アメリカ帰国者が日々の出来事・人生・世の中などを語るブログ

日本に帰国して矛盾だと感じたこと、人生における発見や日常のことなど色々語ります

日本の少子化対策について一言

2009年06月13日 | 政治・国際情勢について

今回は、音楽とは全く離れたテーマ「少子化対策」について一言。先日、某テレビ番組で女性政治家や経済界の女性著名人が集まって、このテーマに関する論争を聞いていたが、日本で何故、子供を産まなくなったのか、その根本原因についての議論が全くなく、むしろ「男性の考え方も変わるべき」とか、また男性司会者からは「女性の意識こそ変わるべきだ」と言ったような、レベルの低いディスカッションで、期待して観ていた私はなんとも言えぬ絶望感に襲われた。

彼らの議論を聞いていると、どうやら自分達の関心事だけしか頭にないようで、仕事と育児を両立させるにはもっと保育所を増やせ、とか男性はもっと育児に関わるべきだ、とか、自分達、つまり大人だけの視点でしか物を見ていない。

しかし、子供の視点から見るとどうなのか?母子家庭などでどうしても働かなくては生活さえできない状況は除いて、お母さんが頑張って外で働いて、子供は保育所に預けて人に任せ、自分は夜遅くまで残業して、果たしてそれが子供の成長にとってどのような影響を与えるのか、子供にとって本当に最適な家庭環境を親が与えているのか、という議論が全くない。

今は情緒不安定な子供がほとんどと言っても過言ではない。その根本原因は、家庭の愛情の欠如によるものが大変多い。あるデータによると日本の家庭の80%以上が機能不全家庭と言われている。つまり、日本の家庭のほとんどが本来の家庭としてのあるべき姿になっていないのだ。その結果、多くの子供達の性格が歪んでしまい、心がすさみ、人とのコミュニケーションが上手くとれなかったり、怒りの問題を抱えキレやすくなったり、親や人を恨むようになり、何をやっても上手くいかない子供達が増えている。

また子供達だけでなく、そのような大人も今は非常に多い。その彼らはとても傷ついてしまっている。鬱病が増えてしまったのも、原因は育った家庭環境が大きいとも言われている。修復できないような傷を抱え、これから一生それを背負って生きていかなくてはいけない人が沢山いる。

大人の身勝手で、子供達は悲鳴を上げている。結局、世の中が少子化の傾向になってしまっているのは、自分勝手な大人が増えてしまった結果ではないかと思う。結婚したいけれども夫の役割は果たしたくない、妻の役割は果たしなくない。結婚しても独身と同じような自由な生活を送りたい。子供は欲しいけれども親の役割は果たしたくない。物が豊かになって自由な社会になって、それはそれで良い事なのだが、反面、人はやりたい放題やって、だんだんわがままになっているのではないか。少子化になった根本原因は、ここにあるような気がしてならない。

テレビでくだらない論議をしている時間があるのなら、もっと健全な家庭環境、子供にとって親がしてあげられる一番大切な事は何なのか、家庭とは何なのか、夫婦の役割とは何なのか、私達大人はこれでいいのか、もっと弱者である子供の立場を踏まえた議論が必要だ。私達大人が反省もしないで、やれ夫が悪いだの、妻が悪いだの、何もしてくれない国が悪いだの言う資格はないと思う。