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中国夜話 毛沢東異界漫遊記(十九話) エカテリーナ女帝の、秘策の巻

2022-03-31 17:46:17 | 小説
ロシア・ロマノフ王朝第8代、エカテリーナ2世の出番である。
この女帝は啓蒙専制君主として、歴代最長在位の34年間君臨した。
領土をロシア帝国最大に広げた、露土戦争、ポーランド分割で。
貴族の黄金時代を確立した、これは農奴制を完成させた事を意味する。

この女帝は、元はドイツ人だった、プロイセンの小貴族の娘。
縁が縁を呼び、14才の冬、荒涼たるロシアの大地に母と荷馬車で向かった。
ドイツかぶれのイワンと16才で愛のない結婚をし、その後、8年間禁欲と。
先帝の計らいで、愛人が半ば公認となり25才で長男を産む。
やがて即位した夫のイワン3世を半年で退位させるという、無血追放をやってのける。

私生活は紊乱を地でいった。女傑、色を好むである。
12人の公認愛人は別にしても、夜ごと男をかえる、300越えとか。
67才で脳梗塞で倒れるまで、夜な夜な甘美な時が流れた。
これは、王朝繁栄になった、子孫は支えた、ますますロシアは優勢にと。

この愛と美に包まれた女性は、より政治に生きた。
ロシア人以上にロシア人に成り切った、このドイツ女性……
政治という仕事、ロシア帝国に君臨する為に嫁いで来たである。

さあ、私はこの女帝にプーチン封じ込めをして頂きたい。
この物語の主人公の毛沢東は、ロシア人の事はロシア人でと、嘆願しまくりである。
悪党退治の二の矢三の矢である、毛沢東さん、頼みますぞ……


毛沢東     「エカテリーナ女帝様、お隣は中国で主席をやっとりました毛沢東です」
        「今や下界は、プーチンの起こした戦争、ウクライナ侵略で滅茶苦茶の有様」
        「私はロシアの偉人たちに、平和到来を掛け合っておりまする」
        「すでにイワン雷帝とピョートル大帝には、恐る恐る申し上げました」
エカテリーナ女帝「毛沢東や、わらは元はドイツ人やよ、ロシアの血ではないぞえ」
毛沢東     「いえいえ、もう完璧なまでのロシア人でありまする」
        「どうか、争い治めの秘策をお示しくださりませ」
エカテリーナ女帝「左様か、あのクリミヤあたりは私の時代に攻め取り領土とした」
        「オスマン帝国を数次に渡って、バルカンから追い出す一歩にな」
        「その地で、スラブ同士が争うとは、まったく嘆かわしいのう」
毛沢東     「女帝様、女性ならでのプーチンめの攻略の仕方、ありますまいか?」
エカテリーナ女帝「したらば弱みを攻めよ。その男はどこが泣き所なのだ」
毛沢東     「あいつめは政治生命を絶たれる事かと、そう存じます」
エカテリーナ女帝「それはそうじゃろうが、より本質的なのは、どこじゃ」
毛沢東     「それは男である以上、女にほとほと弱いのが男でありまする」
エカテリーナ女帝「うむ、そこを攻めよ。女は男に弱いの裏返しだぞよ」
        「わらは、女帝でありながら若い男らに夜な夜な降参したものぞ」
        「よいか、美人局を送り込み骨抜きにし篭絡させるのじゃ」
        「次から次へな、またまた次から次へとな、密攻めにせよ」
毛沢東     「あのう、私はまだ力不足で、直接に介入出来ませぬ、どうしたら」
エカテリーナ女帝「まさか、わらはが……いやいや何でもない、何でもない」
        「ああ、良いやり方があるわ、ゾフィーを使わす、それが良い」
        「きっと、見事に撃沈させるであろうに、わらに任せな」
毛沢東     「女帝様、そのゾフィーとは一体何者でありまするか?」
エカテリーナ女帝「それは教えぬ、わらは、その女の事を良くと知っておる」
        「ドイツ語、ロシア語、それとフランス語も出来る才女よ」
        「背丈はわらはくらい、いやいや、何でもないことよ」
        「目は垂れ目がちの、ふくよかな、いやいや、何でもないわ」
        「ともかく、その女を閨に送り込んでみるわ、でどうなるか」
毛沢東     「その手で行きましょう。男には女攻めですな。お願い申し上げます」
エカテリーナ女帝「ええ、ゾフィーも喜び勇んで向かう事でしょう」
        「毛沢東さん、期待あれ。こちらこそ、どうもありがとう」
毛沢東     「はっ……?」 




