野生生物を調査研究する会活動記録

特定非営利活動法人 野生生物を調査研究する会の会員による活動記録です。

冬鳥

2018-11-17 | フィールドガイド--野鳥--
冬鳥が目立つようになってきた

ジョウビタキ(ツグミ科)
冬鳥:全長約l4cm.
10月ぐらいから日本に来ます。
平地の林や農耕地、川原など開けた場所で見られます。
冬場は単独で行動し、近くに別のジョウビタキが来ると追い出します。
えさは地上の虫や小さな木の実を食べます。
家庭菜園の土を掘り返しておくとその中の虫を食べに近くにとまることがあります。
オスは腹側のオレンジと頭の上の灰色が目立ちますが、メスは全体が茶褐色の地味な色をしています。
どちらも翼に向い斑があるのが特徴です。
杭やアンテナなどの目立つところでピッ、ピッ、ピッと大きな声で鳴きます。(生きている武庫川より)
シ口八ラ(ツグミ科)
冬鳥:全長約25cm・平地から山地の林、公園の林などで見られます。
ツグミよりも暗い林の巾で枯葉の下を探して、ミミズや昆虫類をとって食べています。
人が近づくと大きな声でチャチヤチャチャチャと鳴きながら逃げていきます。
飛んだときには外側尾羽の白い部分が目立ちます。(生きている武庫川より)
 
 
ルリビタキ(ヒタキ科)
冬鳥(漂鳥):全長約14cm・本州中部以北の亜高山帯の林で繁殖し、冬になると平地から山地の林や公園の林などに渡ってきます。
冬は樹上や地面で昆虫や木の実などをとって食べます。
警戒の時にはヒッヒッとジョウビタキに似た声で鳴きます。 兵庫RD:C(生きている武庫川より)

カモの渡り

2018-11-09 | フィールドガイド--野鳥--

カモの渡り
カモはカルガモやマガモ、オシドリをはじめ、日本で繁殖しているものもいますが、多くがシベリアなどで繁殖をし、雪や氷を避け秋から日本に越冬のために渡ってきます。
その時期は種によって多少違っているようですが、この近辺では早いもので9月の下旬から見られるようになり、10月中にはどこでも見られるようになります。
 カモは冬の間中同じところにとどまるものもいますが、北から順に休憩場所として水辺を頼って南に向うものもいます。
そういう移動途中の群れのピークは、観察していると11月に見られるようです。
この時期にはいつもは見られないところで見られたり、また常に見られるような種とは違った種が見られることがあったりします。
 冬の間日本で過ごした後、翌年の2月ごろから北に向かう移動が始まります。このときも普通よりも数や種類が増えることがあります。
この近辺では4月に入って数の減少が目立ちだし、4月中にはほとんどの場所でいなくなります。
そしてシベリアなどで繁殖をし、夏が終わるとまた日本に来るというような一年のサイクルです。
 日本に来るカモの仲間は大きく分けて、ツクシガモの仲間、主に水辺で植物を食べるマガモなどの淡水ガモの仲間、海などに多く、潜って魚や貝などを食べる海ガモの仲間に分かれます。
ツクシガモの仲間のツクシガモは主に九州で多く、近畿では数少ないカモです。
海ガモの仲間の多くは海や大きな湖沼などに多いので、近辺で見られるカモのほとんどは淡水ガモで、海ガモではキンクロハジロなどのハジロガモの仲間が見られます。
よく見られる種類の数としては淡水ガモの仲間で9種、ハジロガモの仲間で3種、海ガモの-種でアイサの仲間であるミコアイサの一種です。
一度に見ることは難しいですが、合わせて14種類が近辺でよく見られるカモの仲間だと思います。


カルガモ

2018-10-25 | フィールドガイド--野鳥--

カルガモ (ガンカモ科)
全長60cm。カモのなかまはオスとメスとでは姿がちがうが、カルガモは同じすがたをしている。くちばしは黒く、先端部は黄色。
日本全国で繁殖して冬ごしし、池や川にすむ。
水草や草の実を食べる。
6~7月ごろにひなをつれて歩くすがたがニュースになる。
「グェッ、グェッ」とにごった声で鳴く。
これは、池ではなく川、 20羽ぐらいが秋の夕方に集まっていた。


モズ

2018-10-21 | フィールドガイド--野鳥--

モズ(スズメ目モズ科モズ属)

日本だけでなく東アジア各地に広く分布している。

稲刈りが終わったころ、キーィキーィと甲高く鳴く鳥の声
高鳴きは、テリトリーの宣言。
モズは色々な鳥の鳴きまねができることから、漢字で「百の舌を持つ鳥」、「百舌鳥」となったという。

