(44%)が支持率(39%)を上回っていたのに、今回は両社とも支持も不支持も同じ41%になっていた。つまり、支持率が2%上がり、不支持が3%下がり、これをどう見るかはその人によるものかもしれないが、統計上では2~3%程度の違いなら誤差範囲で同程度、つまり、あまり変化がないとみなす。
しかし、昨年からの内閣支持率の動向を見てみると、不支持よりも支持の方が高い時期が多い。様々な国会での強行採決、森友や加計学園問題、西日本豪雨への対応、大臣や議員の数えきれない失言など、はっきり申し上げて、やりたい放題の政治だとしか思えないのだが、それでも何故、安倍総理を支持する人達が多いのだろうか?そして、自民党の中にも、今回の総裁選では、石破氏よりも安倍支持の方が多数派になっている。
私からすれば、石破氏の方がよほど見識も良識もあり、人として最もまっとうな方だと思うのだが。実際、私の周りでも、ほとんどの人が安倍総理は早く辞めて欲しいと言っているだが、何故、未だに彼を支持する人が多いのだろうか?
これはこれまでの世界の歴史を振り返ってみた私の推測であるが、今、世界が非常に混沌とした状態になっている。また、それに加えてテロ事件、地気温暖化による異常気象や災害の大規模化、そして北朝鮮の脅威など、世の中は暗黒になりつつあると感じている。これらの出来事は、聖書では既に2000年以上も前に預言されていたことで、残念ながら今後の世の中はますます不透明になり生きづらくなるのは必須であろう。そして、このような世の中になると、人々は地味でまともな政治家よりも、派手な政治家、口の達者な政治家を好む。
この最も良い例が、ドイツのヒットラーであるが、彼は非常に演説が上手だったという。何をしゃべれば人々を惹きつけることができるか彼は非常に良く知っており、どうすれば国民を煽り、自分の思い通りの政治ができるか大変熟知しているのである。しかしその後、彼の政権が実際に何をしたのか、彼自身がどうなったのかは、皆さんご存じの通りであるが。
日本の安倍総理、そしてアメリカのトランプ大統領も似たようなことがないだろうか?安倍総理は、「一億総活躍社会」、「全ての女性が輝く社会」、「働き方改革」、「アベノミクス」、などいかにも国民の関心が集まりそうなキャッチフレーズを声高にあげているが、ふたを開けると、それらのどれも国民の生活の現実に沿ったものではない。
働き方の多様性と言いながら、一億総活躍社会、とは何なのだ?国民全員働かなくてはいけないのか?生き方の多様性は認められないのか?女性は働かないと輝けないのか?そして、アベノミクスの効果も一般の国民は何も感じていない。給料が上がらない、しかし社会保険料は上がる、税金は上がる、教育費も上がる、食費も上がるばかり。結果、年金支給額の低下、老人の貧困や子供の貧困、非正規社員の増加、介護費用の増加、老老介護で親子共倒れ、などで国民の生活はちっとも楽になっていないのが現状ではないのか?
そんな状況にあるにも関わらず、国民の多数は安倍政権に対してNOと言わない。安倍総理に代わる人がいないからだというが、自民党には石破氏を始め、まだまっとうな政治家が存在する。にも関わらず、安倍総理を支持するのは、ヒットラーを支持した当時のドイツ国民の様に、日本国民の半数が既に洗脳されてしまったのではないからではなかろうか?
アメリカも非常に似たような現象が起こっている。トランプ氏は、歴代の大統領とは違い、非常にはっきり物を言う。政治家は嘘つきが多い、ということを考えると、彼は非常にストレートに物を言い、時に過激な発言をするので、今のこの混沌とした状況を打破できるのは彼しかいない、と勘違いし、そのリーダーに対して過剰な理想を抱いてしまうのであろう。ヒットラーと同じように、トランプも非常に派手な人である。そして、暗黒の時代には、国民は地味でまっとうな政治をしてくれるひとよりも、彼のように口達者で行動力が抜群そうな、派手なリーダーを好むのである。
これは非常に危険な方向へ行っているとしか言わざるを得ない。しかし、これも聖書で預言している通り、これらのことは今、確実に起こっていることで、私達ではもう止められないことなのだろうかと無力感を感じる。
安倍総理とトランプの支持者たちの知的レベルが似ているのではないかという記事をたまたま見つけたが、私と同じようなことを考えている人がいて驚いた。興味のある方は、下記の記事をご覧ください。これが事実かどうかは、それぞれの判断に任せますが。