女帝の遺言……
……遺体には白いドレスを着せ、洗礼名を彫った黄金の王冠を頭に載せること。
  喪服を着るのは、6ヶ月を超えないこと。短い方が望ましい……

ゾフィーは、愛なしではいられない、愛に飢えてた女性だった。
ロシア正教徒となり、ロシアの為に生きた一生は燦然と輝いていた。
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中国夜話 毛沢東異界漫遊記(十八話) ピョートル大帝に、強訴の巻

2022-03-28 17:13:51 | 小説
ピョートル大帝は、ロシア・ロマノフ朝を確固たる帝国に築いた英雄である。
後進地だったロシアの近代化、ここに始まるである。ロシア帝国の父となる。
大北方戦争でスウェーデンに勝ったのち、葦の生い茂るネヴァ川河口に町を作った。
サンクト・ペテルブルグ。この300年の都はバルト海への出口として、ロシアを支えた。
そしてこの国は拡大の一途をたどる、スカンジナビア、バルト、ポーランド、バルカンへと。
歴代皇帝は続く、カフカス、中央アジア、シベリアへと侵略、征服の道を。

領土拡大は、この国の宿命なのかもしれない。
かつてのモンゴル支配の250年が終わり、このスラブ民族は目覚めたのではないか。
国とは土地だ、同族の地を広げよう、まわりを征服しよう、どこまでも、と。

ロシアは、ピョートル大帝がこの国を帝国に変えた。
彼は西欧に範を求めて、近代化を推し進めた。
使節団を250人位派遣し、その中には自身も偽名を使い、堂々と向かった。
2年に及ぶ各国の歴訪で思い知ったのである、我がロシアの未開さ、後進性を。

ここで、ピョートル大帝の言葉をのせる……
「我々に西欧が必要なのは、せいぜい、ここ数十年間のことだ」
「その後は、これに背を向けなければならない、これは手段であって目的ではない」

ロシアはロシアで行こう、と言う事か。
私はやはり、ロシアとヨーロッパは分けて考えた方がいいのではと思う。
根底が違う気がする、これはピョートル大帝が撒いた種なのか。
この国は専制国家を、まだ脱してはいない、ゆくゆくは民主国家へとなるのか。
あるいは、これがロシアの本当の体質なのか、時間では解決しないのか。
もしかして、今のプーチンは、これを是とし範としてはいないか。
この先は、物語で進めよう……


