笑顔と涙。

そのコールが聞こえた時。
球場に大歓声と拍手が沸き起こった。
ピッチャー　岩本　背番号１８
『今日は応援バットは持っていかない』と決めて球場へ。
自分の手ですべての選手に拍手を贈りたいと思ったから。
応援バットだって同じかもしれないけど・・。

投球練習を始めたがんちゃん。
そして声援に応える。


がんちゃんは最後のマウンドへ向かった。
プレイボール。
マリーンズのバッターはがんちゃんより２年先輩の堀選手。
初球。かなり力が入っていたんでしょう。すっぽ抜けた感じの高めストレート。
１球１球、真剣勝負。
「堀～ぃ。打つなあぁっ。」っていうヤジが飛んだ。
それは違うよ。お互いに真剣勝負なんだよっ。
花を持たせるとかそういう次元ではないと思うから、そのヤジが悔しかった。

５球目のストレート。レフト前へのヒットになった。
その打球を振り返ったがんちゃんは笑顔だった。

試合後の引退セレモニー。
チームメイトやヒルマン監督からのメッセージが映し出されるのを読んで
ベンチを振り返って頭を下げる。
自分の挨拶の中でも「感謝の気持ちを」すべての人へ伝えた。

最後は胴上げ。
がんちゃん・・泣いてる。
ファンも精一杯拍手を贈る。
何より嬉しかったのは、マリーンズファンも残ってエールを贈ってくれた事。

今までの１６年間の積み重ねがあってこそ、この日、この涙があるんだろう。

がんちゃん。
今までお疲れ様でした。
勇気と元気をありがとうございました。
そして最高の笑顔をありがとうございました。

これからも、がんばってください。応援しています。

この思いを込めて精一杯叫びました。
「がんちゃん！　ありがとう！！！」