それは深夜、丑三つ時に始まった。
ドン、ズシン。ドドン、ズシン。
起きて騒ぎ出す者もなく、真夜中に暴れだした亡霊が足音を踏み鳴らしながら歩き回り、いつしか去っていくだろうその時をじっと待っていた。
半時ほど続いたろうか、ドドドドドザーー。
亡霊は起きてこない獲物に業を煮やし、けたたましい一撃を残して去って行った。
雪国では屋根に1メートルもの雪が積もる。
その雪がわずかに動いただけでも大きな衝撃 . . . 本文を読む
空気中のウイルス濃度は昼を過ぎた頃に危険領域に達したようだ。
匂いはないが、新幹線の比ではない。濃厚である。
フィルターを通して減少はしているが、それでも鼻粘膜を刺激する。
入ってくる空気を熱っぽく感じるのは、鼻炎の予兆だろうか。
久々に、吸着したモノを調べるために、木玉の付着物をエタノールで溶かし出した。
汚れは少ない。ということは、ウイルスは水蒸気に乗って飛んでいるということか。
くしゃみを . . . 本文を読む