毛沢東    「お会いしとう願っておりました、中国の毛沢東と言います」
       「お国とは昔は領土の事でもめてました、今は仲良くしとります」
       「帝にお出まし頂き恐縮なれど、私は今、懸案を抱えておりまして……」
ピョートル大帝「わかっておる、下界のロシアの事だな」
毛沢東    「はっ、まさにそこでありまする。あのプーチンとやらは、何者かと」
       「一人で戦争を起こしました、ロシア皇帝のつもりなのか、まっくもって」
ピョートル大帝「わしには手に取るほどに、それは良くとわかるぞ」
       「あの男を動かしておるのは、偽ロシア貴族の血よ」
       「赤い血なのに、青い血に憧れてて、それで民を支配しようとする」
毛沢東    「青い血? 青い血とは、いかなるものでしょう……」
ピョートル大帝「わしの時代には、貴族が2割、後は農奴や、そこらや」
       「教えてやる、黎明期のスラブはな、民ごとノルマン人に支配されてた」
       「スラブの語源は、奴隷だ。辛惨を嘗め尽くして来た」  
       「搾取される側として、幾世期を生きながらえたのち、北へと逃れて行った」
       「追っての来ない極寒の地へとな、より北へとな」
       「わかるか、奴隷だった民が、自らを奴隷と名乗る心が」
毛沢東    「その、他民族から奴隷と言う言葉を、民族の名としたと……」
ピョートル大帝「また、ロシアの語源はルーシーだ、これはノルマン人の事だ」
       「われわれは、支配する側のノルマン人が羨ましかった」
       「いつか支配する側になろう、なろうなろうと、とな」
       「それでノルマンがルーシーとなり、ロシアと変わったのだ」
       「つまり支配する側、貴族になりたかったのだ、同族の中でな」
       「これが青い血だ。農奴には自分達の血は青いと言ってきた」
       「貴族はノルマン人になったつもりなのさ、同じ民なのにな」
毛沢東    「ああ、貴族に対する並々ならぬ思い、わかった様な気が致しまする」
       「あのプーチンは、自分は貴族、それどころか皇帝かと」
       「その、青い血には絶対に従えと、赤い民の血を流させています」
       「下界では、スラブ同士で争ってます、何とかなりませぬか」
       「あの男は、あなた様の真似をしておるやもしれません」
       「だとすると、とんだ時代錯誤です。どうか鉄拳をくらわしてくだされませ」
ピョートル大帝「毛沢東とやら、そんなんでは手緩すぎる、剣がいるぞ」
       「スラブの同族討ちは許さん、お前は、赤い血だと思い知らせてやる」
       「わしの青い血が、戦を終わらす。あいわかった」
毛沢東    「一刻も早くにと、切に願い奉ります。奉ります……」
       
   



青い血と、赤い血。
なぜに昔のロシア貴族は、別の血が流れていると、そう農奴に言ったのか。
青い血による支配、これもロシアを解く鍵かもしれない。
これは太古の、多民族による抑圧の名残りなのか。
ロシア専制国家は、血を分けたがるのか、同じ血なのに……
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中国夜話 毛沢東異界漫遊記(十七話) イワン雷帝に、直訴の巻

2022-03-23 20:56:02 | 小説
毛沢東は、下界の戦乱の渦に巻き込まれるのか。
天界に来てからというもの、周恩来を皮切りに、田中角栄、老子様との会見をこなした。
そして西洋の同時代指導者廻りへと、ゆるゆると輪を広げて行ったのである。
チャ―チル、スターリン、フルシチョフ、ムッソリーニ、でもってムッソリーニの愛人とな。
さて今度は、ルーズベルト、トルーマンと会見する予定だったのだが。
が、それがである。あの暴れ者の露助野郎のせいで、急に忙しくなって来たのである。
天界にて、安寧に過ごし、ゆくゆくは「素女経」の奥義を知るを楽しみにしていたのにである。
奴はプが付く、熊のプーさんなら可愛いが、今や悪名高きプーチンのせいで。

毛沢東はかく思う……
ここは、やはり中国の出番かな、でも下界の指導部では宛てにならんわい。
わしが天界から、昔のロシアの超大物達に嘆願しまくるしかあるまい。
この前は、プーチンの母君には哀願、父君には懇願したものだが、だめなり。
あのドラ息子は、手強過ぎる。よし、泣く子も黙るイワン雷帝に直訴しよう、と。


