巨人・亀井善行外野手(34)は今季、代打で打率5割を誇る切り札的存在だ。
5日の中日戦(ナゴヤドーム)。首位広島を追いかけるには、最下位チームへの取りこぼしは許されない。だが巨人打線は再三の得点機を生かせず、1点リードされたまま終盤へ。それでも8回1死二塁から長野が四球を選ぶと、中日は好投の先発左腕バルデスをあきらめた。
コールされた2番手投手の名前を聞き、巨人ベンチは舌なめずりしたに違いない。昨オフに育成契約から支配下に登録された2年目の24歳、三ツ間は右横手投げ。巨人が最強の代打、左打ちの亀井を送るには格好の相手だったからだ。
初顔合わせながら、亀井は「球種は頭に入っていた。二岡(打撃)コーチからも(三ツ間に)替わったらいくぞと言われていた」と準備万端。
「まだ若い投手。必ず甘い球が来ると思っていた」。経験豊富なベテランは精神的優位に立ち、カウント3-1からストライクを取りに来た外角シュートをとらえ、右前へ値千金の同点適時打。チームは余勢を駆って逆転勝ちを収めた。
亀井は今季の働き場所を代打と見定め、「スタメンと違い一発で仕留めなきゃいけない。そう思ってキャンプからやってきた」。意識改革が実り、これで代打成績は12打数6安打で驚異の打率5割。打点9に達した。
昨季巨人は代打の打率がリーグ最低の・156。弱点を補うべく今季は亀井、村田ら実績ある打者をベンチに控えさせている。それだけに代打策が当たったこの日は、高橋監督も「勝負強さが本当に光ったかと思います」とご満悦だった。
ちなみに亀井は今季スタメンも3試合あるが、14打数1安打0打点と借りてきた猫のよう。勝負の分かれ目で“代打の亀様”をわざわざ降臨させるような継投策をとった中日ベンチは、ずいぶんお人よしだ。※引用しました!