ニュースを調べると、こないだようやく国会で相続登記改正法が通ったらしい。この空き家問題は、以前から「どうにかして」と言われていた事である。なぜ空き家が問題になるのかと言うと、不動産の登記を「名義者が死亡しても」書き換えなくていい、となっているからなのだ。不動産登記を書き換え料や相続税の対象から逃れるために名義を書き換えない人が続出するから、名義が江戸時代のままなんてことがザラに起きてくる。この問題についてはずっと前から分かっていたのに直さなかったのは政府の不作為だと言われてもしょうがないだろう。不動産に関しては、住居と財産所有権の考え方を明確に区別して、この際スッキリさせるべきである。
今回法整備された相続登記法がどんなものかは良くは知らないが、私としては抜本的解決策を提案したい。考え方としてはまず、土地は住居用と商売用と趣味用の三つに分け、それぞれ税制を分けて有効活用する。
a. 商売をしている土地は「財産ではなく資産」と考える。
商売用はその土地を利用する「営業主体」が登記して税金を払う。例えば農地のように個人が所有して商売をしている場合も、個人は新たに「会社」を登録して、その会社が資産として保有し、利益の中から税金を払う事にする。個人はその場合は「社員として給料を貰う」事になる。この場合は土地は個人の財産から「全て会社財産に登記し直す」ことになるが、費用は免除するといいだろう。
b. 人が居住のために所有している土地は住宅用として考え、財産ではなく居住環境の一部と捉えるのがいい。つまり今まで財産と一括りに言っていた土地を、「資産=利益を生むもの」と「環境=生活のために必要なもの」と「趣味=個人の楽しみに供されるもの」という3つに分けるのが正しいと思う。例えば環境=生活に使うのだから、利益云々の考えは除外して税制も軽くするなど、色々変化をつけると良い。
c. 趣味として保有する土地とはどんなものかというと、林業とか山菜・きのこなどの栽培等に使用してない「資産ではない」山林その他の土地を指す。これらは管理費のかかる場合を考慮して、本来は国に返還すべきだと思う。野鳥保護などの目的で自然保護を考えるのであれば、しっかりと定期的な管理活動を行うこと。また広大な庭などを所有している場合は、公共の財産として寄付するのがいいと思う。中に喫茶店とかレストランなどを作って、市民の憩いの場に供するのがいい。要は、資産として利益を得るもの以外は全部「国に返す」のが良いのだ。土地は国民皆んなのもので、個人で所有するものではないと思う。だから死んだら国に返そう。
以上。土地は今までは個人の財産として絵画や骨董品や車などと同じに考えられていたが、この際ハッキリと利用目的を明示し、個人のものは「生活と商売に必要なものだけ」にして、その他は皆んな国に返すのが良いと思う。
2、登記
日本全土を精密に区分けしてそれぞれ登記を確認し、それから上記3つに分類する。そして現在の登記を新しい分類法に従って「登記しなおす」と、国が管理しやすくなる。登記名義者は新しい税制に従って納税することが求められる。名義を書き換えると新たに登記料が発生するが、この手数料惜しさに放ったらかしにしていて現在のような所有者不明の土地がいっぱい出来てしまった。土地が国の管理すべき物と考えれば、手数料を払わせるのは逆効果である。登記名義人には毎年1回所定の手続きを行わせて、常に連絡が取れる状態にしておく事。固定資産税などの徴収は「何円」でもいいので必ず払わせる事。所在確認にもなる。
3、所有者不明の土地・家屋
一定時間が経過しても所有者が見つからない場合は、有無を言わさず即刻国庫に返納する。国は適切に整備して不動産として売れれば良し、売れなければ「社会に迷惑にならないように管理する」義務を負う。これには費用がかかるが、こうした整備費用を捻出するために、新たに「不動産管理税」を導入する。世間に言うところのゴミ屋敷問題は所有者不明とはちょっと違うが、根本はゴミの廃棄費用がネックになっていると私は見た。そのためには、毎年費用を積み立てておき、最終的に壊したり立て直したりする場合に備えるのである。勿論売却する時には所有者の費用として使えるから無駄にはならない。考え方としては「自動車保険」みたいなものである。家が壊れたら「保険で直す」のが当たり前だが、ゴミ屋敷になった場合でも「保険から支払う」事でスムーズに廃棄・更地に出来る。これはある意味で「維持費」と考えてもいい。とにかく、何かあった時には所有者に負担がかかるのではなく、「保険で何でも賄う」と言うのが楽である。当然、土地・家屋を所有している人は全員加入する(車の免許と同じ)。なお、ゴミ屋敷問題は市町村の強制執行で処理するのが妥当だろう。憲法で保障されている個人の財産権より、公共の福祉・健康の方が優先するのは当たり前だ。ゴミ屋敷の隣の家は、ゴミ屋敷の存在で「不動産価値が大幅に減ってしまっている」という事実を忘れてはならない。今回不動産に対する考え方を上記のように改めれば、費用は保険で出るので「どんどん整理が進む」だろう。ゴミ屋敷よ、さようなら!、である。
4、相続
個人で所有している土地・家屋は、所有者が死亡した場合現在は遺産として相続されるが、これからは全て国庫に返納するのが良いと思う。これは以前から私が主張している「個人財産一代限り法」という新法だが、もう財産を「民族や部族や家で所有」し続ける時代ではない。財産は全て、「所有者個人」一代限りのものというのが現代には適している。これは共産主義・全体主義と資本主義・個人主義の MIX から生まれた「理想の形態」と私は思っている。この考え方を既定のものと法律で制定すれば、あらゆる問題が解決することを約束しよう。但し、親の財産目当てに楽して生きようという「お坊ちゃん」気質の若者には不評だろうけど、それが公平・平等の精神だと私は思っている。
この新法については、詳しくは過去ブログを読んでもらいたいが、一番困難な「社会保障費用」などは全部、一発で賄えるんじゃないかな、知らんけど・・・(関西ギャグでした!)。
以上です。
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