毛沢東  「おお、これはこれはイワン雷帝様、御高名は天界にも轟いておりまする」
     「私は、お隣で新中国を作った毛沢東でありまする」
     「下界では、ロシアがウクライナを侵攻と称して、実は侵食しとります」
     「これは一重に、プーチンなんぞの野望が元で大惨事となったのです」
     「もはや下界では打つ手なしの有様でありまする、天界から介入するしかないと」
     「私はプーチンの父母に働きかけましたが、埒あかずでありました」
     「こうなったら、故国ロシアの皇帝に直訴致すしかあるまいと、その次第で」
     「どうか皇帝の威厳で、あの男を何とかして平和をもたらしてくだされませ」
     「平にお願い申し上げまする、雷帝様……」
イワン雷帝「お前は中国人か、モンゴルの仲間だな、嘗ての敵ではないか」
毛沢東  「いや、こちらもチンギス・ハーンには国土を蹂躙され、孫に乗っ取られたのです」
イワン雷帝「我がロシアはキエフを落され、その後、タタールのくびきを250年くらった」
     「肌の黄色い奴らに国を滅ぼされ、貢物を差し出すはめにな」
     「キリスト教国が野蛮人に支配されたのだ、この屈辱わかるまい」
毛沢東  「同じでありまする。われら漢民族も支配されたのです、草原の狼に」
     「あの時代は野蛮ゆえに強かったのです、なまじ文化が重石となったのでは」
イワン雷帝「中国人よ、わしの祖父がモンゴルを追い払い国を作った」
     「モスクワを中心にロシアをまとめ、ヨーロッパの列強の一つにな」
     「わしは初代皇帝として、アジアの垢落としから始め出したのだ」
     「モンゴルなき後は、広大な土地が恵みの大地に見えた」
     「わしはコサックに、シベリアを領土に組み込めと命じた」
     「ヴォルガ川から東は、どこまでも取り放題に思えた。仕返しだ」
毛沢東  「あの、その取り放題が、今のロシアで起きているのです」
     「スラブの母体であるウクライナを、壊しまくっております」
     「国を牛耳ってるプーチンは皇帝気取りです。あの男の戦争です」
     「この兄弟の争い、何とかなりませぬか、雷帝様」
イワン雷帝「キエフ・ルーシーを、モスクワ・ルーシーが攻め、ベラ・ルーシーは子飼いか」
     「わしの時代には考えられん事じゃな、愚か者が。スラブの裏切り者めが」
     「あの男を成敗してくれる、わしの怖さを思い知らせてくれるわ」
毛沢東  「雷帝様、いかなる、やり方であるまするか?」
イワン雷帝「わしが息子にした様にな、血を……」
毛沢東  「……」




毛沢東は言葉を失った。何をやったかは知っている。
イワン雷帝ともなれば、夢どころか、下界に現れる力があるのだろう。
人としてか、幻としてか、はては矢としてなのか……
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中国夜話 毛沢東異界漫遊記(十六話) プーチンの父に、懇願の巻

2022-03-21 17:38:15 | 小説
プーチンの父は独ソ戦の時、地元レニングラードの共産党内務人民委員部にいた。
破壊工作部隊に所属し、300日に渡る包囲戦を打ち破るべく勇猛果敢に戦った。
弾の破片を片足に抱えたまま傷痍軍人となり、鉄道技師として働き88才で没。
戦前、17才でマリア・イワ―ノヴナと結婚、プーチンら3人をもうける。
長男は生後直ぐに、次男は包囲戦で2才で病死、そして10年たってプーチンが出生。
頑固で勤勉、筋金入りの共産党員、だが、ドイツ兵個人を憎まなかったとのこと。

これは、母にも言える。
敬虔なロシア正教徒で、とても優しくて、物腰の柔らかい品の良い女性とのこと。
……「こんな兵隊たちに、一体どんな憎しみを抱けと言うんだね?」
……「あの人たちは普通の人間で、同じように戦争で死んでいったんだよ」
……「あの人たちを、どうしようと言うんだい?」
……「あの人たちだって、私たちと同じように働いたんだよ」
……「ただ、戦線に追い立てられただけさ」
プーチンは、その言葉を今でも理解出来ないと語っている。

私は何故このような両親から、あのプーチンが生まれたのか、わからない。
こんな事があった。後年、グルジアの高齢女性が本当の親として取り上げられた。
経緯を書いた本は出版直後に発禁処分を受け、当局が大半を破棄、写真をすべて没収と。
おどろおどろなので、後は、物語で……


