明日香の細い道を尋ねて

生きて行くと言うことは考える事である。何をして何を食べて何に笑い何を求めるか、全ては考える事から始まるのだ。

ショーンKの経歴詐称叩きは、今のネットの流行りか?

2016-03-20 20:30:29 | ニュース
今年の一連のタブロイド・ネタには、ある特徴があると思う。思い返してみても、甘利元大臣・SMAP・ベッキー・桂三枝・狩野英孝・清原・宮崎元議員・そしてショーンKである。皆んな個人的には成功者であり、一般市民に比べたら華やかな世界にいる人たちである。その人が過ちを犯して転落していく。もちろん転落そのものがテーマでは無いが、その人間模様の裏には必ず栄光からの転落というドラマが大衆の興味を引く。

ショーンKの人となりをサラッとテレビで見た限りでは、本能的にウソで自分を飾ることで生きて来た「生来の嘘つき」と見た。病気の部類に入るかどうかはわからないが、強迫的な観念からウソをつかず自分を素直に出すことが出来ない人なのだろうと思う。ウソで身を固めていないと不安になる、やはり病気かも。

話はショーンKではなく、人々の嗜好が成功者の転落という「負のイメージ」に集中している事である。昔から同じようなパターンはあったが、逆のパターンつまり貧乏な何も誇るものの無い弱者が何とかして成り上がってゆく「正のイメージ」の方に大衆の好みは集中していたように思う。古くは太閤秀吉、幕末は坂本龍馬、昭和の田中角栄、みんな学歴もなく裕福でも無い人達だが、持ち前の能力をら発揮してTOPまで登り詰めていったヒーローである。まだ大衆のエネルギーが自分でもTOPに行けるんだと夢を描ける社会だった。そういう意味では、自由が日本中に転がっている時代であり、人間に出自の差が無い貧乏な国だったとも言える。

国会議員の二世三世が問題になったのは記憶に新しいが、財界人や芸能人にも二世三世の時代が来ている。幕末にガラガラポンが起きて明治政府が出来、昭和の敗戦で日本がひっくり返ってそろそろ71年、大学を出て年収300万円ソコソコの人達は、永久に上には行けない閉塞した環境の中に日々悶々と暮らしている。そして、上には行けないではなく「上を無視する」方向へと流れていく。貧乏だけど頑張るのではなく、貧乏だけど「自分の好きな事に熱中する」生活を志向している。乗り鉄や歴女は、そんな「生活レベルを競わない社会」に適応した新しい生き方である。そんな人達から見たニュースの登場人物は、ただの話題、ただの暇つぶしでしかない。

人生の有り様が大きく変わろうとしている時代、またガラガラポンが起きてくるのも歴史の面白いところかもしれない。

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