俳句の箱庭 top

お気入俳人の俳句鑑賞します。
多側面から俳句を分類します。
俳句付きイラストを描きます。

■特集俳句612「土筆出る気配の土手となりにけり」(小西領南)

2023-03-24 04:56:00 | 特集俳句

○特集俳句612・きれきれ俳句1-6けり2・小西領南03・2023-03-24(金)
○「土筆出る気配の土手となりにけり」(→小西領南03)
○季語(土筆・仲春)(「→俳句の殿堂」より引用)【→特集俳句-索引1索引2検索3検索4検索5【→俳人一覧(いいいたうえすせそちつてとにぬねのはひふへほみむめもゆ~)】【俳句結社索引

【鑑賞】:今日は「彼岸の明け」。土手は柔らかく土筆の出る気配。特集は切字「けり」第2弾。過去の情景を詠嘆を込めて述べる「なりにけり」は短詩型の俳句にとっては贅沢な表現。数句を下記のPickup「なりにけり俳句」にて挙げる。


■Pickup「なりにけり俳句」11句(2023-03-24)


降る雪や明治は遠くなりにけり」(『長子』1936)(中村草田男)

海へ来て泳がぬ父となりにけり」(『旅装』1999)(小泉旅風)

梅咲いて朝寝の家となりにけり」(『友あぐら』1735)(貴志沾洲)

堰跳んで少女は蓼となりにけり」(小林貴子)

麦刈つて夕風かるくなりにけり」(陽美保子)

木枯は風の箒となりにけり」(齋藤幽谷)

賀状来て恋は時効となりにけり」(藤田麻依子)

一時雨それが時雨となりにけり」(『半夜』2021)(鎌田透次)

太陽を溶かし代田となりにけり」(立村霜衣)

風止みて雪の重たくなりにけり」(岩崎すゑ子)

蟬落ちて蟬の重さとなりにけり」(金澤諒和)


コメント    この記事についてブログを書く
« ■方法俳句612「奥千本一樹は... | トップ | ■挿絵俳句612「駅弁の紙紐解... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

特集俳句」カテゴリの最新記事