毛沢東   「初めまして、中国の毛沢東と言います」
      「この前は、プーチンさんのお母様にお出まし頂いて、哀願した次第です」
      「前置き抜きです、あなたの息子は、とんでもない事をやらかしましたぞ」
      「男同士、率直にいきましょう、私は両方を救いたいのです」 
      「下界の兄弟同士の戦争、いかに思いまするか?」
プーチンパパ「はい、それはもう、私もマーシャも困惑仕切って、息子は何でまた、と」
      「あの子を、こんな人間に育てた思いは、断固ありませんぞ」
      「何がこうも狂わせたのか、いくら親でもわかりませんです」
      「私の父も共産党員で、革命後のソ連に希望を持っていました」
      「政府高官の料理人で、レーニンやスターリンの別荘で働いてました」
      「それが縁で、私もスターリンの別荘に入ったこともあります」
      「我が子含めて、3代の党員です。党に忠誠を誓って生きて来ました」
      「あの息子は10代の時からKGBに憧れていました、国を守ろうと」
      「今の戦も、その一心で、ただやみくもに、突き進んでいるのかも」
      「だが、いまや正直にわかりません。ウクライナはスラブの母なのに……」
毛沢東   「これも率直に尋ねます。あのプーチンは本当にあなた方の子ですか?」
プーチンパパ「毛沢東さん、まず先にレニングラード包囲戦の話をさせてください」
      「ドイツ軍は町全部を900日に渡って封鎖し、皆殺しにしようとしたのですぞ」
      「これは、まさに兵糧攻め、消耗戦です。食うのがないのです、100万が餓死」
      「牛や豚はあっという間に、それで今度は農耕馬が食われました」
      「次は犬猫ですわ、人が敵だとわかると狂ったように吠え、鳴きますぞ」
      「やがて街中には、動物の鳴き声がしなくなりました」
      「それから先はですな、子供達が……ああ、振り返りたくはないですわ」
      「人は一線を越えると、狼の目になるのですぞ。まさに、食うか食われるかです」
      「私の妻のマーシャは死にかけて、担架で運ばれかけました」
      「寸での所で、私が家に帰還が許されて、そこでばったりです」
      「松葉杖で向かって行き、運よく救い出しました」
      「あと少し遅ければ、火葬場行きでしたわ。あの時は……」
毛沢東   「大変な経緯があるのですな、まったくもって戦争は酷い」
      「これは、わかってほしいのですが、あなたに鉾先を向けたくもなるのです」
プーチンパパ「毛沢東さん、戦後はどうなってたと思いますか、そう、孤児の山ですよ」
      「親は子を亡くし、子は親を亡くしで、お互いが求めあったのです」
      「言わずもがなの事が、ほうぼうで起きました、それが人です」
      「私は傷痍軍人、妻は衰弱仕切ってた。子は42年にジフテリアで死にました」
      「大祖国戦争勝利から7年後、我々が41の時……」
      「妻が12年振りに……。それがプーチン……」
毛沢東   「……産まれたのですね、はい、良くわかりましたです」
      「一粒種として育て上げたのですね。途中までは、実に良かった、途中までは」
      「あのですな、お願いの儀が、お母様にも頼んだんですが」
      「親として、どうか、そう祟ってまでも、ご子息を何とかしてくだされ」
      「両国民には、これから先、計り知れない重石が加わりまする」
      「どうか兄弟同士、仲良く安寧でいてくだされ。諭してくだされ」
プーチンパパ「私も妻も、ドイツ兵そのものを憎んだ事はない」
      「たまたま、同じ時代に、同じ所で、敵として向かい合ったのですな」
      「今のロシアとウクライナもそうです、個人を恨んではなりません」
      「時の指導者が悪いのですな、それが、よりによって我が息子とは、とほほ……」
      「わかりましたです。我が息子に親殺しの夢を毎日見せます」
      「スラブ民族にとって、ウクライナ、そうキエフ・ルーシーが母だと」
      「お前は母を殺す気かってね、毎夜唸らせてやるわい」
毛沢東   「ご子息が尋常になるまで、よろしくお願い申し上げまする」
      「もはや下界の誰もが止められませぬ、ご両親頼みです」
      「どうか切に切に、願いまする……」




