JA7GOG - 宇宙は生成と衝突破壊の繰り返し

仮説、通説、迷信、誤解、目指せ間違い脱皮。勿論ここにも。
縄文時代、ペルシャ人が岩手で金を製錬。痕跡を探る。

これか

2008-07-04 21:24:58 | Weblog
淵沢能恵が女学校を開設した頃、朝鮮と日本の関係は良好だったようだ。では、何が排日の原因になったのか。これは、確かに原因になりうる。

ヤンコフスキー家の人々
遠藤公男著
講談社

朝鮮に渡って商売をする日本人が増えると、そこを属国にしようとするものが現れた。一八九五年、朝鮮駐在日本公使たちは、朝鮮王宮に壮士を乱入させ、国王高宗の妃、閔妃(ミンビ)を虐殺するという驚天動地の事件を起こした。

今、交流のある人は、ミンビを知っているか聞いてみてはどうか、答えが分かるかもしれない。

物語は中盤に入り恋愛小説かと鼓動を早める場面もあり面白くなってきた。そろそろ終戦である。

近づくXデー
日鉄清津製鉄所の労働者は動因学生と囚人を入れて五千名。八割が朝鮮人なのに朝鮮語の使用禁止と創氏改名が強行されて、職場は重苦しい空気に包まれていた。

製鉄だけでなく警察でも朝鮮人が働いていたという。日本名を名乗り日本語を話し任務に就く。これでは話がややっこしくなる。日本に反感を持つ者は、腹いせに、日本人よりも凶暴になってもおかしくない。
日帝が去って、侵攻して来るソ軍を歓迎したのも束の間、新たな支配者に自由を奪われたヤンコフスキー一家は収容所へ。

「アメリカ資本が広がれば、世界中がアメリカに屈服していいなりになってしまう。それを防ぐために、世界がソ連の社会主義に期待しているんだ」

今読むと不思議と納得してしまう。

囚人は規則を破ったロシア兵と、政治犯の白系ロシア人だった。中に朝鮮人が五人混じっていた。なぜ、ソ連軍が国境を越えて朝鮮人を連行できるのか、ワレリーには理解できない。彼らは、外国の品物、食べ物や技術を褒めたもの、スターリンの悪口、生活の不満をもらした者などだった。そんなことが罪とは日帝時代にも聞いたことがない。

理不尽な国家の暴力に襲われ散り散りになる一家、それでも希望を失わず、やがて再会する。平和な今こそ読んでおいた方が良いかもしれない一冊。お勧め係数190。遠藤氏は岩手の出身でした。

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