アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

日本、先進国から脱落の恐れ

2012年04月16日 | 政治・国際情勢について

今日の産経ニュースで、こんなタイトルがネットから飛び込んだ。

”2050年の日本、先進国から脱落の恐れ”

ようやくこんな言葉が出てくるようになったかと思ったが、気づくのが遅すぎる。日本の少子化は十何年も前の昔からとっくに始まっているのに、こんなことになるとも予測できなかったのか。また、以前から一部の専門家や著名人が、日本は衰退に向かっていると言っているにも関わらず、そのような話には目をむけもせず、抜本的な改革をしようとしない。

海外で長く生活すると日本の事が色々と見えてくるが、日本は何においても、諸外国、特に欧米に比べて20~30年遅れている。私が9年のアメリカ生活の後、日本に帰国して驚いたのは、IT化が遅れている事、また私の専門であるマーケティング分野においても、日本では10年以上遅れている有様だ。改革しようと分かっていても、やる事は小手先ばかりの対策で、根本的な改革をしようとしない。今の団塊の世代以上の人達が勢力をふるっている為、若い人達が提案をして改革しようと手をあげても、つぶれてしまうのだ。

また、私が海外に住んで気づいた事は、日本人は変化に対する抵抗力が、ものすごく強いことだ。つまり、変化を嫌うのだ。だからIT化も遅れる、新しい事を進んで取り入れて自ら変化をすることを面倒だと思う。組織の人間の多くが過去のやり方や成功にこだわり、自分達の意見が唯一正しいとばかりに、若い人達からの積極的な提案や改革などは取り入れようとしない。

また、もう1つ気づいた事は、日本人は事実を真正面から受け止め、事の本質を見抜いて問題を根本から解決するこが苦手、ということだ。何か問題があっても、目を背けたり、うやむやにしたり。また、これは何故か分からないが、悪いことは絶対自分には起こらないと信じている人達が結構多いようだ。残念ながら、事がかなり深刻な事態にならないと、彼らは腰を上げない。

福島の原発がいい例である。原発の安全性は前々から一部の専門家からも指摘されてきたにも関わらず、最悪の状況を想定して、必要な安全対策を取らなかった。気づいた時には、もう手のつけられない状態になっている。

今、本当に危機感を持っている日本人はどれだけいるのだろうか?悲観的にならなくても、日本は絶対大丈夫、と根拠のない意見を言う人達もいるようだが、はっきり申し上げて買い被っていると思う。人間、誰でもとかく自分の事になると自分可愛さに判断が甘くなり、厳しい事には向き合いたくない。従って、問題に直視できず、本来やるべき仕事をやらないでいる。これは何も福島の原発ばかりでなく、他の企業でも似たような状況が起こっている。残念ながら、怠慢な日本人達が日本の中で増えてしまっているのだ。

従って、辛い仕事はやりたくない、海外赴任は嫌だ、出世は嫌だ、という若者ばかりが多くなってしまっている。話はすこしずれるが、ピアノレッスンにおいても同じ兆候が起こっている。あの課題は嫌だ、この曲は弾きたくない、練習はあまりしたくない。辞めてもらうと困るので、最近では全く叱らない先生が増えたと聞くが、当教室ではそんなのはお構いなし。子供の教育において、安易な道を作ってしまうと、将来ろくな大人にならないし、第一、そんな甘えた精神状態の子供達がピアノがちゃんと上達するわけがない。そのような甘えに関しては、一切、受け付けないようにしている。

また、これは日本のマスコミにも問題があるが、日本のマスコミは、日本は実際、海外からどのように言われているのか、ということを全てそのまま正直に伝えていない。日本にとって良いことは、誇張しすぎるくらい宣伝するが、悪い情報や批判などに関しては、取り上げようともしない。従って、今の日本が実際のところ、諸外国からどのように評価されているのか、正しい情報が伝わっていない。私が日本へ帰国した当初は、そのような報道にものすごく違和感を感じたのを覚えている。

このような真実がうやむやにされた状態で、果たして日本は本当に再生できるのだろうか?

抜本的な改革に取り組むことのできない日本の今の政治状況を考えると、日本の人口はこのまま減少し、いずれ海外から移民を受け入れるざるを得なくなる。移民の人達はまじめで我慢強く、働き者が多いので、そのうちに、移民の人達が日本の中枢を握り、外国人のトップや政治家が現れ、いずれ外国人の総理大臣が誕生するであろう。

これは、前のブログでも述べたが、古代ローマ帝国の衰退の時と全く同じ道を歩んでいることになる。

文明は進んでも、人間のやることは昔も今も変わらないのだ。それは、2000年前に書かれた聖書の中にも同じ事が書かれている。