会の活動の歴史 1995年 県民運動情報誌「ネットワーク」に掲載
県民運動情報誌「ネットワーク」とは兵庫県「各地域でさまざまな県民運動に取り組むグループリーダー、地域団体と行政のネットワークの形成、情報交換等を行い、県民運動実践活動団体や個人の相互の交流の促進、連携意識の醸成を図るため」(ホームぺージより)に作られた県民運動情報誌です。
1995年に「ネットワーク」に活動の様子が掲載されました。任意団体としてまだ出発間もないころの活動の様子が紹介されています。
調査活動の様子を担当者が取材に来られ、記事になりました。
第三者からみた会の活動の様子が詳細に記録されました。阪神淡路大震災後すぐの調査ということで、気合の入った調査になりました。
その時の冊子の表紙
掲載記事
(内容)
さわやかな県土づくり 自然のそ生をめざして環境調査
「宝塚市内にある安倉上池で、 二月十九日、「野生生物を調査研究する会」(代表/今西将行さん事務所/宝塚市)のメ ンバーによる植物の植生状況の調査が始 まりました。
同会は、①調査する②自然にやさしい 開発への研究と自然環境保全へのそ生を行う③調査を基に写真集等を作成し、 広 く一般の人に情報を提供する④環境教育 用メディア等の開発と作成を行う⑤人づくりへのな考え方をもとに、いろんな活動を行っています。
調査のねらいは、さまざまな野生生物の生態にふれることによって、ただ眺めるだけでは見えない自然の姿を探ることです。
今回は兵庫県南部地震の影響により破壊された自然環境の状況を把握し、本来の自然環境へのそ生に役立てよぅと、調査を始めました。小さなほこらのある森には、地震の影響で、大きな地割れが起き、木や鳥居も、沈みこんだ表土と一緒に傾いていました。
植生の調査は、地面に置いた巻き尺に 沿って行います。普通ならば図鑑を片手に進める調査も、専門的な知識を持った会のメンバーの手にかかると一目見ただけで ほとんどが分類できてしまいます。ヒマラヤスギ、ナナメノキ、クロガネモチ、ハゼ、ヤマザクラ、カンサイタンポポ、シュロ…ただ歩いただけでは見えない'、いろいろな植物が息づいていることが分かりました。
「あの植物はなんですか」 「ハゼですね」「あの木にとまっている鳥はホオジロですか」「そうですね」などど、 植物に詳しい人は植物のことを、鳥に詳しい人は鳥のことをお互いに教えあいながら進んでいきます。写真撮影と同時に散策を楽しみながら作業は順調に進みます。
植生調査に引き続き、今後は植物の四季での移り変わりや鳥などの動物、池の中の水生生物、水質や地質などの調査を行い、 池とその周辺の自然の情報を整理することとしています。地割れの部分を合わせて見ることによって、 地震の前の姿を知ることができるはずです。
会代表の今西さんは、「地震によって 大きく変わってしまった環境をもとどおりにするのか、改修するのか…私たちは この池を、こうして下さいというのではありません。最終的には、この自然環境のもっとも近くにいる、 この地域に住む人や行政が判断すべきだと思います。私たちは、自然環境の状況を調査、研究し、 自然環境の姿をとりまとめ、判断に役立つ資料づくりをしていきたいと考えています。行政がいろんな制約を受けてできないことを私たちがやって住民と行政の橋渡しができたらと思います」と話されていました。
斜面を滑り落ちそうになったり、木や草をかきわけて行う調査は大変です。長靴は土まみれ、服には草の切れ端がいっぱい着きます。
「大変な作業。でも、会のみんなでフィ— ルドに出て、自然を感じるのが大好きだから続けられる」「夏になったら、夜ここへ来て夜行性の動物も調査したいなあ」というこの言葉が調査に携わっている皆さんの自然を愛する心のすべてを語つていました。
これまでにも会ではいろんな場所の調査、研究を行ってきました。
今後はそれらの情報やネットワークを生かしてデ—タパンクを作ったり、環境教育の場の提供や講師の派遣などもやっていきたいとのことです。」
この調査結果を「生きている武庫川資料集」に掲載しています。(上記画像)