下界と天界は、夢で繋がってはいないか。
毛沢東は思った。それでも、まだ止められないとすると、今度は誰に頼もうか。
うん、イワン雷帝、ピョートル大帝、エカテリーナ女帝、ひいてはチンギス・ハーンか。
恩返しの、下界への「仲裁」の様な介入は続く……
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プーチン問題、パート2

2022-03-19 08:37:00 | パソコン相撲
プーチンの人物像を探るにあたって、実に興味深い噂話がある。
ロシア当局がもみ消しに動いた位だから、信憑性が高いのでは。
出生に秘密を抱えているのか、何か隠そうとしているのか、嘘から始まっているのか。
あのプーチンの冷酷さを解くカギのようなのもが、あるのかも。
社会に対する怨みが根底にあるとすると、尋常ならざる帰結に行く着くのか。
現在進行中のウクライナ侵攻、これは愛と憎しみのなせる蛮行だろう。
ロシアからすれば、母なるウクライナが再婚し、手元からどこか遠くへ消えてくような。
もしかしての話であるが、プーチンは幼少期の原体験に、これに似た……

いやいや、これは想像の域を出ない。
それは、これからの毛沢東とプーチンパパの、あくまでも「物語」に託そう。
過去の歴史は、今の問題を解決させる糸口を与えてくれると思う。
今や、八方塞がりの現状も、いずれは歴史の1ページとなる。
私の思いでは、スラブ民族の栄枯崇拝にも見える。
キエフが母で、デカく成りすぎた長男ロシアが、弟のベラルーシを手懐けた。
親戚だった、ポーランド、チェコ、スロバキアなどは西側に行ってしまった。
今度は、よりによって母までも西側に行こうとする、見捨てる気か許さんぞ、と。

ここで、はっきり言う、ロシアは大きく成り過ぎたのである。
嘗てのモンゴル帝国が消え去り、タタールのくびきがなくなると、東を目指した。
ウラジオストク(東方を治めよ)、まさにこれである。ここに不凍港を得た。
そんなデカ長男が、母を母とも思わざる戦、これが今だ。本当に悲しい。
プーチンは、ロシアの宿命を一身に背負っているのではないか、と思える。
歴史がプーチンを生み、そしてどう裁くか、これは後の世が決めるである。

大丈夫、ウクライナのゼレンスキー大統領の明るさと善良さに救いがある。
まるで、善が付いてるスキーである。正当は不当に勝つのである。当然だ。
怪僧ラスプーチンまがいの、あの男は誤算した、代償は大き過ぎるだろう。

さあ、私は物語を進めよう、今度は天界のプーチンの父に尽力願おう……
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中国夜話 毛沢東異界漫遊記(十五話) プーチンの母に、哀願の巻

2022-03-16 12:35:41 | 小説
天界からは、下界の様子は、ありのままに実に良く見える。
ロシアの起こしたウクライナ軍事侵攻、いや侵略のドンパチは、ここ天界にも響きよる。
この物語の主人公の毛沢東も、大いに憂いておる。何とかならないものかと。
まだまだ、霊力が充分ではない為、直接には関与出来ないでおる。
ここは、かつてのワンマンの血が騒ぐ、だが、力不足成り、いい手はありやなしや。
うん、下界のプーチンとやらに関与するのではなくて、天界の母御に頼もうではないか。
一念発起、私が天界から「仲裁」に乗り出そう、と……


