愛媛の名産品、お土産は多いような少ないような。多いとみるのは、柑橘や魚介などのご当地物や他と比べて
レベルが高いか値段が安い、というところから導き出せるから。少ないとみるのは、観光地や土産屋でチョイス
するときに、意外と迷ってしまうから、という感じでしょうか。
ご当地物としては「じゃこ天」なるものがあります。じゃこの天ぷらであります。魚の練り物を揚げたもので、造り
自体は珍しくもなんともない、ありがたくもなさそうな代物のようですが。
じゃこと呼ばれるのは材料のほたるじゃこ、もしくは雑魚からきています。小魚を骨ごと挽いて、わらじ型もしくは
四角に成形して揚げます。愛媛県内でも流儀があり、今治エリアでは、おそらく骨を外しているのか、中身は白く
なめらかな食感、上品な風味です。本場南予は中身がグレーで、小骨感というか噛みごたえがある食感です。野
性味あふれる丸ごと食ってる感じです。
愛媛南予では非常にポピュラーな食べ物でありまして、和気入道家人んちでは、そのまま食べるのは当然で、細
く切って味噌汁やカレーの具、酢の物などに使われています。庶民のタンパク源・カルシューム源です。ちなみに
「天ぷら」と言えば、ほぼ100%の確率でじゃこ天となるそうです。
食べ方としては、店頭で揚げているものを熱々でいただくのが、まず一つ。観光スポットやイベントでブースが出
ています。2つめには、冷蔵されたものを購入、そのままいただきます。味が落ち着くといいますか、これもまた
よし。3つめにはじゃこ天をひと口大に切って、オーブントースターで熱します。それをショウガ醤油やおろし醤油
でいただきます。居酒屋などではこのスタイルで提供されることが多いと思います。4つ目はうどんの具などにも
いいですね、煮炊きすると柔らかくなって、これまた違った食感になります。
扱っているお店は非常に多いのですが、和気入道一家は愛南に赴くときによく利用しているのが、山田商店さん
であります。飲料とかお菓子を除けば、店内にじゃこ天用冷蔵ケース1つあるだけです。しかも、取り扱い品は
「じゃこ天」のみ。分かりやすい。小振りの四角、じゃこ感は満点です、子どもにも大好評です。
以前は愛媛でも「幻のじゃこ天」感がありました。和気入道の周りではここ一番の贈答や、近くにいくらでも売って
るのに、あえて宅配でお取り寄せしていたり(しかも100枚単位で)とか、買いに行ったら昼過ぎには売り切れだっ
たとか、いろんなケースを見ました。今はネットで買えるようです。時代は変わったね。