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愛知県安城市、村高の大クス(市指定、2樹)に教わる

2023-03-26 19:01:50 | パソコン相撲
私は昨年の11月12日に、三河文化財廻りでご対面して来ました。
東海道新幹線の矢作川に架かる橋の近くにあり、向こうは岡崎市です。
川の近くに堂々とドデカいのが2樹ありまして、まるで双子のような巨樹です。
だぶんここは地下水が豊富なのでしょうか、樹齢300年位だそうです。
もはや、大クスは人格めいたのを持っているかに思えました。

藪を分け入り、どんどんと近付いて根本まで行きました。
なんと大枝がタコの手足みたいに、地を這っているかの有様ではないですか。
枝分かれ枝分かれ、大枝は地にもはや根付いていて、繁茂の真っただ中です。
この生命力や動物を凌ぐでいいのではないか、動物の寿命なんて足元にも及ばず。
ああ恐れ多いや樹齢数百年の巨樹達、枝別れは計算に基づいて伸ばしているやも。
高度な連立方程式並みに、あそこに這って根付き、また右から、今度は左からと。
素晴らしいバランスの取り方である。私は巨樹のタコ足の中で唸った。
そして、ある思いが胸中を去来した。本題はここからです。

全国天然記念物の樹木廻りもしているのですが、こう思うのです。
大樹は大枝を伸ばし過ぎて幹に悪いからと、杭で支えたりします。
この木は斜めに枝を出していて塩梅が良くない、見た目も良くない、切っちゃえ。
また、このままだと枝が地に付いて、そこから枯れるだろうから、切っちゃえと。
とかく我々は、樹木の為を思って支えたりするのですが、樹木はどう思っているでしょうか。

・・・・おいおい余計な事はするな、そこはその角度で伸びるんだ・・・・
・・・・そこは支えんでええ、傾いたりはせんて、つっかえ棒をはずせって・・・・
・・・・ちょん切るなって、これからは生えてく枝が幹支えっから・・・・

なんての声が、私には聞こえそうです。
この村高の大クスの様に手付かずだと、大枝は地に根付くことでバランスを取っている。
そこから新芽が出て、どんどこと成長していき幹を支えていく。
一見、バランスが悪くなる様で、そのバランスを取るために傾いでいるのか。
この大樹は自由を謳歌している様です。翻ってみて、寺社の樹木は如何に。
手入れと言う名の人の都合で困っているやもと思う。
あの木の枝振りが良くない、この分だと地に付く、幹を痛める、支えようか。

・・・・違うって、そこから根付くんだって、その方がいいって、もうっ・・・・

樹木の世界も大変である。樹木同士での生存競争に加えて、人が絡んでくる。
それも良かれと思ってした事が、とんだ始末だったりと、ああ、樹木は語らず・・・・

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