毛沢東   「これはこれは、お出まし頂いて、どうもありがとうございます」
      「まず始めに自己紹介させてください。私は中国人です。毛沢東と言います」
      「肌が黄色でも、日本人ではありません。かつての大戦では仲間でした」
      「お国がドイツを負かしてくれました、中国は苦戦しましたが、我らが勝利へと」
      「その後、私は新中国を建国致しました。ソ連を見習い国を作ったのです」
      「お国のスターリン閣下には、一度、モスクワでお会い致しました」
      「非情に怖ろしい方でしたな、別荘でのご馳走が喉を通りませんでしたわ」
      「実は、折り入って、お願い致したき事があるのです」
プーチンママ「はっ、東洋の中国のそんなお偉い方が、私めに何でまた……」
毛沢東   「大いに訳があるのです。下界を揺るがしている戦のことで」
      「あのう、真に言いづらい事なれど、あなたの息子さんの大暴れで悲惨な事に」
プーチンママ「ええ、ウクライナ侵攻は、目に余ります。兄弟国同士が、本当に悪夢です」
      「これは母としては、我が息子の言い分も聞かねばなりません」
      「きっと、止むに止むれぬ思いから、こんな決断に至ったのだと」
      「私だけが知っているウラジーミルは、でも、語っていいものか……」
毛沢東   「母御様、あなたの息子は、今や誰の言う事も聞きません」
      「あなた様だけが、唯一の、そして最後の切り札と思われるのです」
      「私からの、お願いの儀とは、ご子息を悪夢から目覚めさせてほしい」
      「とんでもない悪夢の中に居るのであれば、夢枕に現れて救ってほしいのです」
      「救えるのは、最早あなただけなのですよ、ヨーロッパが救われるのです」
プーチンママ「その、悪夢が悪いのであって、息子は流れているだけだとすると」
      「本当でそれだけだとすると、私は、あの子を解いてあげねばです」
毛沢東   「是非に是非にと、私からお願い申し上げます」
      「私は当時、ソ連あっての私でした、先輩共産国をしたっておりました」
      「イデオロギーはソ連からです。それで国をまとめる事が出来ました」
      「今、下界ではウクライナばかりか、ロシアも窮地に立たされてます」
      「引いては、ヨーロッパのみならず、全世界が無になりかねません」
      「御母堂様、どうか息子の夢に現れて、教え諭してはくれませぬか」
      「この通りで御座います。御母堂様……」
プーチンママ「おっしゃる事は、良くとわかりましたわ。何とかしましょう」
      「息子を救えば、すべてが救われるのですね。やってみます」
      「毎夜毎夜、夢枕に立ちますわ。それどころが、化けて出ますわ」
      「長男を生後すぐ、次男を包囲戦で2才で失って12年振りに出来た子」
      「私が41才の時にやっと手にした子ですもの、可愛くて仕様がありません」
      「あのう、毛沢東さん、私からもお願いがあるのですが」
      「どうか、秘めて置いて欲しい事は、そっとしておいてくださいますか?」
毛沢東   「わかっております。ご子息はレニングラードの申し子ですな」
      「飢餓地獄を耐え抜いた、そのあなたが立派に育て上げたのですぞ」
      「あなたが救ったのです、また、救ってくだされ、どうか」
プーチンママ「ウラジーミルが5才の時の、物憂げな目が忘れられません」
      「さっそく、今夜から夢に出ますわ、やりますわ……」



毛沢東は、下界に恩返しをしようと思ったのである。
それに、やはりロシアが大いに気になるのである。スターリンしかり。
プーチンの天界の母に諫めてもらうとは、これも「仲裁」である。
後々は、自身自らで、下界に介入の出来る運びとなりますかな。
それは、天界での修行によりまする。

ああ、母御の言ってた秘密とは、まあ、今は触れません……
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プーチン問題