全長は約20cmとスズメぐらいの大きさ
タカのように鋭い鉤(かぎ)状のクチバシでモズだとわかる。
そのくちばしからわかるように、モズは肉食性。

モズは捕えた獲物をその場で食べないで、木の棘などに突きさしておく習性がある。
「もずのはやにえ」といい、秋から初冬にかけてみられる。
なぜするかは、いろいろと説があるらしい

「(1)備蓄説
 餌が多いときに蓄える。
(2)食べ残しを一時的に保存しておくという説
 食べ残しとさしてとっておく。

(3)殺戮の本能によるという説
 本能的にとらえたものを刺す行動。

(4)嘴のわりに肢が弱いので串ざしにしておいてからむしり食うという説
 さして、食べにくい獲物を食べやすくする。しかし、ミミズやアオムシのようなものまで串ざしにするので疑問が残る。

(5)単なる本能という見方
 食べた後が記録されているが、刺したモズが食べたのか確認できていない。
(参考;神戸の自然シリーズ5・6 神戸の野鳥/神戸の野鳥観察記)

大阪府の鳥はモズ
大阪の「百舌鳥」の地名の由来をみると
仁徳天皇が河内石津原に古墳の造営工事を行っていた。
ある時、シカが走り出てきて人に襲い掛かりそうになった。しかし、そのときシカが突然倒れこんだ。
倒れたシカをよく調べていると、シカの耳の中から一羽の百舌鳥が飛び立っていった。
モズが人に危害が及ばない様に、モズがの耳を食いやぶり、人を救ったのだ。
それで、モズの働きと勇気をたたえ、この地を百舌鳥耳原(もずみみはら)と呼ぶようになった。(堺市の百舌鳥町の由来)
堺市もモズが市の鳥となっている。


ノビタキ

2018-10-18 | フィールドガイド--野鳥--

先日の猪名川の観察会で旅鳥が立ち寄る場所での撮影

ノビタキ
撮影 猪名川 
分類 スズメ目ツグミ科
区分 旅鳥(近畿の一部で繁殖)
全長 約13cm
鳴き声  「ヒュルヒヨーヒー」
生息地 農耕地・川原・草地など
 近畿では旅鳥として渡りの通過途中のものが見られ、秋に畑の杭やセイタカアワダチソウなどの草の上に止まっているのがよく見られます。
 杭などの先から飛び立って虫を空中で捕まえたり、地面に下りて虫などを捕まえたりします。近くに何羽も見られることがあります。


猪名川野鳥

2018-10-10 | フィールドガイド--野鳥--

ジョウビタキ(ツグミ科)
全長は、約14cmで、地上では、両足をそろえて、はねるように歩きます。昆虫や木の実を食べます。翼には白斑があり、下面及び腰、尾は赤褐色で、全休に赤っぽさが目立ちます。雑木林や里山など、明るく開けた場所に生息します。冬鳥

ツグミ(ツグミ科)
全長は、約24cmで、上面は暗褐色、翼は栗色です。目の上に白色のすじがあります。河川敷や公園など明るいところを好みます。 4月末の渡去前には大きな声で美しい声でさえずりますが、それまでは目をつぐんだようにクイッ、クイッと鳴きます。冬鳥

キジ(キジ科)
全長は、オスは約80cm、メスは約60cmです。オスは、顔が赤く、首から腹 にかけて緑色で、鮮やかですが、メスは全休が茶色で、目立ちません。どちらも長い尾をもっています。山林や河川敷で見られます。オスはケーッ、ケーッと大きな声で鳴きます。挑太郎の話にも出てくる日本の国鳥です。留鳥


キジも鳴かずばうたれまい
 昔、吹田の垂水(たるみ)あたりにまだ海の水が打ち寄せていた頃、島(洲)を結ぶ橋は大水などですぐに流されました。人々が神様にお願いしたところ、「人を埋めて橋柱として、橋を架ければよい。」とお告げがありました。朝廷に申し上げて人柱を立てることになりましたが、誰にするか困っていました。
 通りかかったある人が、「袴(はかま)につぎがあたっている者を捕らえて人柱にすれば、成功します。」といいました。ところが、その人がはいている袴につぎがあたっていたので、人々は、すぐその人を捕らえて人柱にしました。橋は立派に完成して、もう流されませんでした。人々は心から感謝しました。
 人柱になったその人は、垂水の長者でした。長者には美しい娘さんかおり、河内の禁野(きんや)というところにお嫁にいきましたが、誰とも口をききませんでした。
おこった夫は実家へ返すことになりました。垂水あたりまで来ると、葦(あし)の繁みからキジが大きな声で「ケッ、ケーッ」と鳴きました。弓矢でそのキジを射た夫に対して、お嫁さんは思わず目を開いて、
 「ものいわじ父は長柄(ながら)の人柱 なかずば雉(きじ)もうたれざらまし」
と和歌を詠みました。夫は口をきかなかったわけを理解し、お嫁さんを許し河内へつれて帰って幸せに暮らしたそうです。
 (日本の民話:大阪編より)

 

 

 


ムクドリ

2018-10-05 | フィールドガイド--野鳥--

ムクドリ

秋から冬にかけて街路樹にねぐらをかまえる。
JR川西池田から阪急川西能勢口にかけての街路樹がそうだ
よく見るとスズメもあつまっている街路樹もある。
「キュルキュル」「ジャージャー」などといろいろな声の騒音も半端じゃない。
11月ごろには見られなくなるみたいだが、今が一番うるさい時期。


駅前に集まるのは人里の里山の樹林地や屋敷林などのねぐらがなくなったから
宅地開発がその原因のひとつ。
昼間は鳴き声が気にならないのは分散して郊外の田んぼや公園など緑と水がある場所で餌を採りにいっているからで、夕方になると街路樹に戻って来ます。
現在では糞害や騒音被害をもたらしたりする害鳥として扱われ、駆除の対象になっている市町もあります。

(画像は当会のHP野鳥図鑑より)


2006年野鳥のホームページ

2018-10-01 | フィールドガイド--野鳥--

野鳥のホームページ
当会も2006年ごろから野鳥図鑑として子供向けのホームページを開設したことがある。
現在は閉鎖されてみることができなくなった。
データも散逸復元がむつかしくなった。

「生きている加古川」の副読本作成のために流域の野鳥をしらべていると、加西市にコハクチョウがやってくるとか
データによると「例年11月末になると約4,000キロにも渡る長旅を終え、コハクチョウの群れが飛来します。
加西市は、国内最南端のコハクチョウ越冬地の一つです。コハクチョウが初めて飛来したのは1980年ごろ。
当時は数羽でしたが、毎年少しずつ増え、近頃は50羽以上の群れが飛来します。」(加西市のホームページより)

データを確認するために出かけたのは言うまでもない。

「秋も終りになるとロシアのシベリアから北海道の北部にオオハクチョウとコハクチョウがやってきます。オオハクチョウとコハクチョウはその後南下し、東北地方や日本海沿いの湖や湿地などに渡来します。
 オオハクチョウとコハクチョウは家族単位で移動し、その春に生まれた幼鳥を伴って渡ってきます。
 春が近づくとシベリアに帰り始めるために、南下していたオオハクチョウとコハクチョウは再び、北海道に集まり、そこからシベリアに帰る準備をします。でもハクチョウとコハクチョウが多くなります。
 オオハクチョウとコハクチョウは初めのうちは区別がつきませんが、よく見ると違いが見えてくるようになります。
 下の写真はオオハクチョウとコハクチョウの餌付けをしている新潟県の瓢湖(ひょうこ)です。」(当会の野鳥のホームページより 画像参照)
当時オオハクチョウをみるために新潟県瓢湖まで出かけての撮影でした


カワウ

2018-08-23 | フィールドガイド--野鳥--

カワウは、伊丹市の昆陽池の日本列島を模した人工島(野鳥の島)の木に、住み着いて繁殖し、糞で木を枯らす等の被害がでた。(写真)
2012年ごろには3000羽を超えるカワウがいたと言われています。
進化形態からいうと「古代鳥」に近い鳥、通常の水鳥のように尾脂腺が発達しておらず、一度羽を濡らすと羽を広げて良く乾かさないと飛べないので、よく羽を広げて乾かしている(写真)
現在2018年伊丹市では、カワウによって枯れてしまった樹林に新しい苗を植え、再生(森づくり)を行っています。


観察会の冊子

2018-07-13 | フィールドガイド--野鳥--

野鳥の観察会にはそのときに観察できる野鳥を冊子にしてくばります

冊子に付け加えて話す内容を紹介します。

スズメ
スズメのお宿はどこかいな..と探すのは「舌切り雀」の話。洗濯のりをたべたスズメの舌をおばあさんにきられたスズメの安否を気遣い探すお話。
人里の鳥のひとつ。最近、スズメの姿が減ったといわれます。米作りをしない放棄田がふえたせいでしょうか。

ヒヨドリ
公園などでもふつうにみられる鳥になりました。その名の通り「ヒーヨ、ヒーヨ」と鳴くところからこの名が付けられたようです。
花の蜜や果実が大好物です。桜の咲くころには桜の花を食い散らス様子も見られます。
アブラナ科の葉をよくついばみます。
熱帯が主生息地であった祖先ヒヨドリは、今は都会の鳥になりました。
昔の鳥の本には10月に渡来し、4月に渡り去る冬鳥と紹介されていました。