2022-03-08 23:33:51 | パソコン相撲
ロシアによるウクライナ侵略だが、これは、一個人、プーチンそのものが問題である。
国防相、軍参謀総長、連邦保安庁長官、みんな唯々諾々で操り人形になっている。
対外情報局長官に至っては、会議の場で今のロシアを如実に伝えてくれた。
ウクライナに最後のチャンスをと恐る恐る言ったとたん、無下に恫喝と。
ラブロフ外相とは、示し合わせた二人猿芝居をテレビで流す始末。
この時代錯誤の新皇帝は、ソ連時代の赤い皇帝を目指しているのか。
ベルリンの壁崩壊、東独消滅、ソ連邦解体、それらKGB時代のトラウマゆえか。
彼の理想は、第二次世界大戦後の、ワルシャワ条約機構の線引きまで戻したいのでは。
これはロシア、ロシア人民の為ではなく、嘗ての栄光に自分自身が戻りたいだけか。
形作って来た専制国家が大事なのであって、民はそれに従えというのか。
これは裏を返せば、民が怖いのである。民主化が怖いのである。
クーデター。だが軍の反逆は、KGBの後継の連邦保安庁が睨みを利かせている。
では韓国みたいに、ボディーガードによる一撃はどうか。ないとは言い切れまい。
ロシア人は悪くない、ウクライナ人とは血を分けた兄弟である。
軍隊は従っているだけ、ロシア国防相の狼狽は、テレビでまざまざと流れた。
彼、彼はもはや悪である。ヨーロッパのみならず、世界の悪である。
ただ、これは真理として言える、悪は勢いはあっても、いずれ善に負ける、と。

ここで視点を代える。
プーチンを知るには、故郷のレニングラードの大戦の歴史を紐解かねばと思う。
独ソ戦、ロシアで言うところの大祖国戦争で徹底した大包囲作戦を喰らった。
ドイツは全ての物資が入ってこれないようにし、250万を飢餓に追い込みかけた。
それでロシアは、冬の間は湖が凍るのを待って、命懸けのトラック輸送を続けた。
細々としたそんなんで、到底賄いきれない、2、5人に1人、100万が餓死した。
プーチンの兄は、飢餓状態のなかジフテリアで2才で死に、母は餓死の死線をさ迷った。
ドイツの後退で母は救われた。父は傷痍軍人になっていた。
そんな父母から、1952年10月7日、レニングラードで生を受ける。
独ソ戦の焦土を、まるでそこに居たかのように、胸に刻んだのではないか。
飢餓地獄を生き抜いた母の子である。辛抱強いどころではない。闇の口を知っているのでは。
彼は思ったのでは、国が強くなければ侵略される、植民化される。
まずは自国の領土拡張、スラブ民族の団結、衛星国との軍事同盟の教化を。

プーチン時代は、いずれ必ず終わる。
今年で70才になる、憲法改悪で2036年まで君臨を狙ってもだ。
後5年やそこらで、実務能力は落ちる、カリスマ性も徐々に消えてく。
後継者はいるのか、この男の時代が長すぎた故に、ロシアの弱体化が進む。
プーチンと言う不の遺産の精算を、国民は背負わなければなるまい。
ロシアよ、何処へ向かうのか。歴史に答えがあるのか、歴史を壊すのか。

プーチンは内戦の延長とは、思ってやしないか。
同じ民族だと言うが、だが歴史が違ってくると国民感情が別に作られていく。
歴史をたどれば、ゲルマン、ラテンに近ければ宗教も違えば、混血も進んでいる。
ロシアはどうだ、モンゴル、タタール、コーカサス、トルコ系の血が入っている。
いくらキエフ・ルーシが母体のスラブ民族にせよ、もはやウクライナは別である。
兄弟民族だと言うのは、その通りだ。血肉を分けた兄弟だからこその、愛憎の戦争。
ロシアからすると、脇腹にあたるウクライナが敵側についたら、王手も同然だろう。
兄弟よ、お前は裏切る気か、この西側かぶれが、恥を知れ、と。
大祖国戦争ではドイツから解放してやったではないか、ベルリンまで戦ったではないか。
ロシアは一つ、ロシア民族は偉大なり、世界に冠たる領土、共にウラ―だ、と。

もはや、誰もプーチンを止める事が出来ないのか。
今や世界は、途方もない難題に直面している。神よ、神に縋るしかないのか。
私には、一人思い浮かぶ。彼の母である。ここから先は物語となる。
レニングラードの飢餓を生き抜いた、あの母に、夢枕に出て来てもらおう。
そう、その手がある。いさめ諭し、人の心を思い出すようにと。
あの男だって、途中で何かが狂っただけなのかも。


すべてこの世は紙一重、物語へと続く……
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